その温もりで抱きしめて。【時々番外投稿〜♡】

恋の奮闘

番外】雛鳥は手の中で…

　
今回エロなしです(￣▽￣;)


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　あの淡い黄色の頭はなんだ？

　仕事が早上がりしたので、タクトにメッセージアプリで連絡を入れたら、丁度大学から帰るところらしい。

　夕飯にはちょっと早いがどこかで待ち合わせして外食にするかとなった。

　最近できた立ち飲み屋がいい感じだって聞いたなぁ…。
　タクトからは近いが、俺のところからはちょっと遠い。だが、美味い酒もあるらしいので、そこにしたい。カクテルが好きなタクトに日本酒の美味さも教えたい。

　メッセージを送ってみたら「OK」とスタンプが返ってきた。即、地図を貼って送る。
　念の為、位置情報を共有させておく。

　買い物して待ってるとメッセージがきた。用事をしてくれてるって事で気分的に余裕が出る。有り難い。

　で、タクトの位置にあの黄色い物体。行き交う人影の隙間から見え隠れ。デカいひよこ？

　多分あれがタクトだな。
　諦めて、近づく。
　被り物？　フード？　マフラー？
　今年の冬は急に来たから、マフラー欲しいなとは思ったが…。

　スマホ見てる。俺のアイコンが重なったのを見たのだろう。キョロキョロして、俺と目が合った。
　垂れた長めの耳が付いた帽子のような被り物。横についた長いのを首に巻いてる。
　マフラーでもあるようだ。被ってるのを後ろに下した。フードでもある。
　実用的だが、なぜウサ耳？！

　淡い茶色のダッフルに紺の大きなリュック。
　家出少年のようだ。よく職質を受けなかったなぁ…。

「ダグさーん」手をブンブン振ってる。
　可愛いなぁ。
　周りが彼を見て、俺を見て、即、彼を見返す。投げキッスするなッ。可愛いがな！
　周りが俺を胡散臭そうに見ていく。当たり前だな。

　慣れたが、やはり困るなぁ…。

　近づくと、頭を撫で歩くよう促す。

「それ、どうした」
　猫耳パジャマの次は…。おじさんはついてけないぞ。

「マフラー見てたら、お姉さんが薦めてくれたの。可愛いよね。実用的だし」

　実用的な点は認めるが、せめて茶色とか無難な色はなかったのか？

「この色が似合ってるって、このコートとも合うって」

　売れそうもないから、押し付けられて……。
　被せてみた。

　店員嬢よ、いい仕事した。サムズアップもんだ。

　ニコニコ顔が更に可愛い。
　ああ、俺の語彙が死ぬな。
　手繋いでくるし…。あー、誘拐犯みたいになってないか？

「ダグの手はあったいねぇ」

　そうか。
　柔らかい手を潰さないように握る。彼からもキュッと握り返してくれる。幸せってこういう事だな。

　ちょっと小洒落た立ち飲み屋。
　テーブル席もあるのか…、折角だから、カウンターがいいな。位置的にはあそこか。

　横でふわふわしてやがる。キョロキョロと相変わらず可愛い。今日はフードの効果で倍増だ。

　聞いた通り日本酒の種類が多い。焼酎もいいのがある。これとこれにするか。
　パウチされたメニュー表をケツをふりふり見てる。ウサ耳も相俟って丸い尻尾の幻影が見えやがる。酔うにはまだ早い。

　注文をし始めると、こちらの切れ目で店員が申し訳なさそうに「すみません、未成年にはお酒の提供は…」と言ってきた。

　ああ、そうか…。見た目の上、俺との対比で更に幼く見えるな…。今日はこのアイテムで…。すまんと思いつつもどうしたものかとしてると、タクトが財布からるんるんと何かを取り出してる。

　全然気分を害してる感じはない。寧ろ楽しんでる感じだ。
「成人してますッ」ジャーンと効果音がついてそうな勢いでカードを店員に突き出して見せてる。運転免許か…。

　ニッコリ店員。
　ニコニコのタクト。
　花が見える。小春日和が早々にやってきた。

　メニューの注文を続けて終了。
　酒が出てくるまで、タクトを愛でる。フードを被せてみる。
　片耳を立たせてみる。
　もう片方をタクトがあげたところで店員が酒を持ってきた。

「可愛いですね」
　女店員がニコニコだ。ムフフンと満更でもなさそうなタクト。うん、可愛いな。

　酒と肴に可愛いタクト。
　今日はいい日だ。

「ダグさんも被るのです」

　スポンと脱いで、俺にうんしょと被せてきた。ぴょんぴょんしてるのも可愛いんだが、ちょっと屈んでやる。
　可愛い顔が間近で、外なのに思わずキスしそうになってしまう。グッと耐えた。

　ムフフと笑いながら、被せてくれたが、ピッタリサイズ？　俺って頭デカかったか？

「ダグさん、可愛いですぅ～」

　あっ、タクト酔ってやがる…。
　ぽやぽやしてる。

「おー、似合ってるよ、兄ちゃん」
　誰かが発言。周りが賑やかになる。笑いが起きる。
　自然と笑える。
　タクトがそばにいると柔らかな何かに包まれる気がする。

　賑やかに揉みくちゃにされながら夜になった。

　暗くなった道をほろ酔いで連れ立って歩く。
　帰る先は一緒。俺たちのウチ。

　殺風景になって、広くなってたあの空間が、彼が来てくれた事で、再び大切な場所になった。これからも一緒に居たいな…。

　抱っこ～とタクトがしがみついてくる。
　おんぶしてやる。リュックが意外に重い。
　前にリュック、後ろにタクト。今日の仕事は打ち合わせ中心だったから道具はないんだが…。結構な苦行だな。

　外でタクトを飲ませる時は色々考えないと不味いな。
　取り敢えず、大通りに出るか…。

「ダグしゃん、大しゅき…」
　どんな夢見てんだか。
　タクシー捕まえなきゃな。







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たまにはエロなしも良いかなっと(￣▽￣;)ダメ？

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