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35】司のお仕事
しおりを挟む美鈴さんの顔色がいい。
休んだ皺寄せで走り回っていたが、漸く隣りの部署の様子を覗き見る事が出来た。雰囲気は幾分か明るくなっていて、彼は自席を離れるところだった。
机の上は綺麗に片付いている。先輩さんがいた頃に見た机に近い。
喫煙室に向かうのか。手元の所持物に眉が寄ってしまった。
仕事場の煙草までは処分出来なかった。自宅のはどさくさに紛れて処分した。元々自宅ではあまり吸ってなかったから、道具の復活までは時間が稼げるだろう。
処分したところで購入してくるだろう。仕方がない。喫煙者のあるあるだ。なかなか辞めれるものではない。その中でも自宅まではそれ程でもない美鈴さんは、望みがある気がする。
すぐにでも喫煙室に向かいたいが…。
「司くーん」
呼ばれた。
「はいはーい、ただいま~」
明るく返し、心の中で盛大な舌打ち。
仕事放り出して有休取っちゃったからね。
周りがちょいとご立腹なんですよ。自分の居場所の改善の為に動かざるを得ない訳です。とほほ…。
やっと、喫煙室に向かう事が出来た。居た居たぁ~。
中の自動販売機でお気に入りのジュースを購入。
どうやら美鈴さんの部署も改善しつつあるようだ。オレの仕事も終わりかな。お疲れのオレの頭に糖分補給。
キャップを閉めつつ、静かに近づく。彼は気づいてないようだ。
手元の煙草は、長く灰をつけて、節が少し目立つ長く綺麗な指に挟まれている。
ゆっくり持ち上がり、綺麗な唇に咥えられると、チリチリと密やかな音を立てて灰が製造される。
紫煙がゆっくり吐かれる。
「美鈴さん」
そっと呼び掛ける。
ぼやっと澱んだ目がこちらを見てくれた。
反応は悪くはない。
それほど深くないのか?
オレの声だから反応してくれているかもと思うと嬉しい。
口角がゆっくり上がる。
目はこちらを見てくれてなくても、その微笑みは至上の喜び。
でも、「オレを見てよ…」と呟いてしまう。
妄想の中からどうやったらこっちに来てくれてるのだろう。
オレは、目に見えないオレと勝負しないといけないようだ。どうすれば勝てるんだ…。
==================
今回の連作終了~。
司のお仕事もほぼ終了。あとは上手く巡環するか見守りでしょうか。さて次はどこに異動になるでしょうか。
二人の関係は振り出し戻ると言うか、これからスタート的な感じでしょうか。
1話の状況に戻ったか( ̄▽ ̄;)
妄想から引っ張り出せるか。
煙草をやめさせられるか。
司の戦いの始まり(とか言ってみるw
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