【完結】逃げる男と追う男

アキノナツ

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夜に霞む

【6】 ※

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「長いね…」
「長いな」
他人事みたいに言ってる。

人間の時は、射精したら、次ッ!と抜かずにエンドレス?てな感じで。抜いてもオレ転がされたり持ち上げられたりと色々な体位をさせられて、ドチュドチュンって突込んでた。

「そう言えば、バックからが好きだったね。ワンワン。くふふ……あぅッ」
タクがムッとして身体を起こしかけてやめた。動いただけで、ナカが刺激される。タクを揶揄うのはやめよう。

「お前な……」
何か言いたそうだったが、飲み込んでしまった。
ナカのタクはピクピク動いてるけど。
繰り出される熱が気持ちいい……。

「ヒマだから、お話しする?」
「なんだそれ」
さっき何か言いたそうだったし。

「昼間どこ行ってたの?」
「仕事しに行った。白髪ってイジられた」
「オシャレって事にしたら?」
「その事なんだけど、この白いのってオオカミに関係あるんだよな」
「たぶんね」

暫く、いい倦んで、話し出した。
「俺の田舎に小さい祠があってさ。『オシロさま』って神様が祀ってあるんだ。よくある昔話さ」
それからポツポツとタクが祠の神様の話をし出した。


◆◆◆


遥か昔のお話。

山間の村。
農業と林業、狩猟を生活の糧にしてる、極々ありふれた村。

村の隅に祀られていた小さな祠の山神さまの力が弱くなってしまったのか、山から獣が降りて来ては悪さをする様に。

村人は、精一杯の供物を捧げてお祈りしました。山神さは頑張りましたが、力及ばず山に溶けてしまったのです。

空の祠に悪いモノが入っては大変です。
いい神様が住んでくれるように、丁寧にお掃除して、供物を皆んなで少しずつ出し合って捧げました。
村はそう裕福ではないのです。

そこに現れたのは、大神おおがみさまでした。

大きな獣の神様です。
村人は皆で山神さまになって下さいとお願いします。

『贄を出せ。さすれば、俺が山神になってやろう』
村人は困惑しましたが、話し合い、色白の可憐な娘を差し出す事にしました。

娘は、家族を獣に殺され、弟と一緒に親戚の家に身を寄せていたのです。村の為ならと了承します。

娘には将来を誓った若者がいました。貧しい若者に村の総意に反論出来る力はありません。

娘は綿帽子を被った花嫁衣装で村人と共に祠に向かいます。

娘がひとり祠の前で、佇んでいると、大神は見目麗しい人間の姿に変えて現れたのでした。

綿帽子を鷲掴み剥ぎ取るように投げ捨てると、睨みつけるように娘がいました。

「貴方は良い神ですか?」

『良い神ではないが、守ってやれる神ぞ。そこな供物、気に入った。ココも気に入った』
祠を指して、笑ってる。
『お前も気に入った。俺の嫁になれ』

娘は翌日ボロボロになって村に帰ってきました。
村人に発見された時『贄は受け取った。村は守る』と言い残して気を失いました。その声は大神さまの声でした。

2月後、娘は二匹の仔犬を産みました。

大神さまは山を治め、傷だらけの美丈夫の姿で娘を迎えに来ました。

村でこの仔たちを育てたいと娘は言います。

それから、大神さまは山と村を行き来して、野良仕事を手伝ったりして村の大きくしていったのです。

大きな獣になっては、ふさふさの白い尾で仔犬たちをあやしてる姿を見る事もありました。

仔犬たちは、やがて人に姿かたちを変えて、村人に溶け込んでしまいました。

村人に『オシロさま』と大神さまは呼ばれる様になり、手厚く祀られるのでした。


◆◆◆


「イクメンじゃん!」
ゆらゆら揺らされながら、タクの話を聞き終わって、感想を述べた。

「最初の感想がそれか?」
イケメンのタクが渋面になってる。

「それで、白い尾っぽの神様にちなんで、『白尾しろお』なんだね」
「そういう事。村は白尾だらけ。……これって本当の話て事だよな?」
自分の中の血はこの獣の血かと問いたいのだろうな。

「オレ、あんまりそういうの詳しくないから分かんないけど、たぶんそうじゃない?」

「そうか……」

「抜けそう?」
実はさっきから竿を抜こうと試みたりしてた。脚をタクに絡めてるとはいえ、痺れてきてたから。

でも、なんだかガッチリ栓がされたみたいにびくともしないので、諦めて、タクに抱き込まれて、ゆらゆらされてた。気持ちいいんだけどさ。そろそろ動きたい。

中の奔流も治ったみたいだし、いけるんじゃないかなぁ。

「おお……」
タクが動いた。

「うぅぅん……」
感じちゃう。

後孔から竿が全て抜けた。流石に孔が塞がらないみたいだ、ナカがスゥスゥする。腹が重い。見れば、薄っすら膨れてる。いっぱい出したのね……。
怠くて、コロンっと横を向いた。取り敢えず脚を閉じたい。

上から退いたタクだったが、オレを後ろからそっと抱き込む。陽だまりの感覚が包む。
何故かオレの腹を撫でられてる。

「タクさんよぉ~。何故腹を撫でる?」
後孔からトロロンっと白濁が漏れ出てきた。

「んーーーー。なんでかな? こうしてると落ち着く……から?」
オレのツムジの匂いを嗅いでる。息遣いを感じる。

「ふぅーん、そうなんだ。力加減の調整は出来ましたかね? まだ致します?」
くんかくんかと匂いを嗅がれてる。
オレ汗くさくなる事ないけど、そこまで嗅がれると不安になる。

「タクさぁん」
返事が無くて、再度呼びかける。

「お前さ。俺んところ来いよ。陽の入らない部屋作るからさ」

およよ?となりながら、高速で打算が働く。
安全の確保? 信頼できる? んーーーーー、ひとりよりいいか?

今まで意識がない昼の安全に不安が無かった訳ではない。
オレに益があるとして、タクの利益は?

「タクに得ある?」
「得? よく分からんが、落ち着く」
心の平穏かな?

「いいんだけどさ。いつもなら身軽な身体なんだけどね。洗濯機買ったばかりなんだよ。手放すの惜しくなる賢さなの」

「そこ?」
呆れた声。
だよね。でも、あの子めっちゃ気に入ってるの。

「んーーーー、買い替えるから来いよ」
「持って行くんじゃなくて?」
今まで引越し業者なんて使った事ないからどうしたらいいか知らんけど。

「今すぐ来いよ」
はぁいい???

頭をクリクリしてる。ほっぺ擦り付けてる。頭禿げるから辞めんかい!

……匂い付けしてるイヌみたい?

ま、いいか……。

「分かった。番犬になって貰うわ」
イヌとか考えてたからかな。番犬って言っちゃった。

「番犬……」
ほら、傷ついちゃった。
「分かった。今から持ち帰るでいいな」
オレはテイクアウトじゃないですよ、タクさん! 今からなんて急過ぎます!

「準備いるんですよ? お分かりですか、タクさん?」
『番犬』の仕返しだな?
グイッと身体を捻って、タクを見れば、至極真面目な顔をしてた。仕返しの欠片などない。

あれれ?

「今日は、お前の塒に戻るけど、明日は俺のところな?」
決定事項になったようです。
「う、うん」
気圧されて了承した。

孔も戻って、腹も楽になった。
動けるって幸せぇぇ。
ググーっと伸びて、起き上がる。
タクが引っ付いてるけど、気にしない。

気にしないけど、動けない。

ベッドの上で、腰に腕を回され、頸に鼻面擦り付けてるタクに、駄目元で声をかけてみた。

「風呂入りたい」

抱き上げられて、バスルームへ。
おお! 下僕ゲット?
タクはご満悦なご様子。オレもご満悦。

二人で楽しくお風呂タイムを満喫して、解散かとなるはずが、二人で来た道を帰る。そう、一緒に帰ってきた。

えーと……
「タクさん?」
靴を脱いで、部屋に上がると、オレを横抱きに抱える。お姫様抱っこ。さっきもしてくれてたけど、移動はコレになるの?

暗闇をものともせず、進んでる。見えてるんだ……。
シーツの掛かってないマットレスにオレを横たえ、添い寝。

えーと……
もうすぐ朝になりそうですけど、えーと、これで……いいの? コレなんなの???

すーーーーと、活動が止まった。



バキバキと身体が鳴る。

起き上がると、側にタクが立ってた。

「行くぞ」
起きてすぐ動くの?

部屋に掛かってた。カーテンとか外されて、部屋にあった鞄に詰め込まれてる。

荷物はまた取りに来ればいっか。

ぷらっと、鞄を持って歩くタクの後ろについていく。
ふと思いついた。

「タク! オレさ。お前の助手になる!」
わくわくが止まらない。探偵といえば、助手が必要なんだよね?
パイプの御仁も助手がいつも側に居たしね。

「はぁあ?」
「タク探偵とぷりちぃな助手のエドくん。いいでしょ?」
「ーーーーま、いいか」

「そうなると、兄上に連絡しないと」
スマホを取り出す。
「兄上?!」

「ハロー。オレ、一緒にいるヤツ出来た。……うん……大丈夫。……来るの? 良いけど。……うん、分かった。またね」
スマホをポケットに捩じ込むと、驚きの表情のまま立ち尽くしてる彼に向き直る。

「兄上、来るって」

「兄上?」
「うん、一番上の兄」
「ーーーー兄弟いるの? ちなみに何人?」
なんか顔強張ってる。
吸血鬼に家族って変?

「うーーーんと、数はよく知らない。この兄上も一番上かも定かじゃないけど、オレ認識で、一番上。その下に姉と兄が一人ずついるけど、あんまり連絡とってない。オレ、末っ子で可愛がられてる……かな」

「そうなんだ」
なんか考え出した。

「基本放任だから、気にしないで大丈夫だよぉん」
「ああ……」

タクの塒に向かった。



天蓋付きのベッドが出来た。
遮光性バッチリ。窓もカーテンと雨戸でバッチリ。
今時雨戸って珍しい。シャッター付いてた。
部屋に陽が入っても、天蓋のこの布が囲ってあって大丈夫。

出来たてのベッドで、抱き込まれてます。
えーと、致すの?

キスされてます。
チュッチュ、チュッチュと身体中されてます。時々チリッとしてるから、痕もついてるかもです。体質上すぐに消えるので気にしません。

今まで以上にねちっこいです。
なんなのでしょう。

後ろも十分に解されて、挿入されて、抽挿されてるんですけど、イかないね。
射精しないです。

さっき抜けた竿はローションでベタベタ以外に先走りでも濡れてるみたいです。
色々な体位で突き挿れられて、当たるところが変わって、もう度々絶頂に打ち上げられて、気持ちいいんだけど、息も絶え絶えです。

「タクぅぅん、喉、乾いたぁぁ」
オレ、吸血鬼なの。淫魔じゃないの。タクさんよぉ~、分かってるかい?

「はぁぁぁああん!」
後ろから、ドチュンと突っ込まれて、喘ぎが抑えられない。お尻も動いちゃう。

上半身はベッドに擦り付け、腰を高く、脚を開いて、奥に入ってる彼を更に奥に誘っちゃう。

シーツを握りしめて、お尻を突き出して、「もっと」と誘ってた。
タクは激しく腰を振ってる。

奥の奥に這入って、もう奥は閉じてない。
そこに昨日と同じ熱い奔流が吹き付けられると思うと、ゾクゾクと背筋を電気が駆け上がる。

「イくぞ」
短く言うと、腰を強く掴まれ、最奥に思いっきり突き挿れ、射精した。
「はぁぁぁ………んん、ぅぅんん……」
オレも吐露してた。そう言えば、全然前触って無かったわぁ……。
お尻でイっちゃた。

完全に上半身はへばって伸びて、尻を高くして、タクを受け入れていた。
「ぁっぃ……」
呟く。

タクはオレをそっと抱き込む。脚を閉じさせて、横抱きにして、また腹を撫でて摩ってる。
うつらうつらと眠りそうな、温く温くとした流れを感じつつ、喉の渇きを感じてた。

目の前にあった腕を掴むと、カプッと噛み付いた。
コキュ、コキュ……

美味しいぃぃ。

暫くすると、腕が外され、キスされてた。
舌を絡める。眠くなる中、クチュクチュと口の中を舐め尽くされてる。

唇を解放されて、再び抱き締められる。
夢うつつにもう血が出ない腕を舐める。



眠ってたかもしれない。
青い水面が見える。
上に上がらないと……。

「吸血鬼も夜寝るんだな」
寝起きでぼんやりしてるオレにタクが話掛けてた。

「こんなの初めてだと思う。小さい時はしれないけど、吸血鬼として、独り立ちしてからはね」

まだ後ろに入ってる感じ?

「明日の晩は、オレのボスのところに連れてく。これからのこと考えたら、仕事は外注扱いにして貰う。弁護士バッチも返さないとな。ふぅ。昼は少し留守にする事になるかもだけど、戸締まりはして行くから大丈夫だ」

「タクって探偵じゃなくて、弁護士だった…のぉん?」
コクンと頷いてる。

「ぅんん、ぅぅんはぁん…」
喋ってる途中で、竿を抜き出した。
奔流が治ったんだと思うんだけど、動く前に声掛けしてほしいです。変な声出ちゃうから。

「田舎から抜け出るのに大学が手っ取り早くて、どうせなら稼げる職種と思って、弁護士資格とった」
抜き取ると陽だまりが包む。

身体を捩って彼を見たら、指を噛んでる。何?
皮膚を少し裂いた指先をオレの口に突っ込まれる。
さっき捻ったからか、後孔からトロッと白濁が流れ出てた。

大人しくしゃぶりながら、抱き込まれてた。
なんなのでしょう、この時間?

朝の時間が近づいてきてる。
指を咥えたまま、ゆっくり活動が止まってしまった。



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