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後.温もりの中で鳥は歌う。 ※
しおりを挟む微睡の中で、目醒めは遠く、霞の中を、沈んでいく。目醒めの時、温もりの中で鳥は歌う。
***
「……大好き」
「うん、知ってるよ」
しっとり濡れた肌が絡む。
「俺もキミが好き」
下唇を啄まれ、マスターの唇と舌でムニムニと食べられてる。
「あのさぁ、先生に…」
キスの合間に言葉を紡ぐ。
乳首を触ってたマスターの指がピクンと固まった。
あっ、『先生』は不味いんだな? オレやらかしてしまった。
「大学の教授ね…?」
探るように言葉を紡ぐ。
「そいつがどうした?」
なんだか不機嫌。珍しい。
ベッドの上では余り不機嫌にならないマスター。
だから、割と重要な話をこんな時しちゃったりするんだと思う。否定されたくないもん。
狡いオレ。
「コンクールに出ないか?って」
チュッとキス。ペロリと唇を舐める。
舌を絡めたい。
閉じて中に入れてくれない。入れてよぉ~。
「コンクール?ーーーーあとで順を追って教えてくれ」
脇腹から腰に向かって揉んで撫でて、手が這い動いてる。
行為に集中したいらしい。
オレも。
話を振っといてなんて言い草。
「大好き…」
「知ってる」
より深く身体を絡めた。
マスターはオレを奏でる。
気持ちいい。
彼だけがオレを解放してくれる。
音が、世界が、解放されて、広がって行く。
クチュ、クチュ…チュッ、グチュチュ…
キスは甘くて、いつまでも出来そうだ。
唾液を混ぜて、分け合って飲み、舌を絡めて、合わせて、ジリジリと痺れさせる官能にオレを溺れさせていく。
下からも水音と肉を打つ音が重奏でオレの耳を満たしていく。
マスターはオレからいい音を出させるいい奏者だ。
オレは、全てを委ねて、全てを開いて、受け入れて解放して、音に、マスターに溺れていく。満たされていく。
オレは音になって漂う。
あぁぁぁ、イク……。
マスターと一緒がいい。ダメかな?
脚を絡めて、肉筒で抱きしめて促す。
ナカで痙攣してる。オレも震える快感が止まらない。
耳元で「うぐぅぅ……」くぐもった声が響く。
耳から喜びが広がり、弾けた。
全身から全てが解放されて、ナカに熱が満たされる。染み込んで隅々まで侵されていく。
精子の一匹一匹がオレの細胞を音を突き回して、オレを擽る。
「はぁぁぁ……」
マスターとの身体の間でオレの白露はネチョヌチョと塗り広げられて、汗と混ぜ合わされてる。感触に雄芯が再び兆してきてしまう。
ーーー浅ましい。
マスターに嫌われちゃう。
泣きそうな気分で様子を伺うと、嬉しそうにオレのを腹の間で擦り合わせてる。
オレのナカでマスターも勃ち上がってきてた。
ふと目が合ったら、マスターが驚いた顔をした。そして、優しく笑った。
「泣かなくていい」
呪文と同じ響き。
コレ何度も聴いてる。
「俺が好きなんだろう? 俺もキミが大好きだ」
唇がおでこに。
目を閉じると、瞼の上に。
何度も触れる。優しく、顔中に触れていく。
擽ったくて、嬉しくって……。
くふふ……
堪らず小さく噴き出した。
「俺の全てはキミのもの。キミに捧げる。愛と言ったら、重いか?」
鼻の奥がツンとして、ポロポロと閉じた瞼の隙間から次々と溢れて流れていく。
「泣かないで……俺が辛い」
目尻に唇を感じる。
「悲しくて、泣いて、ない」
グスグスしながら、言い募る。
「オレの全てをマスターに。汚いオレだけど。マスターを愛してます。ーーーオレでいいの?」
「キミだから、いい。キミ以外考えられない。重くてごめんな」
目を開ければ、目元を赤くしたマスターがいた。
目を合わせて、心を込めて伝える。
「ーーーありがとう」
この温もりの中で、オレはオレでいいのだと。声も高らかに歌うように世界に告げた。
ーーーーーーーー
今回が最終回のようになってしまった( ̄▽ ̄;)
タイトルがね。文章になるなぁって思ったらね、こうなっちゃったのです。
『音に浸る』シリーズはこれで終わりかな。
また書くとなると、限りなくイチャイチャしてそうな二人です。
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