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【本編】〇〇までのカウントダウン
8・帰るまでのカウントダウン
しおりを挟む放課後。
やってきましたよ!
……おや?
一緒に居られませんが……なんで~?!
約束はぁあ?!
タケシは柔剣道場に居る。
剣道部は柔道部と交互に使ってる。
使えない日も走り込みしたりして、部活はある。
オレも科学部の部室。
だべっている。いるだけ部員のオレ。
来てはいるけど、居なくてもいい感じなのに、今日は帰れない。帰りは、一緒じゃないと意味がない気がする。だって約束した!
課題したりして、タケシを待つ事にした。
放課後って言っても、オレたちってやる事多いじゃん。
協定が揺らぐ。
再締結を要求しよう。
一緒に居られるのは、週末になりそうだ。
ん~、課題終わらせとこ!
俄然やる気を出して、ペンを動かす。
ワークも前倒しでやってしまうか。
あ! 先にやると不機嫌になるんだったあの先生。違う紙にでも書いて、写せばいいようにしておこう。
ニッシシと嗤いが湧いてくる。サクサク宿題を終わらせていくオレ。
コレで時間作れる…はず!
一緒か……。何しようかなぁ。
わくわくが止まらない。
随分進んだところで手を止めて、ぼんやり窓の外を見た。
この前まで秋の抜けるような空だったのに、今日はどんより曇り空。
晴れてたら出かけられるけど、雨だったら、室内かなぁ…。
秋は短い。長い冬がやってくる。
タケシの部屋でゲーム?
室内で……イチャイチャ?
イチャイチャ?!!!
突沸のように、熱が上がった。
心臓バクバクです。
この前のキスを思い出していた。
舌の絡む感触までも甦って、膝を擦り合わせた。
ヤ、ヤバイって…。
えーと、もし!もしだよ? もし、あんなキスされちゃったら、次の段階(?)に進んじゃったりする?! するよね? しちゃうよね? ね?
どうしよう……。次って、アレだよな……。
妄想が沸き上がる。
タケシと抱き合って……ぎゃぁあああああ!
室内なのに、全力疾走後の鼓動と呼吸。
動悸が……。胸を押さえて、丸まる。
そもそも、エッチな事って、具体的にどうやるんだ??
前に観たネットの映像が過ぎる。
アレするんだよな。男で入れるところって、一箇所しかねぇな……。
スーッと熱がひく。
オレ、タケシの傍らで、タケシ見れてたら、それで、良かったんだよ…な。
タケシのアレ…アレじっくり見た事なかったな。トイレの時、チラ見はしたけど、よく見えなかった。
あ、脱線。
えーと、ココにを入れる(?)事になるのかな?
ん? それとも、オレがタケシに……?
なんかピンと来ないなぁ……。
やっぱ、タケシのをオレに…?
エッチな事って……あああああ! 妄想ストップッ!
ストーーーーップ!!!
し、調べよう!
落ち着け、オレ!
漠然としか知らないからダメなんだ。
早く、コレ治まってもらわないと…。
ワークに集中した。
壁の周期表を睨みつけて、呪文を唱える。
ムラムラはだいぶん治った。
水兵が船の上で踊ってる。
宿題終わった。ワークも進んだ。
まだ時間にならない。
早くタケシ終わらないかなぁ。
縦の列の呪文に入る。
キセノンの記号を見て、ムラッとしかけた。
やっと治まってたのに!
なんなんだよぉーーーッ!
「帰るッ!」
周りがビクッとした。
「おお、お疲れぇ~」
辛うじて、部長が声を出した。
カバンを掴むと、部室を出た。
スマホを取り出す。
『ごめん。帰る』
タケシに送る。
約束を破った。
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