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【本編】〇〇までのカウントダウン
10・気恥ずかしくなるまでのカウントダウン(タケシ視点)
しおりを挟むやっと終わったぁ。
片付けをお願いして、更衣室に向かう。
今日は本当は部活は休みたかったが、交流試合が近く、部員が少ない事もあって休めなかった。
早めに上がらして貰う旨をお願いしてたはずなんだが、いつも通りって!
1年生の悲しさってヤツか?
俺の焦りを感じてか、他の部員が帰れと言ってくれた。
ありがたい!
力いっぱい礼を言う。
着替えの途中、スマホが通知を知らせる光を発してる。
軽い気持ちで手にして、固まった。
帰った?!
開けるまでもなく、通知表示に釘づけになる。
放課後って、約束したじゃんかぁあああ!
腹が立ったが、深呼吸。
着替えを済ませる。
急用が出来たのかも知れない。
ロッカーを閉めて、バス停に急ぐ。
時間が悪い。
運行アプリで確認。
少し行った先の大通りの方がすぐ来るようだ。小走りに向かう。
トオルが送ってきた時間から考えて、暫く待っててくれてたと思う。
さっさと帰った訳じゃない。
ーーーー逃げられた訳じゃない。
焦ってる気はしてる。何を焦ってるのかは自分でもよく分からない。が、なんだか焦っている。
ちゃんと捕まえないとトオルが離れて行きそうな気がする。
通知されて来てたメッセージをクリック。
そのまま通話をクリック。
コール。
……出ない。
コール……出ない。
繰り返す。
何度目かで、出てくれた。
ほっとするのも束の間、直感的に思う。変だ。
いつもなら「なになにぃ~?」って明るい声で出てくれるのに…。
なるべく静かに、落ち着いてと、自分に言い聞かせて、でも、転がり出た言葉は「約束」だった。
『なんで帰ってんだよ?』って非難する自分がいて、『何かあったのか?』って心配する自分がいて、もうごちゃ混ぜで!
何やってんだよ、俺!
トオルの声が固い。
怖がらせてないか?!
俺って目つきが怖いとか言われてるのに、声までドス効かせてどうする!
トオルに気を遣わせてるし!
頑張って話しかけてくれてる。
いつも通りと心がけながら、言葉をつなぐ。
また、喉が締まって上手く喋れなくなる。
この喉が忌々しい。
いつもトオルと喋る時、緊張して、元から弱い気管支に支障が出る。
トオルに会いたい。トオルと話したい。
顔から火が出そうな言葉も伝えた。
俺、頑張ったよ。
結果会える事になった。
会えたんだが、なったんだが、この空気はなんと言っていいものか……。
無理させてるか?
分からない。
避けられてる。
無理をさせてしまっただろうか。
目の前にいるのに、視線が合わない。
こんな事今まで一度もなかった。
合ったと思っても、ついっと逸らされる。
モソモソ動いたり、上の空だったり。
放課後一緒というのは、確かに現実に沿ってない。そこは認めるから、ちゃんと話して決めたかった。と言うのは建前。
『会いたいだけ!』なのが本音。
でも、コレは……。
俺……押し過ぎてる?
この感じ……相手を追い詰めて、一本取りに行く、あの感じに似てる。
ーーーーートオル、ごめん。
ちゃんと話そう…。
手を握った。
自分の気持ちばかり押し付けてたんだ。
反省しながらも、逃がしてなるものかと躍起になってる自分がいて、心に中は大乱闘。
互いに真っ赤になって、見合ってしまった。
とりあえず、手は離した。
気恥ずかしさにドリンクバーで入れて来てたコップを乱暴に掴む。
コップに残ってるドリンクを一気に空けた。
気恥ずかしい気分を押し殺す。
カレーを食べながら、何を話していいか分からず、黙々と食べていた。
トオルに嫌われたくない。
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