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滝川 海老郎

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12. 渋くないポーション

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 今日の目標はもう決めてある。それは「渋くないポーション」の作成だ。
 村長の家にお邪魔して、研究に励む予定。

 中央広場に寄ったら、今日はさっそく隅の方で、お肉をゴザの上に並べて、天日干しに挑戦するユーザーが何人かいらっしゃった。
 作業を見てると単に、肉をナイフで切っただけで、塩とか使ってないみたい。
 それだと味がいまいちになっちゃうよ~と思いつつ。
 アドバイスすると目立つのでやめておく。皆ごめんね。

 塩味のウサギの干肉は、明日の朝にはきっと普及し始めるんだろう。

 村長のお家に到着した。さっそく、研究開始。
 クルミとサクラちゃんは見てるだけで、2人で狩りに行っちゃったりしないようだ。

 まず試作品一号。砂糖を入れてみた。
 東南アジアでは、砂糖入りウーロン茶が主流らしい。きっとソレみたいな味になっている。と思いたい。
 クルミに試飲させてみる。

「うえー。甘いんだけど、渋みはそのままだ。美味しくはない」

 失敗だったようだ。私は失敗しても、めげない女の子。頑張るぞ。

 次に作ったのは、葉っぱをすりつぶさないで、そのまま淹れたものを作ってみた。
 色が普通のよりだいぶ薄い。

「うーん。渋みは減ったけど、単純に薄くなっただけじゃない?」

 効果を調べると、HP回復量が半分の25になっていた。

 じっと様子を見ていた、サクラちゃんが声を掛けてくる。

「お茶って、60度ぐらいのお湯で入れると、渋みが抑えられるって言いませんか」
「そうなの?」
「はい。カフェインが高温で解けるとか聞きましたわ」
「それじゃあ、やってみよう」

 さっそく、一度沸騰させたお湯を、60度ぐらいになるように冷ましてから、薬草を入れ、抽出してみる。
 色は若干薄い感じだ。またクルミに試飲させる。

「おー。確かに渋みが抑えられてる。すごいー」

 ●5級ポーション(渋み控えめ)
  HPが回復する。通常より渋みが抑えられていて、飲みやすくなった。
  種別:ポーション、飲み物
  レア度:2  ランク:3
  HP回復:1分で60上昇
  満腹度(水分):4上昇

 ランクが3になったからか、HP回復量が10多いよ。

「ミケさん、やりましたわね」
「うん。できちゃったね」

 予定より早くできて、時間が空いてしまった。
 追加の実験をする。「ポーション濃縮作戦」だ。

 まず、比較用に普通の5級ポーション2つぶんを、お湯が半分になるまで火にかける。
 次に「渋み控えめ」を同じように、火にかける。

 するとどうでしょう。色の濃い4級ポーションと、普通の緑色の4級ポーションができた。
 試飲は、例によってクルミ先行である。
 クルミは、ごくっと喉を鳴らしてから、ヤバそうな方の色の濃いほうから飲んでみる。

「げー。これはないわ~。これはきついわ~」

 すぐさま、もういっこのほうを飲んでみる。

「はー。生き返る~。渋みはあんま感じない。むしろ少し甘みがあるぅ」

 とのこと。

 ●4級ポーション
  2倍濃縮。渋みも2倍だよ。
  種別:ポーション、飲み物
  レア度:2  ランク:3
  HP回復:1分で120上昇
  満腹度(水分):4上昇

 ●4級ポーション(渋み控えめ)
  2倍濃縮。通常より渋みが抑えられていて、飲みやすくなった。
  種別:ポーション、飲み物
  レア度:2  ランク:3
  HP回復:1分で120上昇
  満腹度(水分):4上昇

 まだ、ゲームは始まったばかりなので、120も回復量は不要だ。
 しかし、いずれ必要になってくるんだと思う。
 ゲロまずポーションはちょっと常用したくない。


 今日は西のデルタ町方面に行ってみよう。

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