申し訳ないけど、悪役令嬢から足を洗らわせてもらうよ!

甘寧

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ついに、出発の日。
カルロが用意してくれた馬車で、アルデガニ国へと向かう。
予定では二日ほどで到着するらしい。
隣と言っているが、やはり距離があるんだなと実感する。

「レーナ、本当は行かせたくないんだ。カルロ様の直々の書簡が届いては、許さずを得なかった。一体いつ知り合ったんだい?」

兄様対策にカルロに一筆書いてもらったら、効果てきめんだった。
すまん、兄様。

「入学の時、アレン様に紹介していただきました」

初めてのはだけど。
中庭のことは口が裂けても兄様に言えないねぇ。

「そうか……仕方ない。気おつけて行ってくるんだよ。サラ、くれぐれもレーナが無茶をしないように見張っててくれ」

「承知しております」

私も、無茶はしたくないけど。
サラに頼むって事は、信用されてないな……。



「ミレーナ様、ドライフルーツいかがです?」

カナリヤを迎えに行き、ようやく出発出来た。
馬車の中では、カナリヤが家から持ってきたくれたドライフルーツを食べながら、外を見ながらのんびりと揺られている。
いいね、このゆったりとした感じ。
久しぶりだよ。

「あれ?カルロ様はご一緒じゃないんですか?」

「キャッ!」

エリオが馬車の上から中を覗いてきてたもんだから、カナリヤがビックリして悲鳴をあげた。

「こら!エリオ!そんなとこから顔を出すんじゃないよ!慣れていないお嬢様がいるんだ!」

「おっ!?すみません。ミレーナ様とサラだけかと思ってました」

「まったく……。カナリヤごめんよ驚かせて。こいつは私の影として着いてきてくれてるんだよ」

カナリヤは初対面だからね。ちゃんと言っとかないと、エリオが侵入者になってしまう。

「そうなんですね。すみません、私てっきり賊かと……」

「当たらずも遠からずかね?」

「やめて下さいよ!これでもエリートなんですよ俺!」

自分で「これでも」って言ってる時点でダメだと思うけどね。

「で、カルロだっけ?カルロは一足先に向かったよ」

カルロは昨日のうちに出発している。
なんでも、客人より先に行って、向こうで出迎えるのが礼儀らしい。
そんなの気にしないと言ったんだが、カルロ自身が気になるみたいだ。

「ミレーナ様、雲行きが怪しくなってきました。今日は早めに宿を決めた方がよろしいかと」

サラに言われて空を眺めると、確かにヤバそうだ。
降られる前に宿に入りたいねぇ。

「一番近場の宿に泊まろう。降られるよりはマシだよ」

「そうですね。では、一番近場の宿で手配します」

──自分たちで宿を決めるのも、旅の醍醐味だね。
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