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何も掴めないまま、夜会になってしまった。
カナリヤのドレスはピンクのもの。ふんわりレースで腰の部分に大きなリボンの付いた可愛らしいもの。
私のはブルーと黒を基調にして、胸にフリルが付いていて一見可愛らしく見えるが、後ろを見るとザックリ背中が開いたドレス。
毎度毎度侍女の選ぶドレスは、決まって露出が多い。
ま、カナリヤみたいなのは似合わないんだけどさ。
そして、ギリギリまで行かないと言い張っていたダンテとマウロだが……。
「おや、似合うじゃないか」
「ダンテさんもマウロさんも素敵ですよ!」
名目は護衛だからね。近衛兵の制服を取り寄せてもらったが、中々いいじゃないか。
「そうか?」
「窮屈で動きにくいですね」
カナリヤに褒められて、満更でも無さそうだ。
ちなみに、エリオは顔が知られると後々不都合だからって事で不参加。でも、どっかで見てるらしい。
「さてさて、準備も出来たし行くか!」
──何事も無く終わればいいけどね。
※
会場内は、それはそれは華やかっだった。
人も食べ物も。
カナリヤとダンテ、マウロは食べ物に釘付け。
食べるより先に主催者に挨拶しなければいけない。
令嬢としてのマナーはしっかり守らないとね。
しかし、人が多すぎてカルロが何処にいるか分からない。
キョロキョロ辺りを見渡していると……。
ん……?んん!!?
この場には居るはずのいない人物が目に入ったもんだから、思わず二度見しちまった。
その人物は……。
「あの、ミレーナ様?あの方、アレッシオ殿下じゃないですか?」
ああ、カナリヤも気づいたか。
しかも、隣にはジルベルトまでいる。
「そう……だよな?」
居るはずがないと思っているからか、疑問形になってしまった。
そんな私らを尻目にアレンとジルベルトがこちらにやって来る。
「やあ、ミレーナ。久しいね」
「あら、アレン様。数日前に学園で会ったばかりじゃないですか?そんな事もお忘れで?」
ニコニコしているが、目が笑っていない。
しかし、あえていつもの感じで対応する。
「ジルベルト様まで、どうしたんですか?」
「ああ、こいつは私の護衛としてついてきている。まだちゃんとした騎士ではないが、腕前は私が保証しているからな。それに、ミレーナがいる隣国に行くと言ったら、こいつが連れてけとうるさくてな」
「で、殿下!!そんな事言っておりません!!」
顔を真っ赤にしてジルベルトが反論するが、アレンはどこ吹く風。
「時にミレーナ。少し話がある、ちょっと付き合ってくれるか?」
「はっ?」
「ミレーナ様!?」
断る間もなく手を引かれ、カナリヤの声を最後に会場を出た。
そして連れていかれた場所は、人気の無い廊下の踊り場。
壁に背を預け、アレンと向き合う。
ああ、昔流行った壁ドンってヤツか?
壁ドンって、壁殴るもんだと思ってたよ。
若い衆に笑われたっけな。どんだけ恋愛してないんだよ!って。
「何考えてる?」
あっ、回想してる時じゃなかったか。すまんね、年取ると昔が懐かしいんだよ。
「ミレーナ。私が言いたいこと分かるよな?」
「さぁ?なんの事でしょう?」
だいたい検討はついているが、しらを切る。
「まったく……お前にエリオを付けてるだろ?エリオは私の直属の部下だ。上司である私に報告は義務なんだ。当然、今回のこともな」
はあ?エリオの奴!!裏切ったね!!
「で、何故私に報告しなかった?」
「いや、普通旅行行くのにわざわざアレン様の許可必要ですか?必要ないですよね?」
名目は旅行なんでね。
「普通の旅行なら許可など要らん。普通のならな!今回のはカルロに誘われて来たものだろ?」
「ええ、誘われましたけど旅行ですよ?」
「お前には危機感というものがあるのか、ないのか不安になる時がある」
若干呆れられながら言われたが、何が気に入らないのかわからん!
「まどろこしい言い方止めてくれます?言いたいことあるならハッキリ言ってください」
「そうか……。ま、お前相手だからな。ゆっくり責めるより行動に移したほうがわかり良いだろ」
「だから、なに……」
言い切る前に、唇に柔らかく暖かいものがふれた。
はっ………?
触れていた時間は数秒だったが、それ以上に思えた。
「これからは、もう我慢はしない。覚悟しといてくれよ、婚約者候補殿」
ニコとし、アレンが立ち去って行く。
その後ろ姿を、ただ見つめる事しか出来なかった。
──……キス……?
カナリヤのドレスはピンクのもの。ふんわりレースで腰の部分に大きなリボンの付いた可愛らしいもの。
私のはブルーと黒を基調にして、胸にフリルが付いていて一見可愛らしく見えるが、後ろを見るとザックリ背中が開いたドレス。
毎度毎度侍女の選ぶドレスは、決まって露出が多い。
ま、カナリヤみたいなのは似合わないんだけどさ。
そして、ギリギリまで行かないと言い張っていたダンテとマウロだが……。
「おや、似合うじゃないか」
「ダンテさんもマウロさんも素敵ですよ!」
名目は護衛だからね。近衛兵の制服を取り寄せてもらったが、中々いいじゃないか。
「そうか?」
「窮屈で動きにくいですね」
カナリヤに褒められて、満更でも無さそうだ。
ちなみに、エリオは顔が知られると後々不都合だからって事で不参加。でも、どっかで見てるらしい。
「さてさて、準備も出来たし行くか!」
──何事も無く終わればいいけどね。
※
会場内は、それはそれは華やかっだった。
人も食べ物も。
カナリヤとダンテ、マウロは食べ物に釘付け。
食べるより先に主催者に挨拶しなければいけない。
令嬢としてのマナーはしっかり守らないとね。
しかし、人が多すぎてカルロが何処にいるか分からない。
キョロキョロ辺りを見渡していると……。
ん……?んん!!?
この場には居るはずのいない人物が目に入ったもんだから、思わず二度見しちまった。
その人物は……。
「あの、ミレーナ様?あの方、アレッシオ殿下じゃないですか?」
ああ、カナリヤも気づいたか。
しかも、隣にはジルベルトまでいる。
「そう……だよな?」
居るはずがないと思っているからか、疑問形になってしまった。
そんな私らを尻目にアレンとジルベルトがこちらにやって来る。
「やあ、ミレーナ。久しいね」
「あら、アレン様。数日前に学園で会ったばかりじゃないですか?そんな事もお忘れで?」
ニコニコしているが、目が笑っていない。
しかし、あえていつもの感じで対応する。
「ジルベルト様まで、どうしたんですか?」
「ああ、こいつは私の護衛としてついてきている。まだちゃんとした騎士ではないが、腕前は私が保証しているからな。それに、ミレーナがいる隣国に行くと言ったら、こいつが連れてけとうるさくてな」
「で、殿下!!そんな事言っておりません!!」
顔を真っ赤にしてジルベルトが反論するが、アレンはどこ吹く風。
「時にミレーナ。少し話がある、ちょっと付き合ってくれるか?」
「はっ?」
「ミレーナ様!?」
断る間もなく手を引かれ、カナリヤの声を最後に会場を出た。
そして連れていかれた場所は、人気の無い廊下の踊り場。
壁に背を預け、アレンと向き合う。
ああ、昔流行った壁ドンってヤツか?
壁ドンって、壁殴るもんだと思ってたよ。
若い衆に笑われたっけな。どんだけ恋愛してないんだよ!って。
「何考えてる?」
あっ、回想してる時じゃなかったか。すまんね、年取ると昔が懐かしいんだよ。
「ミレーナ。私が言いたいこと分かるよな?」
「さぁ?なんの事でしょう?」
だいたい検討はついているが、しらを切る。
「まったく……お前にエリオを付けてるだろ?エリオは私の直属の部下だ。上司である私に報告は義務なんだ。当然、今回のこともな」
はあ?エリオの奴!!裏切ったね!!
「で、何故私に報告しなかった?」
「いや、普通旅行行くのにわざわざアレン様の許可必要ですか?必要ないですよね?」
名目は旅行なんでね。
「普通の旅行なら許可など要らん。普通のならな!今回のはカルロに誘われて来たものだろ?」
「ええ、誘われましたけど旅行ですよ?」
「お前には危機感というものがあるのか、ないのか不安になる時がある」
若干呆れられながら言われたが、何が気に入らないのかわからん!
「まどろこしい言い方止めてくれます?言いたいことあるならハッキリ言ってください」
「そうか……。ま、お前相手だからな。ゆっくり責めるより行動に移したほうがわかり良いだろ」
「だから、なに……」
言い切る前に、唇に柔らかく暖かいものがふれた。
はっ………?
触れていた時間は数秒だったが、それ以上に思えた。
「これからは、もう我慢はしない。覚悟しといてくれよ、婚約者候補殿」
ニコとし、アレンが立ち去って行く。
その後ろ姿を、ただ見つめる事しか出来なかった。
──……キス……?
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