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令嬢のあるべき姿とは?
ヴェルナーの屋敷で迎えた初めての朝。
朝食の為に食堂へと行くと、眼鏡をかけたヴェルナーが書類に目を通しながらリディアが来るのを待っていた。肘を当てながら真剣に考えこむ姿は、まさに眼福。
眼鏡を装備したイケおじなんて、最高以外のもなにものでもない。
(生きててよかった…!!)
心の中で合掌するほど素敵な光景。
「やあ、おはよう。よく眠れたかい?」
「え、あ、はい。おはようございます…」
眼鏡を外しながら挨拶をしてくれるが、完全に色気に当てられてしまって言葉に詰まりながらどうにか絞り出した。
席に着くと、手際よく料理が運ばれてくる。どれも美味しそうだが、見た事のない料理が多い。入っているものもよく分からない。きっとこちらの土地ならではのものなのだろう。
リディアは「いただきます」と手を合わせてから口に運んだ。別にそれだけ。普通に食事を始めただけなのに、目の前にいるヴェルナー始めとする使用人達が目を見開いて驚いている。
(え?何かまずった?)
リディアの後ろに控えている二コルも、額に汗をかいている。
「……すまない。あまりにも躊躇なく口に運ぶものでね。少々驚いたんだ」
そう言いながら自分も料理を口にし始めた。これは、完全にやっちまった感…
「す、すみません」
何が悪かったのか分からないが、とりあえず謝りながらフォークを置いた。するとヴェルナーが「フッ」と微笑んだ。
「大丈夫だよ。驚いたと言うのは無作法だと言っているのではない。目の前の料理にケチを付けずに食べ始めたのが君が初めてだったんでね。驚いたと言ったんだよ」
(ああ……)
「見ての通り、ここの料理は野草や川で採って来た魚などを出しているんだが、草など食べられなと文句を付ける者や、魚よりも肉を出せと要求する者が多くてね。……君はそういったもの達とは違うようだ」
なるほど……普通の令嬢ならその反応が正解なのかもしれないが、こちらは貧乏が身に染みている生粋の貧乏令嬢。出されたものは感謝して食しなさいという教えがあるので、別に躊躇することはなかった。逆に手を付けずに食べ物を粗末にする方が怒られる。
──というか
「この魚はヴェルナー様が!?」
「ん?ああ、そうだ。長時間机に向かっていると肩が凝るんでね。息抜きを兼ねて行くんだが、いつもすぐに連れ戻される。今回ばかりは、君の為だと言ったら大人しく釣りをさせてくれたよ。まあ、二匹釣るだけに時間がかかり過ぎだと怒られてしまったがね」
照れくさそうに笑う姿が、可愛いと言ったら怒られるだろうか……出来る事なら頭を撫でまわしたい。
リディアはうずうずする手と口をキュッと締めて、心を落ち着かせるように深く息を吐いた。
「良ければ一緒に行ってみるかい?」
「ッ!!旦那様!?」
慌てて使用人達が止める。
「どこの世界に令嬢を釣りに誘う辺境伯がいるんですか!?」
ごもっともな理由を並べているが、相手はリディアだ。
「いいんですか!?」と目を輝かせている。「お嬢様!?」とこちらは二コルが慌てて止めに入る。
「貴女は令嬢ですよ!?分かってますか!?どこの世界に釣りをする令嬢がおりますか!!」
血走った目でリディアに詰め寄る。どちらの使用人も主を止めるのに必死のようだが、当の本人らは全く話を聞くつもりはないらしい。
「まあ、いいじゃないか。行きたいと言う者を無理に止めるものではないよ?」
「……」
ヴェルナーは使用達に言い聞かせるように伝えた。屋敷の主人から言われたら、使用人がそれ以上口を出せる訳もなく、大人しくなった。
二コルだけは何か言いた気に眉を顰めていたが、周りが黙ったので仕方なく言葉を飲み込んだ感じだった。
「では、リディア。後ほど部屋に迎えに行くよ」
「はい。お待ちしております」
嬉しそうに返事を返した。
朝食の為に食堂へと行くと、眼鏡をかけたヴェルナーが書類に目を通しながらリディアが来るのを待っていた。肘を当てながら真剣に考えこむ姿は、まさに眼福。
眼鏡を装備したイケおじなんて、最高以外のもなにものでもない。
(生きててよかった…!!)
心の中で合掌するほど素敵な光景。
「やあ、おはよう。よく眠れたかい?」
「え、あ、はい。おはようございます…」
眼鏡を外しながら挨拶をしてくれるが、完全に色気に当てられてしまって言葉に詰まりながらどうにか絞り出した。
席に着くと、手際よく料理が運ばれてくる。どれも美味しそうだが、見た事のない料理が多い。入っているものもよく分からない。きっとこちらの土地ならではのものなのだろう。
リディアは「いただきます」と手を合わせてから口に運んだ。別にそれだけ。普通に食事を始めただけなのに、目の前にいるヴェルナー始めとする使用人達が目を見開いて驚いている。
(え?何かまずった?)
リディアの後ろに控えている二コルも、額に汗をかいている。
「……すまない。あまりにも躊躇なく口に運ぶものでね。少々驚いたんだ」
そう言いながら自分も料理を口にし始めた。これは、完全にやっちまった感…
「す、すみません」
何が悪かったのか分からないが、とりあえず謝りながらフォークを置いた。するとヴェルナーが「フッ」と微笑んだ。
「大丈夫だよ。驚いたと言うのは無作法だと言っているのではない。目の前の料理にケチを付けずに食べ始めたのが君が初めてだったんでね。驚いたと言ったんだよ」
(ああ……)
「見ての通り、ここの料理は野草や川で採って来た魚などを出しているんだが、草など食べられなと文句を付ける者や、魚よりも肉を出せと要求する者が多くてね。……君はそういったもの達とは違うようだ」
なるほど……普通の令嬢ならその反応が正解なのかもしれないが、こちらは貧乏が身に染みている生粋の貧乏令嬢。出されたものは感謝して食しなさいという教えがあるので、別に躊躇することはなかった。逆に手を付けずに食べ物を粗末にする方が怒られる。
──というか
「この魚はヴェルナー様が!?」
「ん?ああ、そうだ。長時間机に向かっていると肩が凝るんでね。息抜きを兼ねて行くんだが、いつもすぐに連れ戻される。今回ばかりは、君の為だと言ったら大人しく釣りをさせてくれたよ。まあ、二匹釣るだけに時間がかかり過ぎだと怒られてしまったがね」
照れくさそうに笑う姿が、可愛いと言ったら怒られるだろうか……出来る事なら頭を撫でまわしたい。
リディアはうずうずする手と口をキュッと締めて、心を落ち着かせるように深く息を吐いた。
「良ければ一緒に行ってみるかい?」
「ッ!!旦那様!?」
慌てて使用人達が止める。
「どこの世界に令嬢を釣りに誘う辺境伯がいるんですか!?」
ごもっともな理由を並べているが、相手はリディアだ。
「いいんですか!?」と目を輝かせている。「お嬢様!?」とこちらは二コルが慌てて止めに入る。
「貴女は令嬢ですよ!?分かってますか!?どこの世界に釣りをする令嬢がおりますか!!」
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「まあ、いいじゃないか。行きたいと言う者を無理に止めるものではないよ?」
「……」
ヴェルナーは使用達に言い聞かせるように伝えた。屋敷の主人から言われたら、使用人がそれ以上口を出せる訳もなく、大人しくなった。
二コルだけは何か言いた気に眉を顰めていたが、周りが黙ったので仕方なく言葉を飲み込んだ感じだった。
「では、リディア。後ほど部屋に迎えに行くよ」
「はい。お待ちしております」
嬉しそうに返事を返した。
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