城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?

甘寧

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侍女兼便利屋

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今私と、上半身裸の不審者(仮)の方は、床に正座をして殿下とテレザ様のお説教を受けている所です。

何故、私までお説教を受けなければならないんでしょう。
元を正せば、この不審者(仮)の方のせいなんですよ?

──物凄く不服です。

「──で、何故貴方が上半身裸でマリアンネに馬乗りになってたのかしら?ね、?」

おや?殿下はこの方を知っているご様子ですね。

「いや、これはですね。色々と事情がありまして……」

エルと申す不審者(仮)の方は、殿下に睨まれ小さくなっております。

──これが俗に言う、蛇に睨まれた蛙の例ですね。

見目麗しい方の睨みは一段と威力がありますからね。

「マリアンネもマリアンネよ!!あれぐらい、あんたなら抜けれたでしょ!?何、されるがままになってんのよ!?」

「……いや、まさに男性の大切な部分を蹴りあげようとした時に殿下とテレザ様が現れたので……」

「えっ?」

エルさんが大切な部分を手で覆いますが、今更蹴り上げませんよ。

「まったく、マリアンネ。貴方、私の婚約者って立場分かっているの?」

「……お言葉ですが殿下。私は、婚約者ではありません。役を演じただけです。それに、その依頼は既に遂行済みです」

もう二度とその依頼は受けません。
私の受けた依頼で最も最悪な事案でした。

「あら?ダメよ。だってカリンには貴方が婚約者だって紹介してしまったもの」

ニヤッと微笑む殿下に殺意が湧きました。

……最初から嵌めるつもりで、言ってきたのですね。この腹黒王子は。

しかし、そんな事に屈する私ではありませんよ?

「……そうですか。それは契約違反となりますね。それでは、陛下及びにカリン様に今までの顛末を事細かにお話して参ります。──因みに、契約違反ですので違反金もいただきます」

スッと立ち上がり陛下の元へ行く為、部屋を出ようとした所で、慌てた殿下に止められました。

「ちょ、ちょっと待って!!ごめんなさい!!冗談がすぎたわ!!謝るから待ってちょうだい!!」

そんなつまらない冗談、ルイスさんでも言いませんよ。

「……えっ?君、殿下の婚約者じゃないの?」

私と殿下のやり取りを見ていた、エルさんが目を丸くしてこちらを見ています。

そうでした、この方の誤解を解かなければいけませんでした。

「ええ、私は婚約者役という役を演じただけです。どこでそんな誤解をしたのですか?」

そう言えば、まだこの方の正体を聞いていませんでした。
事の発端は、この方が正体を素直に言わないのがいけなかったのです。

正直に仰ってくれれば今こうして、小言を聞くこともなかったのです。

「はぁ~、もう隠すことは無理ね。……マリアンネ、エルは私の影なのよ」

殿下の大きなため息と共に、正体が伝えられました。

……なるほど、影の方と言うなら誤解していた事やあの俊敏な動きにも納得です。

殿下に付く影は並大抵の方ではなれません。
この方、実は凄い方だったのですね。

では、何故怪我をしていたのでしょう?

「……で、エル。その傷は誰にやられたの?」

「はい。殿下を狙った者にやられました。僕とした事が不覚だった……」

「あ~、またライナー派の仕業ね」

ライナー様とは、殿下の弟君。第二王子です。
兄君の殿下と違い、ライナー様は少々頭が残念な方なのです。
それでも、見た目は殿下に負けず劣らずの容姿で口も上手く女性が擦り寄ってきます。
その為、女性との噂が尽きない節操なしです。

そして、こんなライナー様でも支持している貴族の方はおります。

──まあ、頭が弱いので扱いやすいと言うのが最大の理由でしょうね。

時期国王は第一王子の殿下に決まっておりますが、それを不服に思っているライナー様支持派が、殿下の命を狙っているのも周知の事実です。

──ライナー様が時期国王になったら、この城は娼婦館と化しますよ。

「──とりあえず、エルは暫く傷を治すことに専念してちょうだい」

「はい」

これは、ようやく解放されそうですね。

「……マリー?貴方は今から私とお話よ?」

ポンッと私の肩を叩いたのは、テレザ様。
顔はにこやかですが、その笑顔の奥は大層ご立腹のご様子。

……今日中に終わるでしょうか?
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