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侍女兼便利屋

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あの後、殿下の自室に連れ込まれた私はテレザ様に手当をしてもらい、テレザ様から暫く休養のお達しが下りました。

カリンとも無事再会出来ました。
カリンは私の顔を見るなり泣き出し、そのまま抱き着かれ私の無事を喜んでくださいました。
私としては、カリンが無事だった事の方が嬉しいです。

さて、刺客の方はと申しますと、エルさんと騎士の方々に追われながらも逃げ切ったらしく、第一騎士団長と第二騎士団長のお二人方が陛下元に出向き謝罪したようです。
……あの人数をよくも撒けまけましたね。
陛下は、「良くやった」と労いの言葉を団長様方に掛け、刺客の方が何処の者か調べるよう通達したようです。

その後、他国の方々に謝罪する為、陛下と殿下は大忙しでした。
幸いなことに命を落とした方はおりませんので、何処の国の方々も「とんだ災難だったな」と逆に労わって下さったようです。

──……この事がきっかけで、争いなどになったら一大事でした。

そして、今回私が怪我をしたのは婚約者をお願いした自分のせいだと、殿下から慰謝料と言う名のお給金を頂きました。
これは、怪我の功名です。大変嬉しいです。

……とまあ、ここまでが今までの経緯なんですが、何を隠そう私は今、殿下の自室で療養中なのです。

あの日、テレザ様に手当をして頂き、テレザ様の手を借りて部屋に戻ろうとした所を、殿下に捕まりました。

「足が治るまで、ここに居なさい。貴方の顔は敵にバレているの。そんな足じゃ相手出来ないでしょ?ここなら警備もしっかりしているし、エルもいるから安心よ?」

と、殿下に言われてしまった挙句、カリンにも説得され渋々殿下の元でご厄介になっている所存であります。

しかし、殿下の自室は落ち着きません!!
無駄に広すぎます。更に調度品は高い物ばかり、下手に触って壊したら弁償ものです。

キュル

「おや、ルーナ。おかえりなさい。お腹いっぱいになりましたか?」

ルーナも私と同じく殿下のお世話になっております。
ルーナは殿下に「マリーの事、お願いね」と私の護衛役を任せておりました。
その為、ルーナは食事の為に外出しても、短時間で戻ってきます。

──私の騎士ナイトは実に真面目です。

コンコン

「マリー、調子はどう?」

「──……殿下、お陰様で大分良くなりました。この調子なら明日には部屋に戻れそうです」

私はその場に立ち、飛び跳ねて良くなっている証拠をお見せしました。
いつまでも殿下のお世話になっている訳にはなりませんからね。

私が殿下の部屋に来てからと言うもの、殿下のベッドは私が占領してしまい、殿下はソファで眠ると言う生活を送っております。
殿下のベッドを私が使うわけにはいかないと、何度も何度も抗議しましたが、殿下は「怪我人をソファなんかに寝かせられらいでしょ!?」と半ば無理矢理ベッドに寝かされました。

一度「一緒に寝ますか?」とお聞きしたら、口にしていたお茶を激しく噴き出しむせてしまいました。

「あ、あ、貴方!!誰にでもそんな事言ってるの!?いい事、男は皆狼なの!!簡単にそんな事言ってはダメよ!!」

顔を真っ赤にした殿下に、何故か叱られてしまいました。

──良かれと思ったんですが……


本日のお給金……慰謝料20万ピール

借金返済まで残り5億8千40万2100ピール
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