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グロッサ国
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「ふぁぁ~~~ぁ」
「……まだ始まったばかりですよ?」
今、私とルイスさんは静まり返った屋敷の屋根の上にいます。
屋根の上からは夜空がとても綺麗に見渡せます。
──素晴らしい星空ですね。
そんな夜空など気にも止めていないルイスさんは、大きなあくびをしたせいで涙目になっております。
「──……ねぇ、マリー。何で俺ら屋根の上にいるの?」
「こういう場面はまず、屋根の上からと決まってるじゃないですか?」
「いや、それ、何処の常識!?」
寝転がっていたルイスさんが勢いよく飛び起きました。
「冗談ですよ」
屋根の上にいるのには、理由があります。
「ピィーーーーー」っと、私が指笛を吹くと……──来ました。
キュルルルル!!!
森の方からこちらへ飛んでくる影が見えました。
「ルーナ!?」
ルイスさんもルーナを認識した様です。
そう、私が屋根の上にいたのはルーナを待っていたからです。
航海中はずっと一緒でしたが、流石に屋敷には連れて来れません。
私はルーナに「指示があるまで、森で大人しくしていてくれますか?」と、伝えておいたのです。
「てっきりルーナは国に戻ったのかと思ってたよ」
ルイスさんはルーナを撫でながら仰っております。
ルーナもルイスさんに会えて嬉しそうに顔を擦り付けています。
……国に戻るように伝えたんですが、ルーナが離れなかったんですよ。
仕方ないので、森で待機していてもらいました。
「──で、ルーナを呼んだのは、俺に会わせる為じゃないでしょ?」
察しがいいですね。
「えぇ、一応念には念を入れて、外はルーナに警備してもらおうと思っております。ルーナは夜目が利くので適任だと判断しました」
まぁ、ルーナの出番がないのが一番なんですが。
「お前、警備まで出来るのか!?すげぇな!!」
キュルン!!
ルイスさんが更にルーナを褒めると、ルーナは得意げに一声鳴きました。
全く、誰がルーナの主だと思っているんです?私ですよ?ルーナが賢いなんて当たり前じゃないですか。
ルーナが褒められて、私も鼻が高いです。
「さぁ、早速ネズミ捕りにでも行きましょうか?」
「えぇ~、ネズミなんているか分かんないじゃん。ここでルーナと夜を明かそうぜ?」
……なに付き合いたてのカップルみたいな事言ってるんですか。
「はいはい、ルイスさんはこちら、ルーナは外をお願いしますね」
いまだにルーナにくっ付いているルイスさんの首根っこを掴み、ルーナから離しました。
「ルーナ---!!」と、叫んでおりますが、明日の朝また愛でて下さい。
今は仕事中です。
ルイスさんが離れると、ルーナは早速屋敷の周りを旋回し始めました。
──ルーナは仕事熱心ですね。ルイスさんにも見習って欲しいです。
私はルイスさんの首根っこ掴み、引きずりながら屋敷の中へと戻りました。
屋敷の中は既に皆さんお休みのようで、静まり返っておりますね。
「……二人で同じ所にいても仕方ないので、手分けしましょう」
「あ~ぁ、分かったよ~。仕事すればいいんでしょ~?」
ルイスさんから、何ともやる気の無い返事が返ってきました。
──全く、この方は大丈夫でしょうか?
少々不安を残しつつ私は右の廊下へ、ルイスさんは左の廊下へと別れていきました。
さて、ネズミがいないことを願いましょうか。
「……まだ始まったばかりですよ?」
今、私とルイスさんは静まり返った屋敷の屋根の上にいます。
屋根の上からは夜空がとても綺麗に見渡せます。
──素晴らしい星空ですね。
そんな夜空など気にも止めていないルイスさんは、大きなあくびをしたせいで涙目になっております。
「──……ねぇ、マリー。何で俺ら屋根の上にいるの?」
「こういう場面はまず、屋根の上からと決まってるじゃないですか?」
「いや、それ、何処の常識!?」
寝転がっていたルイスさんが勢いよく飛び起きました。
「冗談ですよ」
屋根の上にいるのには、理由があります。
「ピィーーーーー」っと、私が指笛を吹くと……──来ました。
キュルルルル!!!
森の方からこちらへ飛んでくる影が見えました。
「ルーナ!?」
ルイスさんもルーナを認識した様です。
そう、私が屋根の上にいたのはルーナを待っていたからです。
航海中はずっと一緒でしたが、流石に屋敷には連れて来れません。
私はルーナに「指示があるまで、森で大人しくしていてくれますか?」と、伝えておいたのです。
「てっきりルーナは国に戻ったのかと思ってたよ」
ルイスさんはルーナを撫でながら仰っております。
ルーナもルイスさんに会えて嬉しそうに顔を擦り付けています。
……国に戻るように伝えたんですが、ルーナが離れなかったんですよ。
仕方ないので、森で待機していてもらいました。
「──で、ルーナを呼んだのは、俺に会わせる為じゃないでしょ?」
察しがいいですね。
「えぇ、一応念には念を入れて、外はルーナに警備してもらおうと思っております。ルーナは夜目が利くので適任だと判断しました」
まぁ、ルーナの出番がないのが一番なんですが。
「お前、警備まで出来るのか!?すげぇな!!」
キュルン!!
ルイスさんが更にルーナを褒めると、ルーナは得意げに一声鳴きました。
全く、誰がルーナの主だと思っているんです?私ですよ?ルーナが賢いなんて当たり前じゃないですか。
ルーナが褒められて、私も鼻が高いです。
「さぁ、早速ネズミ捕りにでも行きましょうか?」
「えぇ~、ネズミなんているか分かんないじゃん。ここでルーナと夜を明かそうぜ?」
……なに付き合いたてのカップルみたいな事言ってるんですか。
「はいはい、ルイスさんはこちら、ルーナは外をお願いしますね」
いまだにルーナにくっ付いているルイスさんの首根っこを掴み、ルーナから離しました。
「ルーナ---!!」と、叫んでおりますが、明日の朝また愛でて下さい。
今は仕事中です。
ルイスさんが離れると、ルーナは早速屋敷の周りを旋回し始めました。
──ルーナは仕事熱心ですね。ルイスさんにも見習って欲しいです。
私はルイスさんの首根っこ掴み、引きずりながら屋敷の中へと戻りました。
屋敷の中は既に皆さんお休みのようで、静まり返っておりますね。
「……二人で同じ所にいても仕方ないので、手分けしましょう」
「あ~ぁ、分かったよ~。仕事すればいいんでしょ~?」
ルイスさんから、何ともやる気の無い返事が返ってきました。
──全く、この方は大丈夫でしょうか?
少々不安を残しつつ私は右の廊下へ、ルイスさんは左の廊下へと別れていきました。
さて、ネズミがいないことを願いましょうか。
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