92 / 177
グロッサ国
23
しおりを挟む
「話を纏めよう……屋敷に忍び込んでいるのは、リチャードを狙った毒蜘蛛達で間違いないな?」
「はい」
「……と言うことは、ここの当主は人助けをしたら実は、そいつが殺人集団の幹部クラスの奴で、知らぬ間に自分の命が危ぶまれていたって事か?」
「……はい。その通りです」
ゴリさんがリチャードに問うと、項垂れながら返事を返してきました。
レナード様からしたら、とばっちりもいい所ですからね。
「……私は、旦那様のお命が狙われていると知った時、この屋敷を出ようとしました。この、レニを置いて……レニもまた、私と一緒にいた事で何度も命を狙われました。ですから、ようやく見つけた居場所を奪う訳にいかないと思いまして……」
「だから、そんな事ないって!!私はお義父さんと一緒にいたい!!」
リチャードさんの言葉に、レニさんが悲痛な表情で声を荒げました。
レニさんはどんなに命が狙われても、リチャードさんの元を離れたくないのですね。
「……正直、旦那様宛に届いた文の内容を見た時、嬉しく思いました。私一人の力では限界がありますゆえ、衛兵に注意を払うよう頼んでおりましたが、相手が毒蜘蛛なので衛兵では到底太刀打ち出来ません。そんな折、届いた文でしたので藁にもすがる思いで、渋る旦那様を説得しルッツ様便利屋の皆様に参上願った次第です」
リチャードさんは更に「便利屋の皆様を騙していた事、心からお詫びいたします」と、深深と頭を下げました。
「別にお前は何も騙しちゃいないだろ?俺らは依頼があれば、何だってやる。──便利屋だからな」
ニカッといい笑顔でゴリさんが仰りました。
確かに、ゴリさんの言う通りです。
まあ、毒蜘蛛出身には驚きましたが、それは過去の事ですから。
リチャードさんは「ありがとうございます」と一言仰り、俯き目頭を押さえておりました。
……と、その時。
「ただいまぁ~~!!!」
勢いよくドアが開き、シモーネさんとティムさんが護衛から戻ってきた様です。
お二人は部屋の中の空気を察し「えっ?何?空気おもっ!!!」と、今迄の空気が一変しました。
「──あぁ~。お前ら、とりあえず座れ。説明する」
ゴリさんがお二人に座るよう促し、一連の経緯を説明すると「ふ~ん」と、お二人共あまり驚きません。
「まぁ、最初から只者じゃないのは分かってたしねぇ」
「僕もちょっと前に気づいた所だけど……ほら僕、偽物探ししてるでしょ?追ってく内に知ったんだよね」
お二人共、今更と言う顔で仰りました。
そう言えば、ティムさんは偽物探しを担ってましたね。
「──丁度いいから報告するけど、あの偽物。毒蜘蛛の中ではNO.5奴だね」
ティムさんが、サラッと申しました。
その報告に驚いたのはリチャードさんです。
「なっ!?──なぜ、貴方はそこまで調べれたんですか!?毒蜘蛛の情報は普通の人間では到底知ることが出来ぬはずです!!」
リチャードさんは目を丸くして、若干興奮気味でティムさんに詰め寄りました。
「確かに、僕以外の人間には不可能だろうね。まぁ、どうやったかは企業秘密だけど」
「……信じられない……」と、リチャードさんが呟いている傍らで、ティムさんはとても誇らしげです。
「因みに、そいつは変装の能力持ちだよ。声まで変えるから、言われなければ本人だと気づかない。──この間の偽ゴリさんの件だって、マリーが些細な違和感に気づかなければ誰も偽物だと気づかなかったはずだ」
能力持ち……エンバレク国ではあまり聞いた事がありませんが、生まれつき特殊な能力を持った人間がいるということは聞いた事あります。
──まさか、ここで相まみれるとは……
確かに、外見だけでは完璧に騙されました。
ちょっとした癖や仕草が重要になりそうです。
能力者とは、厄介なものですね……
「僕が調べられたのはここまで。これでも十分過ぎると思うけど?」
そうティムさんがゴリさんに伝えると「あぁ、十分だ」と、満足そうです。
「……あの、それはきっとクィーンと言う奴です」
急にリチャードさんが口を開き、偽物の事を話し始めました。
「毒蜘蛛達は、ナンバーに合わせたコードネームを持っているんです。私はNO.3でしたので、コードネームはトレースでした」
私達は、リチャードさんの話に耳を傾けました。
「はい」
「……と言うことは、ここの当主は人助けをしたら実は、そいつが殺人集団の幹部クラスの奴で、知らぬ間に自分の命が危ぶまれていたって事か?」
「……はい。その通りです」
ゴリさんがリチャードに問うと、項垂れながら返事を返してきました。
レナード様からしたら、とばっちりもいい所ですからね。
「……私は、旦那様のお命が狙われていると知った時、この屋敷を出ようとしました。この、レニを置いて……レニもまた、私と一緒にいた事で何度も命を狙われました。ですから、ようやく見つけた居場所を奪う訳にいかないと思いまして……」
「だから、そんな事ないって!!私はお義父さんと一緒にいたい!!」
リチャードさんの言葉に、レニさんが悲痛な表情で声を荒げました。
レニさんはどんなに命が狙われても、リチャードさんの元を離れたくないのですね。
「……正直、旦那様宛に届いた文の内容を見た時、嬉しく思いました。私一人の力では限界がありますゆえ、衛兵に注意を払うよう頼んでおりましたが、相手が毒蜘蛛なので衛兵では到底太刀打ち出来ません。そんな折、届いた文でしたので藁にもすがる思いで、渋る旦那様を説得しルッツ様便利屋の皆様に参上願った次第です」
リチャードさんは更に「便利屋の皆様を騙していた事、心からお詫びいたします」と、深深と頭を下げました。
「別にお前は何も騙しちゃいないだろ?俺らは依頼があれば、何だってやる。──便利屋だからな」
ニカッといい笑顔でゴリさんが仰りました。
確かに、ゴリさんの言う通りです。
まあ、毒蜘蛛出身には驚きましたが、それは過去の事ですから。
リチャードさんは「ありがとうございます」と一言仰り、俯き目頭を押さえておりました。
……と、その時。
「ただいまぁ~~!!!」
勢いよくドアが開き、シモーネさんとティムさんが護衛から戻ってきた様です。
お二人は部屋の中の空気を察し「えっ?何?空気おもっ!!!」と、今迄の空気が一変しました。
「──あぁ~。お前ら、とりあえず座れ。説明する」
ゴリさんがお二人に座るよう促し、一連の経緯を説明すると「ふ~ん」と、お二人共あまり驚きません。
「まぁ、最初から只者じゃないのは分かってたしねぇ」
「僕もちょっと前に気づいた所だけど……ほら僕、偽物探ししてるでしょ?追ってく内に知ったんだよね」
お二人共、今更と言う顔で仰りました。
そう言えば、ティムさんは偽物探しを担ってましたね。
「──丁度いいから報告するけど、あの偽物。毒蜘蛛の中ではNO.5奴だね」
ティムさんが、サラッと申しました。
その報告に驚いたのはリチャードさんです。
「なっ!?──なぜ、貴方はそこまで調べれたんですか!?毒蜘蛛の情報は普通の人間では到底知ることが出来ぬはずです!!」
リチャードさんは目を丸くして、若干興奮気味でティムさんに詰め寄りました。
「確かに、僕以外の人間には不可能だろうね。まぁ、どうやったかは企業秘密だけど」
「……信じられない……」と、リチャードさんが呟いている傍らで、ティムさんはとても誇らしげです。
「因みに、そいつは変装の能力持ちだよ。声まで変えるから、言われなければ本人だと気づかない。──この間の偽ゴリさんの件だって、マリーが些細な違和感に気づかなければ誰も偽物だと気づかなかったはずだ」
能力持ち……エンバレク国ではあまり聞いた事がありませんが、生まれつき特殊な能力を持った人間がいるということは聞いた事あります。
──まさか、ここで相まみれるとは……
確かに、外見だけでは完璧に騙されました。
ちょっとした癖や仕草が重要になりそうです。
能力者とは、厄介なものですね……
「僕が調べられたのはここまで。これでも十分過ぎると思うけど?」
そうティムさんがゴリさんに伝えると「あぁ、十分だ」と、満足そうです。
「……あの、それはきっとクィーンと言う奴です」
急にリチャードさんが口を開き、偽物の事を話し始めました。
「毒蜘蛛達は、ナンバーに合わせたコードネームを持っているんです。私はNO.3でしたので、コードネームはトレースでした」
私達は、リチャードさんの話に耳を傾けました。
19
あなたにおすすめの小説
【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する
影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。
※残酷な描写は予告なく出てきます。
※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。
※106話完結。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
お言葉ですが今さらです
MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。
次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。
しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。
アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。
失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。
そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。
お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。
内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。
他社サイト様投稿済み。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
特技は有効利用しよう。
庭にハニワ
ファンタジー
血の繋がらない義妹が、ボンクラ息子どもとはしゃいでる。
…………。
どうしてくれよう……。
婚約破棄、になるのかイマイチ自信が無いという事実。
この作者に色恋沙汰の話は、どーにもムリっポい。
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!
山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。
「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」
周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。
アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。
ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。
その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。
そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。
【バフ】しかできない無能ちゃん。クランから追放されたら、全員を【バフ】する苦行から解放される。自分一人だけ【バフ】したら、なんか最強でした
北川ニキタ
ファンタジー
ニーニャは【バフ】と呼ばれる支援スキルしか持ってなかった。
おかげで戦闘には一切参加できない無能。
それがクラン内でのニーニャの評価だった。
最終的にクランはニーニャを使い物にならないと判断し、追放することに決めた。
ニーニャをダンジョン内に放置したまま、クランメンバーたちは去っていく。
戦えないニーニャはダンジョン内で生き残ることは不可能と誰もが思っていた。
そして、ニーニャ自身魔物を前にして、生きるのを諦めたとき――
『スキル【バフ】がレベル99になりました。カンストしましたので、スキルが進化します』
天の声が聞こえたのである。
そして、ニーニャを追放したクランは後に崩壊することとなった。
そう誰も気がついていなかった。
ニーニャがクラン全員を常に【バフ】していたことに。
最初だけ暗いですが、基本ほのぼのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる