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二
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いまだ顔パス入れる王城の書庫で、本を読み漁って見つけた。苦しみをより長く与えながら、死においやる劇薬物の調合の仕方。
その見つけた本を家に持ち帰り、隅まで読み知識を付けた。
「これを、あいつらに飲ませればいい」
劇薬に必要な物をお金で買い集めて、研究して。
とうとう私は劇薬物を作る事に成功した。
後は、どうやって奴らに飲ませるか、あとは計画を立てるのみ。
「そうだわ、もうすぐあの二人の結婚式ね」
自分宛に届いた、招待状を見てほくそ笑んだ。
彼らの結婚式後の舞踏会を狙いましよう。
国中が二人の結婚を祝い歓喜に沸いた、王子とヒロインの結婚式は滞りなく終わった。
夕方から始まる王城の広間での舞踏会。
公爵令嬢カトリーナとして招待状で入り、控え室でメイドに扮した。
カトリーナとバレずに舞踏会の会場にも入れた。
飲み物を持って王子に近付く。
「お飲み物はいかがでしょうか?」
「ありがとう、いただくよ」
目の前でこくこく喉を鳴らして、二人は冷たい飲み物を一口、二口飲んでいく。
(あぁ、飲んだわ)
毒薬を飲ませる事に成功した。
「ふふっ」
さぁ今すぐ、もがき苦しみなさい。
「くっ……」
彼の手から滑り落ちた、グラスの割れる音が会舞踏会の場に響く。王子は首元を掻き毟るように苦しみ始めた。
「ピエトラ様? ぐあっ、あぁ……」
隣のヒロインも同じ様に。二人はダンスを踊る様にお互いを見つめ合い、私の前で苦しむ。
「ぐはっ……なんだこれは⁉︎」
「ゴホゴホッ……ううーっ」
二人の唇は毒に侵され紫色に染まる。口から血を吐き、崩れ落ちるようにその場に倒れ落ちた。
「「きゃぁー」」
主役二人の突然の出来事に会場内はパニックを起こす。
そんなことを気に求めず、倒れた二人を見下ろしながらか、私は高笑いをした。
「あ~っはっは! いい~気味よ。私を捨てるから、こうなるのよ~」
騒ぎのなか、周りは私の存在に気付く。
「なんだぁ、あのメイドは⁉︎」
「あいつは元婚約者のカトリーナだ! あの女が現れた!」
「誰か、奴を捕まえろ!」
騎士達が私を囲む。
「「ぐぁ、カトリーナ、貴様ぁ、なんてことを‼︎」」
その中の一人、涙に濡れ、嗚咽ごと王子の友人。ガレットが剣引き抜き私の胸に剣を突き刺した。
「グフッ……あぁ、痛い、とても痛い。でも、私は今、最高の気分なのよぉぉー‼︎」
口から込み上げる、大量の血液を手で受け止めながら、私は狂ったように笑った。
舞踏会に参加していた国王と王妃は、騎士に守られて下がり。周りで取り乱した、貴族達の悲鳴と絶叫が渦巻く。
我先にと出口へ逃げ出す始末。
「あははっ。あははっ。貴族共、無様に逃げなさい。次に死にたいのはだぁーれ」
怒涛の渦巻く会場、足元にはぴくりとも動かない二人。その二人は、いつの間にか共に手を取り合っていた。
「何よ。死しても尚。二人は離れない、とでも言いたいのかしらねぇー?」
「どけっ、」
私を押し除け、顔を青ざめさせた王子の友人の彼は。回復魔法を二人にかけ始めた。
「あらあら、そんなことをしても手遅れよ。彼らは死んだの、もう助かるわけがないわ」
「うるさい、うるさい! お前は黙っていろ!」
魔力が切れたら、ポーションを飲み回復しながら、彼は何度も、何度も。回復魔法をかけ続けた。
「はぁ……無駄なことを、ほんとつまらないわね」
ゴフッ、あぁー。私もそろそろか……な。
崩れ落ちゆくなか、最後に王子を見つめた。
全てあなたが悪いのよ。あなたが私だけを、愛してくださればよかったの。
私の体はぐしゃりと、その場に落ちた。
その見つけた本を家に持ち帰り、隅まで読み知識を付けた。
「これを、あいつらに飲ませればいい」
劇薬に必要な物をお金で買い集めて、研究して。
とうとう私は劇薬物を作る事に成功した。
後は、どうやって奴らに飲ませるか、あとは計画を立てるのみ。
「そうだわ、もうすぐあの二人の結婚式ね」
自分宛に届いた、招待状を見てほくそ笑んだ。
彼らの結婚式後の舞踏会を狙いましよう。
国中が二人の結婚を祝い歓喜に沸いた、王子とヒロインの結婚式は滞りなく終わった。
夕方から始まる王城の広間での舞踏会。
公爵令嬢カトリーナとして招待状で入り、控え室でメイドに扮した。
カトリーナとバレずに舞踏会の会場にも入れた。
飲み物を持って王子に近付く。
「お飲み物はいかがでしょうか?」
「ありがとう、いただくよ」
目の前でこくこく喉を鳴らして、二人は冷たい飲み物を一口、二口飲んでいく。
(あぁ、飲んだわ)
毒薬を飲ませる事に成功した。
「ふふっ」
さぁ今すぐ、もがき苦しみなさい。
「くっ……」
彼の手から滑り落ちた、グラスの割れる音が会舞踏会の場に響く。王子は首元を掻き毟るように苦しみ始めた。
「ピエトラ様? ぐあっ、あぁ……」
隣のヒロインも同じ様に。二人はダンスを踊る様にお互いを見つめ合い、私の前で苦しむ。
「ぐはっ……なんだこれは⁉︎」
「ゴホゴホッ……ううーっ」
二人の唇は毒に侵され紫色に染まる。口から血を吐き、崩れ落ちるようにその場に倒れ落ちた。
「「きゃぁー」」
主役二人の突然の出来事に会場内はパニックを起こす。
そんなことを気に求めず、倒れた二人を見下ろしながらか、私は高笑いをした。
「あ~っはっは! いい~気味よ。私を捨てるから、こうなるのよ~」
騒ぎのなか、周りは私の存在に気付く。
「なんだぁ、あのメイドは⁉︎」
「あいつは元婚約者のカトリーナだ! あの女が現れた!」
「誰か、奴を捕まえろ!」
騎士達が私を囲む。
「「ぐぁ、カトリーナ、貴様ぁ、なんてことを‼︎」」
その中の一人、涙に濡れ、嗚咽ごと王子の友人。ガレットが剣引き抜き私の胸に剣を突き刺した。
「グフッ……あぁ、痛い、とても痛い。でも、私は今、最高の気分なのよぉぉー‼︎」
口から込み上げる、大量の血液を手で受け止めながら、私は狂ったように笑った。
舞踏会に参加していた国王と王妃は、騎士に守られて下がり。周りで取り乱した、貴族達の悲鳴と絶叫が渦巻く。
我先にと出口へ逃げ出す始末。
「あははっ。あははっ。貴族共、無様に逃げなさい。次に死にたいのはだぁーれ」
怒涛の渦巻く会場、足元にはぴくりとも動かない二人。その二人は、いつの間にか共に手を取り合っていた。
「何よ。死しても尚。二人は離れない、とでも言いたいのかしらねぇー?」
「どけっ、」
私を押し除け、顔を青ざめさせた王子の友人の彼は。回復魔法を二人にかけ始めた。
「あらあら、そんなことをしても手遅れよ。彼らは死んだの、もう助かるわけがないわ」
「うるさい、うるさい! お前は黙っていろ!」
魔力が切れたら、ポーションを飲み回復しながら、彼は何度も、何度も。回復魔法をかけ続けた。
「はぁ……無駄なことを、ほんとつまらないわね」
ゴフッ、あぁー。私もそろそろか……な。
崩れ落ちゆくなか、最後に王子を見つめた。
全てあなたが悪いのよ。あなたが私だけを、愛してくださればよかったの。
私の体はぐしゃりと、その場に落ちた。
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