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第二章
第2話 ハスキーボイスの女の人
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「花が咲いた…これは魔力の花じゃ…」
シズおばあさんはリズ様に支えながら、私の所に来て手を握った。
「あなたならば…シーラン王子と共にこの国を救えるかも知れない」
私にもシーラン様達と共にこの国が救えるの。
「その力が私にもあるのならば、ここの竜人の国で役立つのならば何でもいたします」
頑張るとみんなに微笑みかけたら、モフカさんに肩を強く押された。
「嘘よ!そんなことがあるはずない、こいつにそんな力があるのんて聞いたことがない」
モフカさんは嘘だと騒ぎ、こんなこと聞いたことがないと大声を上げた。
水晶玉を指差しその水晶玉はデタラメだ!
シズおばあさんの部屋でうるさく騒ぎ始めた。
私はシズおばあさんの言う通りなら精一杯頑張るだけだ。
でも、私には1つだけ気になることがある。
それはお父様の畑で聞いたあの声だ。
シーラン様とみんなで力を合わせてこの瘴気を払えたとして、後々また同じ事が起こる気がする。
みんなに聞こえず私にだけしか聞こえていないあの声。
前にお父様の畑でこの声が聞こえたと同時に地鳴りも起きている。
この声が何者かを知らなければ、この問題は解決したと言えないんじゃない。
この声の正体を知らなければ問題が解決しないように感じた。
「おい!」
リズ様が声を出しシズおばあさんの部屋を見渡しまた声を上げた。
「一緒に付いてきたあいつはどこに行った?」
あいつ?
私も部屋を見回しこの部屋に1人いない人物がいた。
「殿下よ、一緒に来たクレア殿下がいないわ!」
「あいつはいきなり付いてきて何をしているんだ!」
☆☆☆
私達がクレア殿下がいないと気づいた時、彼は1枚の絵の前で立ち止まっていた。
「この絵は…昔、城の何処かで見た覚えがある」
廊下に飾られた歴代竜人の王の肖像画の前で足を止めていた。
みんなの後について歩いていた曲がり角でこの肖像画が目に留まり、1人別の廊下に入りこの絵の前で止まった。
「やはり、この絵を城の何処かで見た…どこで見た?」
少し考え思い出した。
子供の頃に城を探検していた時に、いまは誰も使わなくなった部屋を奥で見つけ、秘密基地にしようと開けた。
その部屋の片隅に無造作に投げ込まれていた肖像画だ。
部屋に投げ込まれていた絵はここに飾られた絵とは違い、額縁は壊れ絵は破け描かれていた絵は薄くなっていた。
しかし…絵に描かれている黒髪に赤い目だけはいまも賢明に覚えている。
一瞬目が合い睨まれたように感じ恐怖で俺は大泣きしたんだ。
「何故だ、何故この絵が此処にもあるんだ」
手を伸ばし額縁に触れた途端に、辺りの石壁が崩れ落ち一欠片が頭に当たり気を失った。
次に目を覚ました時に俺は崩れた石壁によって閉じ込められていた。
☆☆☆
シズおばあさんの部屋にいる時にグラっと地鳴りが起きた。
「みんな大丈夫か!!」
いなくなったクレア殿下を探しにみんなで部屋を出ようとした時、ゴゴゴーと音が鳴りまたあの時と同じ地鳴りが起きた。
あまりの揺れに立って入れなて膝をついた、シーラン様が私の側に来て手を貸してくれる。
「シャルロット嬢、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
シズおばあさんはリズ様が支え倒れずに済んだけど、天井の一部が落ち水晶玉が粉々に砕け散っていた。
マリーさんもリオさんが支えていた。
モフカさんはしゃがみ頭を抱えている。
どうやら部屋の中にいたみんなは誰も、怪我をしていないみたいでホッと安心をした束の間。
《グオオオオッ…我の国に憎き者が!!!あいつの血が入った!!!》
また、お父様の畑で聞いた恨みに満ちたあの声が聞こえてきた。
あの声はいま憎きあいつの血が国に入った?と叫んだわ。
誰の事を言っているの?
シズおばあさんの部屋のはめ殺しの窓から見えた、城の外は灰色の空に黒い霧が出て渦巻いていた。
黒い霧と声が同調するかの様に外は暗闇に満ちていた。
《許さん、許さんぞ…我の愛する者を奪ったあいつめ!!!》
リオさんが声を上げる。
「皆さま、早く移動をしましょう!此処に居るのは危険です、障壁が分厚い城の真ん中に行きましょう!」
シズおばあさんはリオさんが背負い、リズ様やシーラン様が私達を先を歩き誘導してくれた。
廊下に出るとシーラン様とリズ様は私達を誘導しながら、いまの地鳴りで石壁が崩れた箇所がないか周りを確認している。
「マリーさんはぐれない様に手を繋ごう、ほら、モフカさんあなたも手を出して!」
マリーさんと手を繋ぎ、次に彼女とも繋ごうと手を出すと、強い力で出した手を叩かれた。
「嫌よ!あんたなんかと手なんか、繋ぎたくないのよ!」
1人でスカートを持ち、先に廊下に出て行ってしまう。
その様子を目で追っていた。
「気にするな、シャルロット嬢。俺と手を繋ごう」
と、周りの確認を終え戻ってきた、シーラン様が私の手を握ってくれた。
誰もこの声について何も言わない。
やっぱりシーラン様にも、あの声は、聞こえていないみたいだ。
ギューッと胸を鷲掴みされる様な、恨み走った声、泣き叫ぶかの様な苦しみの声。
「シーラン、リオ。いまので石壁が崩れた箇所が多いな…」
他の場所を見てきた、リズ様の沈んだ声がした。
《グオオオオッ!!》
叫んだ声と同時に地鳴りが起きた。
「きゃぁぁぁ!」
「シャルロット嬢大丈夫だ!俺の手を離すな、もう直ぐだ、もう直ぐ広間につく」
ああ、胸が痛い…いま鳴き叫んだ声は…それは悲しく、寂しく、苦しむ声に聞こえた。
声の主は私に何か求めているの?
わからない、わからないよ。
でもね、胸が苦しいく…痛いよ。
「ごめん、怖いよな…シャルロット嬢」
シーラン様の手が伸び、私の涙を拭いてくれた。
怖いのもあるけど、違うの…誰かの悲しみが私の中に入ってきたの。
シーラン様に伝えればいい?声がすると…でも、みんなが慌て混乱しているこんな時に言い出せない。
《あああ……っ、俺の愛した花よ、何処に行った…何故、俺の側にいてはくれぬ》
誰なのかわからない、悲しき声が聞こえた。
「ここなら、まだ安心だ」
リズ様が広間の扉を開けた…ざわつく広間の人、中には何十人もの竜人の人、騎士達がいた。
広間の中にはこの前の地鳴りで、怪我をした人もいるみたいだった。
みんな暗く俯いていて、疲れ切っているようだ。
リオさんは広間に入ってすぐ、シズおばあさんを椅子に座らせていた、リズ様は広間の中のみんなを元気づけようと、声をかけに行った。
その中で一際大きな体、鎧を身に付けた竜人の騎士が、私達に近づく。
「シーラン王子!」
「コッホ騎士団長!皆は大丈夫か?父上や母上は?」
「揺れはしましたが皆は無事ですので、安心してください、国王や王妃はいま私の部下が付いております」
コッホ騎士団長…ええっ、嘘。
「コッホ料理長さん!?」
「おお、これは。シャルロット様もいらしていたのですね」
調理場でいつも優しくしてくれた、コッホ料理長はいま、勇ましく鎧を身につけ、竜人の姿で私に騎士の挨拶をした。
「シーラン王子が連れてきたのは、あちらの方とシャルロット様、マリーさんだけですか?」
シーラン様は首を振る。
「いいや、クレア殿下がいつの間にか、どこかに行ってしまって居ないんだ」
「クレア殿下がですか……わかりました、私の部下で探しましょう、3番隊ここに集まれ!」
コッホ騎士団長の声で、3番隊と呼ばれた竜人の騎士数名が集り話を聞くと、クレア殿下を探しに広場を後にした。
「シャルロット嬢、安心したか?ここならば余り揺れを感じないだろう?」
シーラン様のいう通り、揺れが余りなく、声が小さく感じた。
「本当だ、揺れが小さいわ」
「シーラン様の張った障壁の中に、我々も小さな障壁を張らせて、いただいております」
「そうか、ありがとうコッホ騎士団長」
ホッとしたのもつかの間、モフカさんがみんなの前で声を上げた。
「ねえ、聞いて!私…聖女なの。みんなを助けにきたの、シーランと一緒にあなた達を助けるわ!」
聖女と聞いた竜人の人々は歓喜に沸いた。
聖女様、聖女様と呼ばれ、彼女は声高らかに笑う。
「あのバカ女。なんでみんながいる広間で期待をさせる様な事を言うんだ…あの女が聖女かも知れないが、全く力が開花していないくせに、あれだけの自信はどこから来るんだ?」
みんなに声かけを終えた、リズ様が私たちの所に来て、モフカさんのいきなりの行動に、困った表情を見せていた。
《花よ…我の真白き花よ、何処だ、何処にいる》
広間に入ってからは小さく聞こえる声。
それは誰がを探しているかのような、悲しみに満ちた声に思えた。
(誰?)
ふっと、広間の真ん中で視線を感じた。
目を向けると…白銀の髪にサファイアの瞳、色白の綺麗な女性が白のワンピースを着て、モフカさんを見ていた。
竜人の人々はほとんどの人が、黒髪ばかりなのに、その女性の髪は綺麗な白銀の長い髪だった。
その女性が周りを歩いても誰も見ていない。
まるでそこには誰も居ないかのよう。
その女性も気にしていないのか、普通に人々の間を歩く。
私はその女性が気になり目で追った。
女性は壁まで歩くと、すーっと壁の中へと、消えていった。
「ええ!」
幽霊!?
「どうしての?シャルロットちゃん?」
「えっと、お腹が空いたかな?」
「はははっ、シャルロットちゃんらしいな」
そうかなと言いながら、心の中はいま見たら幽霊に驚きの声を上げていた。
あっ、あの人、壁から戻ってきた?
今度はモフカさんの前で踊り始めた。
モフカさんの前で、ぐるぐる回っても、気付かれないことに、肩を落として踊りを辞めたわ。
違う、今度はモフカさんの前で、歌い出した…
[ねえ、私を見て!]
[ねえ、見えないの~?]
[私が見えないの~!]
[あなた聖女なんでしょ?]
[聖女の癖に、私が見えていないの~!]
うわぁ、あんなに綺麗な容姿なのに…
「ぷっ、ぷぷ、ハスキーボイスに、音痴だ……あっ!」
やばっ、声に出しちゃった。
モフカさんさんの前でピタッと、歌うことを辞めた彼女と目が合った、私をじーーーっと見て目を大きくさせた。
あーーっと叫び、指をさして近づいてくる。
近くで見ると本当に色白で、白銀の髪にサファイアの目の綺麗な女の人だった。
私の前で確認するかの様に、またくるくると回った。
次にあの下手な歌を、歌いだされたら困る!
「あなたは誰?」
隣のシーラン様に変に見られるけど、私は彼女に話しかけた。
彼女の顔がパァーッと明るくなる。
[やっぱり私が見えているのね。いた、やっと見つけた。?本当に、本当?ねえ、本当よね!!私ね、何百年もあなたの様な人が現れるのを待っていたの、お願い聞いて!!私のお願いを聞いて!お願い!!]
彼女の見た目とは違う、ハスキーボイスな、マシンガントークが炸裂した。
シズおばあさんはリズ様に支えながら、私の所に来て手を握った。
「あなたならば…シーラン王子と共にこの国を救えるかも知れない」
私にもシーラン様達と共にこの国が救えるの。
「その力が私にもあるのならば、ここの竜人の国で役立つのならば何でもいたします」
頑張るとみんなに微笑みかけたら、モフカさんに肩を強く押された。
「嘘よ!そんなことがあるはずない、こいつにそんな力があるのんて聞いたことがない」
モフカさんは嘘だと騒ぎ、こんなこと聞いたことがないと大声を上げた。
水晶玉を指差しその水晶玉はデタラメだ!
シズおばあさんの部屋でうるさく騒ぎ始めた。
私はシズおばあさんの言う通りなら精一杯頑張るだけだ。
でも、私には1つだけ気になることがある。
それはお父様の畑で聞いたあの声だ。
シーラン様とみんなで力を合わせてこの瘴気を払えたとして、後々また同じ事が起こる気がする。
みんなに聞こえず私にだけしか聞こえていないあの声。
前にお父様の畑でこの声が聞こえたと同時に地鳴りも起きている。
この声が何者かを知らなければ、この問題は解決したと言えないんじゃない。
この声の正体を知らなければ問題が解決しないように感じた。
「おい!」
リズ様が声を出しシズおばあさんの部屋を見渡しまた声を上げた。
「一緒に付いてきたあいつはどこに行った?」
あいつ?
私も部屋を見回しこの部屋に1人いない人物がいた。
「殿下よ、一緒に来たクレア殿下がいないわ!」
「あいつはいきなり付いてきて何をしているんだ!」
☆☆☆
私達がクレア殿下がいないと気づいた時、彼は1枚の絵の前で立ち止まっていた。
「この絵は…昔、城の何処かで見た覚えがある」
廊下に飾られた歴代竜人の王の肖像画の前で足を止めていた。
みんなの後について歩いていた曲がり角でこの肖像画が目に留まり、1人別の廊下に入りこの絵の前で止まった。
「やはり、この絵を城の何処かで見た…どこで見た?」
少し考え思い出した。
子供の頃に城を探検していた時に、いまは誰も使わなくなった部屋を奥で見つけ、秘密基地にしようと開けた。
その部屋の片隅に無造作に投げ込まれていた肖像画だ。
部屋に投げ込まれていた絵はここに飾られた絵とは違い、額縁は壊れ絵は破け描かれていた絵は薄くなっていた。
しかし…絵に描かれている黒髪に赤い目だけはいまも賢明に覚えている。
一瞬目が合い睨まれたように感じ恐怖で俺は大泣きしたんだ。
「何故だ、何故この絵が此処にもあるんだ」
手を伸ばし額縁に触れた途端に、辺りの石壁が崩れ落ち一欠片が頭に当たり気を失った。
次に目を覚ました時に俺は崩れた石壁によって閉じ込められていた。
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シズおばあさんの部屋にいる時にグラっと地鳴りが起きた。
「みんな大丈夫か!!」
いなくなったクレア殿下を探しにみんなで部屋を出ようとした時、ゴゴゴーと音が鳴りまたあの時と同じ地鳴りが起きた。
あまりの揺れに立って入れなて膝をついた、シーラン様が私の側に来て手を貸してくれる。
「シャルロット嬢、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
シズおばあさんはリズ様が支え倒れずに済んだけど、天井の一部が落ち水晶玉が粉々に砕け散っていた。
マリーさんもリオさんが支えていた。
モフカさんはしゃがみ頭を抱えている。
どうやら部屋の中にいたみんなは誰も、怪我をしていないみたいでホッと安心をした束の間。
《グオオオオッ…我の国に憎き者が!!!あいつの血が入った!!!》
また、お父様の畑で聞いた恨みに満ちたあの声が聞こえてきた。
あの声はいま憎きあいつの血が国に入った?と叫んだわ。
誰の事を言っているの?
シズおばあさんの部屋のはめ殺しの窓から見えた、城の外は灰色の空に黒い霧が出て渦巻いていた。
黒い霧と声が同調するかの様に外は暗闇に満ちていた。
《許さん、許さんぞ…我の愛する者を奪ったあいつめ!!!》
リオさんが声を上げる。
「皆さま、早く移動をしましょう!此処に居るのは危険です、障壁が分厚い城の真ん中に行きましょう!」
シズおばあさんはリオさんが背負い、リズ様やシーラン様が私達を先を歩き誘導してくれた。
廊下に出るとシーラン様とリズ様は私達を誘導しながら、いまの地鳴りで石壁が崩れた箇所がないか周りを確認している。
「マリーさんはぐれない様に手を繋ごう、ほら、モフカさんあなたも手を出して!」
マリーさんと手を繋ぎ、次に彼女とも繋ごうと手を出すと、強い力で出した手を叩かれた。
「嫌よ!あんたなんかと手なんか、繋ぎたくないのよ!」
1人でスカートを持ち、先に廊下に出て行ってしまう。
その様子を目で追っていた。
「気にするな、シャルロット嬢。俺と手を繋ごう」
と、周りの確認を終え戻ってきた、シーラン様が私の手を握ってくれた。
誰もこの声について何も言わない。
やっぱりシーラン様にも、あの声は、聞こえていないみたいだ。
ギューッと胸を鷲掴みされる様な、恨み走った声、泣き叫ぶかの様な苦しみの声。
「シーラン、リオ。いまので石壁が崩れた箇所が多いな…」
他の場所を見てきた、リズ様の沈んだ声がした。
《グオオオオッ!!》
叫んだ声と同時に地鳴りが起きた。
「きゃぁぁぁ!」
「シャルロット嬢大丈夫だ!俺の手を離すな、もう直ぐだ、もう直ぐ広間につく」
ああ、胸が痛い…いま鳴き叫んだ声は…それは悲しく、寂しく、苦しむ声に聞こえた。
声の主は私に何か求めているの?
わからない、わからないよ。
でもね、胸が苦しいく…痛いよ。
「ごめん、怖いよな…シャルロット嬢」
シーラン様の手が伸び、私の涙を拭いてくれた。
怖いのもあるけど、違うの…誰かの悲しみが私の中に入ってきたの。
シーラン様に伝えればいい?声がすると…でも、みんなが慌て混乱しているこんな時に言い出せない。
《あああ……っ、俺の愛した花よ、何処に行った…何故、俺の側にいてはくれぬ》
誰なのかわからない、悲しき声が聞こえた。
「ここなら、まだ安心だ」
リズ様が広間の扉を開けた…ざわつく広間の人、中には何十人もの竜人の人、騎士達がいた。
広間の中にはこの前の地鳴りで、怪我をした人もいるみたいだった。
みんな暗く俯いていて、疲れ切っているようだ。
リオさんは広間に入ってすぐ、シズおばあさんを椅子に座らせていた、リズ様は広間の中のみんなを元気づけようと、声をかけに行った。
その中で一際大きな体、鎧を身に付けた竜人の騎士が、私達に近づく。
「シーラン王子!」
「コッホ騎士団長!皆は大丈夫か?父上や母上は?」
「揺れはしましたが皆は無事ですので、安心してください、国王や王妃はいま私の部下が付いております」
コッホ騎士団長…ええっ、嘘。
「コッホ料理長さん!?」
「おお、これは。シャルロット様もいらしていたのですね」
調理場でいつも優しくしてくれた、コッホ料理長はいま、勇ましく鎧を身につけ、竜人の姿で私に騎士の挨拶をした。
「シーラン王子が連れてきたのは、あちらの方とシャルロット様、マリーさんだけですか?」
シーラン様は首を振る。
「いいや、クレア殿下がいつの間にか、どこかに行ってしまって居ないんだ」
「クレア殿下がですか……わかりました、私の部下で探しましょう、3番隊ここに集まれ!」
コッホ騎士団長の声で、3番隊と呼ばれた竜人の騎士数名が集り話を聞くと、クレア殿下を探しに広場を後にした。
「シャルロット嬢、安心したか?ここならば余り揺れを感じないだろう?」
シーラン様のいう通り、揺れが余りなく、声が小さく感じた。
「本当だ、揺れが小さいわ」
「シーラン様の張った障壁の中に、我々も小さな障壁を張らせて、いただいております」
「そうか、ありがとうコッホ騎士団長」
ホッとしたのもつかの間、モフカさんがみんなの前で声を上げた。
「ねえ、聞いて!私…聖女なの。みんなを助けにきたの、シーランと一緒にあなた達を助けるわ!」
聖女と聞いた竜人の人々は歓喜に沸いた。
聖女様、聖女様と呼ばれ、彼女は声高らかに笑う。
「あのバカ女。なんでみんながいる広間で期待をさせる様な事を言うんだ…あの女が聖女かも知れないが、全く力が開花していないくせに、あれだけの自信はどこから来るんだ?」
みんなに声かけを終えた、リズ様が私たちの所に来て、モフカさんのいきなりの行動に、困った表情を見せていた。
《花よ…我の真白き花よ、何処だ、何処にいる》
広間に入ってからは小さく聞こえる声。
それは誰がを探しているかのような、悲しみに満ちた声に思えた。
(誰?)
ふっと、広間の真ん中で視線を感じた。
目を向けると…白銀の髪にサファイアの瞳、色白の綺麗な女性が白のワンピースを着て、モフカさんを見ていた。
竜人の人々はほとんどの人が、黒髪ばかりなのに、その女性の髪は綺麗な白銀の長い髪だった。
その女性が周りを歩いても誰も見ていない。
まるでそこには誰も居ないかのよう。
その女性も気にしていないのか、普通に人々の間を歩く。
私はその女性が気になり目で追った。
女性は壁まで歩くと、すーっと壁の中へと、消えていった。
「ええ!」
幽霊!?
「どうしての?シャルロットちゃん?」
「えっと、お腹が空いたかな?」
「はははっ、シャルロットちゃんらしいな」
そうかなと言いながら、心の中はいま見たら幽霊に驚きの声を上げていた。
あっ、あの人、壁から戻ってきた?
今度はモフカさんの前で踊り始めた。
モフカさんの前で、ぐるぐる回っても、気付かれないことに、肩を落として踊りを辞めたわ。
違う、今度はモフカさんの前で、歌い出した…
[ねえ、私を見て!]
[ねえ、見えないの~?]
[私が見えないの~!]
[あなた聖女なんでしょ?]
[聖女の癖に、私が見えていないの~!]
うわぁ、あんなに綺麗な容姿なのに…
「ぷっ、ぷぷ、ハスキーボイスに、音痴だ……あっ!」
やばっ、声に出しちゃった。
モフカさんさんの前でピタッと、歌うことを辞めた彼女と目が合った、私をじーーーっと見て目を大きくさせた。
あーーっと叫び、指をさして近づいてくる。
近くで見ると本当に色白で、白銀の髪にサファイアの目の綺麗な女の人だった。
私の前で確認するかの様に、またくるくると回った。
次にあの下手な歌を、歌いだされたら困る!
「あなたは誰?」
隣のシーラン様に変に見られるけど、私は彼女に話しかけた。
彼女の顔がパァーッと明るくなる。
[やっぱり私が見えているのね。いた、やっと見つけた。?本当に、本当?ねえ、本当よね!!私ね、何百年もあなたの様な人が現れるのを待っていたの、お願い聞いて!!私のお願いを聞いて!お願い!!]
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