竜人さまに狂愛される悪役令嬢には王子なんか必要ありません!

深月カナメ

文字の大きさ
64 / 169
第二章

第26話 竜人王とスノーの披露宴

しおりを挟む
「みなさんシャルロット様とマリーさんをお連れいたしました」

リオさんの一言で部屋の中から声が聞こえた。

「シャルロット様!」

「うわぁーん、シャルロット様会いたかったよ」

チャコは泣きながら思いっきり飛び付き来た、その横でユズちゃんやみんなは微笑んでみている。

「お久しぶりです、シャルロット様マリーさん」

リオさんに連れられて来たのは、王城の私の部屋のくつろぎスペースだった。そこには私たちを待つチャコやユズちゃんなど洗濯場のお友達がいた。

「話はリオさんに全部聞きました、お疲れ様シャルロット様」

「大変だったね、でも昨日で竜人祭終わっちゃったの」

竜人祭が終わった!

「ええ、うそ楽しみにしていたのに、みんなも参加できなくてごめんね」

チャコは、ううんと首を振る、

「今朝ね仕事に来たら竜人王様がスノーさんと結婚の披露宴をすると、お城で働くみんなに今日の仕事は休みだ披露宴に参加しろって、言って歩いてたの」

ロワ様とスノーさんが結婚!

「なんて、おめでたいの」

「でしょう、それで庭園でみんなで盛大なお食事会をすることになったんだよ」

チャコ達はそう言いながら、持ってきた大きな鞄を開けた。

「シャルロット様もマリーさんも呼ぶと言っていたから、みんなで竜人様の格好をしてお2人の結婚をお祝いしたいねって、話しをして取りに行ってきたの」

なりたかった竜人様のコスプレ!

「ありがとうチャコ。嬉しいみんなで竜人様の格好ができるのね!」

「よかったですね、シャルロットお嬢様」

「ふふふ、マリーさんの分もあるからね」

「まあ、本当ですか」

チャコが持って来た鞄からは、薄いピンクのワンピースとコスプレに使う道具がたくさん出した。

「だから、いまから着替えるから男の人は出て行ってね。できるまではこの部屋を覗いたり入って来てはダメだと伝えてくださいね」

「はい、そうお伝えしてきます」

リオさんは礼をすると、くつろぎスペースの扉を開けて、シーラン様の部屋へと消えて行った。

「さあ、みんなで着替えよう!」

「シャルロット様、そのシャツとズボン脱いじゃって!」

「はーい」

手伝ってもらい薄いピンクのワンピースに着替えて頭にはカチューシャに付いた角、リュックの様に背中に背負う羽に、紐で編み込まれたベルトに着いた長い尻尾を付けた。

「うわぁ、シャルロット様。可愛い竜人様になった!」

「ほんと可愛い」

「もうみんなもだよ、マリーさんも素敵」

その声がお隣の部屋にも聞こえたのかカチャッと扉が開くと、そーっとシーラン様とリズ様が部屋の中を覗いた。

それに気が付いたチャコが扉に近付く。

「あーっ、竜人のお2人様ったら我慢できずに覗いてる。シャルロット様が可愛いからって、ダメよまだ着替え中なの」

「う、すまない」

「ゴメンね」

「早く見たい気持ちはわかるけど、後は髪型だけだから、終わるまでお部屋で待ってください」

と、言って扉をチャコが閉めた。

「全く、お2人様ったらシャルロット様の可愛い竜人様のお姿が早く見たかったのね」

「きっとそうよ、シャルロット様ここに座ってください髪を結っちゃいましょう」

ユズちゃんが櫛を持ち両端を編み込みにして、お団子ヘアーにしてくれた。

「うわぁ、みんなとお揃いで可愛い、ユズちゃんありがとう」

「うん、可愛い」

「じゃぁ、シャルロット様立って」

支度が出来上がると、チャコは私を立たせ背中を押して、隣の部屋に見せに行っておいでと言う。

「じゃ、シーラン様たちにも見せてくるね」

「いってらっしゃい、シャルロット様」

くつろぎスペースの扉を開けて中に入る。

「シーラン様、リズ様、リオさんお久しぶりです」

扉の前で待っていたみんなに会釈をする。

シーラン様が近くに来て私をじっとしばらく眺めた。

「シャルロット嬢…可愛い、とても可愛い」

次にリズ様も近づき

「うん、可愛いなシャルロットちゃん、俺たちとお揃いだ」

「うん、みんなとお揃いで可愛いの」

「お似合いですシャルロット様、庭園に出る前に王座の間にて竜人王ロワ様がお会いしたいと、お待ちになっております」

「竜人王ロワ様がですか?はい、わかりました」

シーラン様とリズ様は今日の格好は黒の軍服を着ていて、リオさんは燕尾服を着ている。

コンコンと扉が鳴り、カチャッと扉が開くとチャコが顔を出した。

「失礼します。シャルロット様私たちは先にお手伝いをするために、庭園に行っていますね」

「はーい、みんなまた後でね」

私とシーラン様、リズ様にリオさんと竜人王ロワ様が待つ王座の間に向かう。

「会えて嬉しいよ、シャルロット嬢」

「私もですシーラン様」

リズ様とリオさんの後ろを並んで歩いていた、前を歩くリズ様がくるっとこっちを向き近寄ってくる。

「もうね聞いてよ、シャルロットちゃんに会いたい、会いたいってシーランは毎日言っていたんだよ」

「言いましたね兄上、それはあなたもじゃないですか!」

「……うっ」

シーラン様に言い返されて口ごもる、シーラン様いまリズ様を珍しく兄上と呼んだわ。

「みんなシャルロット様に会いたかったのです」

「私もみんなに会いたかった」

王座の間に着きリオさんか扉を開けようとした時に、誰かがちょうど王座の間から出てきて私にぶつかった。

「きゃっ、ごめんなさい」

「わっ、すみません!」

お互いに謝り目を開けると、大きな胸板が見えた、この人はシーラン様と同じ黒い軍服を着ていた。


「竜人のお嬢さん大丈夫ですか」


初めて聞く声に上を見上げると、そこには百獣の王ライオンさんがいた、金色に輝くたてがみに琥珀色の目に耳、大きな口に尻尾。

「はい、大丈夫です。あなたは大丈夫でしたか?」

「ええ、大丈夫ですよ」

琥珀色の目が細められた、ライオンさんの後ろに誰かいたらしく、ぴこぴこと飛び跳ねている。

「フォルテ様、どうかなされましたか?」

「ああヘル、私の不注意で竜人のお嬢さんにぶつかってしまったんだ」

リオさんと同じ燕尾服を着た白猫さんがライオンさんの後ろから出て来て、私たちに深々と頭を下げた来た。

「そうですか、フォルテ様が勝手に先に行くからですよ…お嬢さんおケガはありませんか?」

「大丈夫です、もふっとしただけです」

「もふっと、ですか」

「はい、もふもふな胸板でした」

「そうか私の胸板はもふもふでしたか、ふふっ、あ、失礼、私を見ても驚かない竜人のお嬢さんではまた」

フォルテ様と呼ばれたライオンさんは頭を下げて白猫さんを連れて去って行く背中に、私もスカートを持って会釈をした。

「大丈夫か、シャルロット嬢」

「はい」

「獣人か…俺達よりも体も身長も大きく強そうだな」

シーラン様とリズ様は去っていく、ライオンさんの背中を見ていた。

「さあ、シーラン様リズ様シャルロット様、竜人王ロワ様が中でお待ちですまえりましょう」

私たちはリオさんに扉を開けてもらい中に入る。

「待っていたぞ、小娘、チビ竜たちよ」

奥の王座には炎を形取った椅子に座り、黒に金の刺繍入りの軍服を着込み、ウェディングドレス姿のスノーさんを膝に乗せてた竜人王ロワ様がいた。

「お久しぶりです竜人王ロワ様」

「うむ、堅苦しい挨拶はよい。我の恩人たちよ」

[シャルロットちゃん!]

スノーさんがふわふわと私の所に飛んでやって来た。

「スノーさんのウェディングドレス姿可愛い!」

[ありがとう、ロワの側にずっといれるのもシャルロットちゃんのおかげだわ]

幸せそうに笑うスノーさんが見られて幸せだ、その姿を竜人王様も笑って見ていた。

「竜人王様、俺たちを呼んだ理由はなんでしょうか」

「そうだな、いまから1週間後に小娘とチビ竜一号には獣人の国に魔女の毒花を取りに行ってもらう、残りの2人は我とこの国に出てしまった瘴気を払う手伝いだなよろしく」

よろしく?

「チビ竜一号!?シーランとお呼びください竜人王様」

「シーラン様と獣人の国?」

「俺とリオは瘴気を払いに竜人王と行くのですか?」

「そうだどっちも1週間後に出発だ、さあスノー我たちの結婚披露宴だ庭園に行こう」

[はい、ロワ]

竜人王様はスノーさんを抱っこすると、王の間を出て行ってしまう。

「もっと詳しく教えてもらわないといけませんね…明日にもう一度竜人王に聞きましょう」

「そうだな、俺たちも庭園に行こうか」

「はい、シーラン様」

みんなで庭園に出ると、竜人王様とスノーさんを祝うためにお城で働くみんながいた。コッホ騎士団長は今日はコック姿で他の騎士の人と料理を運んでいる。

肩らにはマリーさんも一緒にいて、お手伝いをしていた。

「コッホ様、私も何かお手伝いをすることはありませんか?」

「無い。マリー…その格好が似合っていて可愛いな」

「洗濯場の子達がね、私にもって作ってくれたの嬉しいわ」

そうかとぽーっとマリーさんを見出しちゃった、見られてるマリーさんも真っ赤だ。

癒やしの木の下で抱っこをしていたチビドラちゃんが実は、コッホ騎士団長だと、気がついた時のマリーさんの慌てぶりは可愛かったな。

「シャルロット嬢俺たちも何か食べよう」

「ええ食べましょう、シーラン様」

竜人王ロワ様とスノーさんの披露宴は夜になっても終わらなかった、竜人王様とスノーは楽しむみんなを見て、寄り添い嬉しそうに笑っていた。

幸せそうでよかった。

「シャルロット様、ご飯美味しかったね」

「うん、美味しかった」

「もう、2人とも食べ過ぎたよ」

チャコたちとシーラン様たちと並んで座り、たくさん久しぶりにおしゃべりをして、たくさん美味しいものを食べた。

暗くなり庭園には、竜人王の出した光の丸い玉が飛び私達を照らして明るくなっている。

「ここから先は大人の時間だ、子供たちはそろそろ好きな客間で寝なさい」

「はーい!」

ふわふわと光る玉が、1人1人に付き部屋まで案内をしてくれる。

「では、部屋に戻ろうかシャルロット嬢」

「そうですねシーラン様」

暗くなりいつもの部屋に帰ろうと、シーラン様が出した手を取った。

「シャルロット様おやすみ」

「おやすみなさい」

「みんな、また明日ね」

チャコたちと手を振り別れて、いつもの部屋へと帰ろうとしたときに視線を感じて、振り向くとさっき王の間の入り口でぶつかったライオンさんが私達を見ていた。

頭を下げると

「おやすみなさい、竜人のお嬢さん」

「…フォルテ様、おやすみなさい」

一言、言って歩いて行くライオンさんの後を、私たちに頭を下げて白猫さんが付いて行った。
 
「あの2人も寝るということは、俺たちと同じ年ぐらいなのか?」

「そうみたいだな」

「シーラン様、リズ様、シャルロット様、私たちもお部屋に戻りましょう」

その後はシーラン様の部屋でマリーさんが戻ってくるまで、みんなと久しぶりに話をした。

しおりを挟む
感想 315

あなたにおすすめの小説

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。