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第二章

閑話 牢屋に入れられた親子

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「竜人の国の再建は昨日終わった」

今日国に出向いて建物を元どおりにした、この国ではなく、そこに住む者たちの家や生活基盤を整えた。

「次のこの書類は…アルボルの診断書!?」

背中の激痛、足腰の痛みだと…この前のことを言っているのか!

慰謝料にチシャの葉にひよこ豆だと…

「他はなんだ!」

錬金術師の国からもひよこ豆の要求、エルフの国からはチシャの葉…なんだなんだ王が変わったらあいつらは言いたい放題か!

午後、我の膝の上で眠るスノーを撫でながら、執務室で多くの書類を見ていた。 

「また、アルボルか!」

「おい、おい竜人王!」

机の上に置いた鏡が喋り出す。

「待て、いま大事な書類を見ておるし、スノーを起こすな」

と言っても聞かぬ鏡。

仕方がないと、眠るスノーを抱え近くのソファーに寝かせて、話を聞くことにした。

「おい、早くしろ」

「はぁ…なんと、うるさい奴らだ要件はなんだ」

「良いお茶が飲みたい、いますぐに用意をしてくれ」

それだけか!
おっと、大声を出すとスノーが起きてしまう。

「…わかった、いまそこに、ほれテーブルに現れたであろう?」

奴らの部屋に私と話ができる鏡を置いた。

国王が急に変わり周りの貴族が話をさせろとうるさくなったからだ、なかには知っておるものもおったが、知らぬ者ばかりだ元国王にあれは誰だと聞くために置いた。

最初は渋っていた奴も

「わかった、教える代わりにわたしの願いも聞いてもらおうか」

と、ここから出せと言うのかと思いきや、やれ背中が痛い、ベッドをよくしろ、暇だ本が読みたいなどの注文を言ってくるようになった。

仕方がなく聞くとその後からは。

「良い酒が飲みたい」

「着ている服が汚くなった」

「温かい風呂に入りたい」

「何でも良いからよこせ」

「部屋を…」

と言い出した方にの後についイラっとして、牢屋にあいつらの元の部屋を移動してやった…ついでに洗濯もしてやったら、どうやら快適になったみたいで黙った…これでいいのか?

もっと、外に出せとか俺様に何をするとか無いのか?三食昼寝付きで満足なのか?

国外追放といってもこの国の周りは西は獣人たちの国、東は魔法協会、アルボルが納める魔法使いや魔女の国と冒険者たちが集まる国、南はエルフや妖精、リザードマンのたちの国。

北はオークの国や錬金術師の国

俺の父は人間が好きで違う土地から戦争に敗れた人間が住む場所を求めて、やって来た人間たちを受け入れていた。

それが当たり前だと思い俺も他の国は人間だからと断ったが、俺は誰でも良い来いと国に人間を入れたのがそもそもの間違いであったな。

この我の国はハーフが多い。
なんらか混じっている。

国潰しは自分の血に亜人の血が混ざることが嫌だったのか、人間と亜人を見分ける水晶玉を作り、人間しか自分の側に置かなかった。

そのためにそれは掟となり、何百年と経った今でも国王とその息子はこの国唯一の混じりっけのない人間だ。

最近は俺に王が変わり友の亜人たちが会いに来るようになった、奴らは我よりもこぞって人間嫌いだ、おいおい合わせるわけにはいかぬ。

また、他の国には人間を見つけると襲う奴らもおる、だからあいつらをぽいっと簡単に野放しにはできない。
この国にいるのならば牢屋からは出さないが、最後まで全て俺が責任を持って面倒を見るが、奴の血は残さぬ。

国が落ち着きを取り戻した後に、国を出たいと言えば記憶を操らせてもらうが、この国よりも遠くの人間だけの国に連れて行く。

住む場所など色々と用意はするが、2度とこの国に入れることはしない。

しかし、いまの奴らはそんなことを考えてはいないみたいだ。

この前は、ふかふかな革の椅子にどかっと座り

「何もせずに、ここで贅沢にいられるのは最高だ」

「はい、父上」

そう2人で叫んでおった…奴らの元の王妃は色々な宝石品や金目の物を持ち執事を連れて、すでに自分の国へと帰って行ったのに、奴らはそれをなんとも思わないみたいだ。

いまも奴ら親子は同じ格好で椅子に座り、紅茶を飲んでいる。

「ここの食事はうまい」

「うるさい貴族の連中らに合わなくてすむ」

「晩餐会や舞踏会を開かなくてもいいし、出なくでもいい」

「毎日机に座り書類なんてものを見なくて済む」

「王妃の愚痴を聞かなくてもいい」

「今更外の暮らしなどできぬ」

「何もしなくていいのが良い!」

と、声高らかに笑っておるわ。


******

閑話をもう1話入れてしまいました。
お読みくださりありがとうございます。
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