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第二章
閑話 国王が変わった日
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「いまから我の国を取り返すことにしよう」
とりあえずスノーには竜人の国にいてもらい、我は自分の国へと帰ってきた。
忘れることもない、あの憎き男の血をここで終わらせ、この国を…我の国を取り戻すのだ。
我は城に降り立ち、まずは王の間に行き王座を破壊した、次に用意した自分とスノーの肖像画を後ろに自分で飾る。
我とスノー、なんと良き絵だな。
「ん、王座は後で良いか」
椅子は1つにしてスノーはずーっと、我の膝の上に座らせよう。
「来たか」
ガシャガシャと鎧が擦れ走る音が聞こえてきた、我のいる王の間の外がうるさくなる。
まあ、王座を破壊したときの破壊音で騎士たちがやって来たのだろう。
乱暴に王の間の扉が開き、壊され何もなくなった王座に立つ我を見る。
「貴様は誰だ!」
「敵だ、やつを捕らえよ」
人間どもが集団で我を捕まえようとやって来る。
「人間ごときの騎士たちに我を倒せるか」
とすこしだけ魔力を出して赤い炎をまとい脅した、すぐに怯んだ騎士たちはみな腰を抜かす。
弱いな、なんともたやすい。
「お前たちに命令をする。死にたくなければここの国王とその息子を連れてこい、元の主人竜人王ロワが呼んでいると伝えよ!」
「はい、畏まりました!」
すぐさま王の間に、死にたくない騎士たちにとられられた国王と王子と…誰だ?
「誰だ、国王のわしを呼ぶのは!」
「離せ!俺を誰だと思っている」
「きゃー、竜人王様ってカッコいい、ステキ!」
何やら呼んでいない、変な者まで付いてきたな。
「我の城を返してもらう!」
「何をいっておるんだ、ここはわしの国じゃ!」
「うるさい黙れ」
手をかざし衝撃波を飛ばし壁を破壊すると男は口をつぐむ。
あの男が我に毒を浴びせて死に、我の知らぬ間に残した子孫か、こうも何百年もたってもやつに似た顔が生まれるものなのだな。
「憎きその血を我がここで終わらす」
しかし、第一王子は瘴気にさらされてからは、部屋にこもりがちと聞いていた。
竜人の国で我の怒りの瘴気にあたり黒く焼けて変色した肌はもう戻らんな、かといって奴の血を持つ子孫はもう誰一人として残さぬ。
「おまえは俺たちをどうするつもりか!殺すのか!」
「はっ、殺しはせぬし、ここらかも追い出さぬよ、だが今日からお前たちが住むところは死ぬまで牢屋だ…その憎き血が終わるまでわたしがこの目で見届けてやる」
「きゃー、竜人王様素敵」
くねくね踊りだしたぞ変な踊りだな…一緒についてきたこの女…ん、何か持っておるな…これは稀に見る聖女の力か?
なんと小さき聖女の力だな。
選ばれし者しか持てぬ、希な力を育てることもしなかったのか…もったいない。
そうだ、その力を我がもらおうか。
我は王座を離れまだ踊る女の元に行く、自分のところに来てくれたと喜ぶ女の額を触った。
「いたっ!なに?」
チクっとしたかな、我の触った額から小さな白く輝く、光の玉がふよふよと外れて出てきた。
「なんと小さい聖女の力だな、お前が何もしていない証拠だ、簡単におまえの体から外せたぞ」
聖女の力と聞き、女はギョッとした顔つきになると慌てて大声を上げた。
「返してそれは私のよ、わたしは選ばれた聖女の力なの返して!」
1センチくらいの光る玉が、これがか?
「お前が持っていてもしかたがない、使える者に渡した方が良いお前では宝の持ち腐れだ、こやつに用はないここからつまみ出せ」
「はっ!」
騎士たちにつかまれ女は嘆く
「待ってよ、その力がないとわたしはいまから始まる学園にも通えない、誰にでも愛される幸せなヒロインになれないじゃない!」
「モフカ嬢!」
第1王子はこやつが好きなのか?なにが良いかわからぬ、まあ、我には関係のないことだ。
しかし、いま手に入れたこの聖女の力を育てさえすれば結構な力になったのにな、持つ者によって使えぬものとなる。
よし、この力を小娘にでもやるとしようか、あやつなら力もあることだし、しっかりと育ててくれるだろう。
「うん、もう良い終わった。2人を牢屋に連れて行け、これからこやつらを我の監視下におく」
「やめろ!」
「やめてくれ!」
やめろと言っても我はやめぬ、奴の血が滅びゆくまでここで見てやる。
決しては出れぬ我が作った魔牢屋でな、まあ、外には出れぬが飯ぐらいは食わせてやるかな?
とりあえずスノーには竜人の国にいてもらい、我は自分の国へと帰ってきた。
忘れることもない、あの憎き男の血をここで終わらせ、この国を…我の国を取り戻すのだ。
我は城に降り立ち、まずは王の間に行き王座を破壊した、次に用意した自分とスノーの肖像画を後ろに自分で飾る。
我とスノー、なんと良き絵だな。
「ん、王座は後で良いか」
椅子は1つにしてスノーはずーっと、我の膝の上に座らせよう。
「来たか」
ガシャガシャと鎧が擦れ走る音が聞こえてきた、我のいる王の間の外がうるさくなる。
まあ、王座を破壊したときの破壊音で騎士たちがやって来たのだろう。
乱暴に王の間の扉が開き、壊され何もなくなった王座に立つ我を見る。
「貴様は誰だ!」
「敵だ、やつを捕らえよ」
人間どもが集団で我を捕まえようとやって来る。
「人間ごときの騎士たちに我を倒せるか」
とすこしだけ魔力を出して赤い炎をまとい脅した、すぐに怯んだ騎士たちはみな腰を抜かす。
弱いな、なんともたやすい。
「お前たちに命令をする。死にたくなければここの国王とその息子を連れてこい、元の主人竜人王ロワが呼んでいると伝えよ!」
「はい、畏まりました!」
すぐさま王の間に、死にたくない騎士たちにとられられた国王と王子と…誰だ?
「誰だ、国王のわしを呼ぶのは!」
「離せ!俺を誰だと思っている」
「きゃー、竜人王様ってカッコいい、ステキ!」
何やら呼んでいない、変な者まで付いてきたな。
「我の城を返してもらう!」
「何をいっておるんだ、ここはわしの国じゃ!」
「うるさい黙れ」
手をかざし衝撃波を飛ばし壁を破壊すると男は口をつぐむ。
あの男が我に毒を浴びせて死に、我の知らぬ間に残した子孫か、こうも何百年もたってもやつに似た顔が生まれるものなのだな。
「憎きその血を我がここで終わらす」
しかし、第一王子は瘴気にさらされてからは、部屋にこもりがちと聞いていた。
竜人の国で我の怒りの瘴気にあたり黒く焼けて変色した肌はもう戻らんな、かといって奴の血を持つ子孫はもう誰一人として残さぬ。
「おまえは俺たちをどうするつもりか!殺すのか!」
「はっ、殺しはせぬし、ここらかも追い出さぬよ、だが今日からお前たちが住むところは死ぬまで牢屋だ…その憎き血が終わるまでわたしがこの目で見届けてやる」
「きゃー、竜人王様素敵」
くねくね踊りだしたぞ変な踊りだな…一緒についてきたこの女…ん、何か持っておるな…これは稀に見る聖女の力か?
なんと小さき聖女の力だな。
選ばれし者しか持てぬ、希な力を育てることもしなかったのか…もったいない。
そうだ、その力を我がもらおうか。
我は王座を離れまだ踊る女の元に行く、自分のところに来てくれたと喜ぶ女の額を触った。
「いたっ!なに?」
チクっとしたかな、我の触った額から小さな白く輝く、光の玉がふよふよと外れて出てきた。
「なんと小さい聖女の力だな、お前が何もしていない証拠だ、簡単におまえの体から外せたぞ」
聖女の力と聞き、女はギョッとした顔つきになると慌てて大声を上げた。
「返してそれは私のよ、わたしは選ばれた聖女の力なの返して!」
1センチくらいの光る玉が、これがか?
「お前が持っていてもしかたがない、使える者に渡した方が良いお前では宝の持ち腐れだ、こやつに用はないここからつまみ出せ」
「はっ!」
騎士たちにつかまれ女は嘆く
「待ってよ、その力がないとわたしはいまから始まる学園にも通えない、誰にでも愛される幸せなヒロインになれないじゃない!」
「モフカ嬢!」
第1王子はこやつが好きなのか?なにが良いかわからぬ、まあ、我には関係のないことだ。
しかし、いま手に入れたこの聖女の力を育てさえすれば結構な力になったのにな、持つ者によって使えぬものとなる。
よし、この力を小娘にでもやるとしようか、あやつなら力もあることだし、しっかりと育ててくれるだろう。
「うん、もう良い終わった。2人を牢屋に連れて行け、これからこやつらを我の監視下におく」
「やめろ!」
「やめてくれ!」
やめろと言っても我はやめぬ、奴の血が滅びゆくまでここで見てやる。
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