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第三章 獣人の国に咲いた魔女の毒花編
第8話
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何かあった時のためにと、予備の服を渡そうとしたけど「防護服なんていらない…俺はナリの側にさえ行ければいい」と黒猫さんは防護服を着なかった。
黒猫さんは私達の前を尻尾を揺らし歩く。
「こっちです、ついて来てください」
「待て、そんなに急ぐな」
早く早くと街の中を歩き私達を急がせる。
黒猫さんの後を歩き黄色の毒花が咲く街中を抜けて北に向けて歩く、その中に咲く赤い花がまるで私達を誘うの様に揺れる。
心がざわざわとする。
その花が気になる。
もっと近くで赤い花が見たい…その花に向けて足を向けようとすると。
「その赤い花には近ずくな、シャルロット嬢!」
強い声が聞こえて、手を伸ばしぎゅっと力強くシーラに腕を握られた。
「……いっ!」
「その、わからない赤い花には近づかないでくれ」
「シーラン様?」
私を赤い花から引き離す様に腕を握ると、険しい顔をしながら私を引きずり歩いて行く。
どうしたの?と、聞けないくらいに眉をひそめて口をキツく結ぶ。
シーラン様の手は腕から離れて私の手を握った。
「このまま行こうか、シャルロット嬢」
「あ、うん」
赤い花を見てざわざわする心は止まらなかったけど、私1人の行動でみんなを危ない目には合わせれない。
それに何時もとは様子が違うシーラン様にも驚く、私はどこにも行かないよ、気持ちを込めて握られた手を強く握り返した。
「それでいい」
その声に見上げると、シーラン様のホッとした表情が見えた。
「私も離さないからね」
「ああ、シャルロット嬢」
何時ものシーラン様に戻ったみたい。私は前を街の中をどんどん進む黒猫さんに聞いた。
「黒猫さん、どこまで行くの?」
前を歩く黒猫さんは振り向く。
「北の森の手前の廃墟に向かっています…俺のことはタサと呼んでください」
「タサさん、わかりました」
「こっちだ!」
北の森の手前に建つ大きなの前で足を止めた。誰も住んで居ない…廃墟のようだ。
「……ここなのか」
フォルテ様は屋敷を前にボソッと呟く、そして横にいるタサさんは屋敷を見上げた。
「ここだ、フォルテ王子ここです。ナリはこの屋敷の中にいます」
「…そうか」
「いまから三ヶ月前、高熱が続き医者に聞いた所、魔女の毒花に感染したとされて、騎士達によって連れていかれました」
「…そうか」
フォルテ様はタサさんの話しに対して、曖昧な返事を返し、ヘルさんはフォルテ様の横で廃墟を見上げてとても悲しそうな、辛そうな表情をしていた。
それはフォルテ様も同じだった。
「なあ…ヘル、何故お前の元の屋敷が廃墟になり、毒花に侵された者の収容所となっているんだ?」
ここがヘルさんの屋敷?
「フォルテ様に申し上げます…私の両親はここで長年王家に仕え…毒花に侵された人々を看病をしながら東の国の魔法協会の方と力を合わせながら、毒花の研究をしてきました」
魔法協会…アル様の事。
「毒花の研究に看病をしてきたというのは、感染しても、治る者もおったということか?」
ヘルさんは頷く。
「はい、東の国の魔法協会の方で薬が処方されそれを飲ませていました。しかしながら毎年魔女の毒花に侵される人々は増える一方、そして昨年父と母は防護服を着ていたのにも関わらず毒花に感染をし、処方された薬が効かずに息を引き取りました」
アル様は魔女の毒花の解毒の薬を作っていたのに、毎年、毒花に感染をする人が増え続けた。
いままで効いていた、解毒の薬が効かなくなる。
どうして?
「それはおかしくないですか?いままで効いていた薬が効かないなんて、毒花の毒が勝手に強くなっているようです」
私の意見にみんなの視線が私に集まった。
「そうだな…毎年この時期にだけ咲く毒花がどうやって毒を強くしたんだ…去年やその前の年も東の国に避難を3ヶ月した後に、国に帰ると毒花は綺麗に消えていた…」
ヘルさんはフォルテ様にそれは違うと首を振った。
「フォルテ王子…これまでは魔法の毒花は魔法協会から派遣された人が来て、国中の毒花に薬品を撒き枯らしてくれていたのです」
アル様の研究は進んでいて、毒の花を枯らせる事ができていたんだ。
でも…今回は竜人王様の依頼だ。解毒薬が効かない魔女の毒花をアル様も知っているのかな?
もし、知らなかったら?
この屋敷に毒に侵された人がいることも知らないということになる。
「なんという事だ、俺の知らない所でこのような事が行われていたのか…」
フォルテ様の悲しみに満ちた、嘆いた声が聞こえてきた。
黒猫さんは私達の前を尻尾を揺らし歩く。
「こっちです、ついて来てください」
「待て、そんなに急ぐな」
早く早くと街の中を歩き私達を急がせる。
黒猫さんの後を歩き黄色の毒花が咲く街中を抜けて北に向けて歩く、その中に咲く赤い花がまるで私達を誘うの様に揺れる。
心がざわざわとする。
その花が気になる。
もっと近くで赤い花が見たい…その花に向けて足を向けようとすると。
「その赤い花には近ずくな、シャルロット嬢!」
強い声が聞こえて、手を伸ばしぎゅっと力強くシーラに腕を握られた。
「……いっ!」
「その、わからない赤い花には近づかないでくれ」
「シーラン様?」
私を赤い花から引き離す様に腕を握ると、険しい顔をしながら私を引きずり歩いて行く。
どうしたの?と、聞けないくらいに眉をひそめて口をキツく結ぶ。
シーラン様の手は腕から離れて私の手を握った。
「このまま行こうか、シャルロット嬢」
「あ、うん」
赤い花を見てざわざわする心は止まらなかったけど、私1人の行動でみんなを危ない目には合わせれない。
それに何時もとは様子が違うシーラン様にも驚く、私はどこにも行かないよ、気持ちを込めて握られた手を強く握り返した。
「それでいい」
その声に見上げると、シーラン様のホッとした表情が見えた。
「私も離さないからね」
「ああ、シャルロット嬢」
何時ものシーラン様に戻ったみたい。私は前を街の中をどんどん進む黒猫さんに聞いた。
「黒猫さん、どこまで行くの?」
前を歩く黒猫さんは振り向く。
「北の森の手前の廃墟に向かっています…俺のことはタサと呼んでください」
「タサさん、わかりました」
「こっちだ!」
北の森の手前に建つ大きなの前で足を止めた。誰も住んで居ない…廃墟のようだ。
「……ここなのか」
フォルテ様は屋敷を前にボソッと呟く、そして横にいるタサさんは屋敷を見上げた。
「ここだ、フォルテ王子ここです。ナリはこの屋敷の中にいます」
「…そうか」
「いまから三ヶ月前、高熱が続き医者に聞いた所、魔女の毒花に感染したとされて、騎士達によって連れていかれました」
「…そうか」
フォルテ様はタサさんの話しに対して、曖昧な返事を返し、ヘルさんはフォルテ様の横で廃墟を見上げてとても悲しそうな、辛そうな表情をしていた。
それはフォルテ様も同じだった。
「なあ…ヘル、何故お前の元の屋敷が廃墟になり、毒花に侵された者の収容所となっているんだ?」
ここがヘルさんの屋敷?
「フォルテ様に申し上げます…私の両親はここで長年王家に仕え…毒花に侵された人々を看病をしながら東の国の魔法協会の方と力を合わせながら、毒花の研究をしてきました」
魔法協会…アル様の事。
「毒花の研究に看病をしてきたというのは、感染しても、治る者もおったということか?」
ヘルさんは頷く。
「はい、東の国の魔法協会の方で薬が処方されそれを飲ませていました。しかしながら毎年魔女の毒花に侵される人々は増える一方、そして昨年父と母は防護服を着ていたのにも関わらず毒花に感染をし、処方された薬が効かずに息を引き取りました」
アル様は魔女の毒花の解毒の薬を作っていたのに、毎年、毒花に感染をする人が増え続けた。
いままで効いていた、解毒の薬が効かなくなる。
どうして?
「それはおかしくないですか?いままで効いていた薬が効かないなんて、毒花の毒が勝手に強くなっているようです」
私の意見にみんなの視線が私に集まった。
「そうだな…毎年この時期にだけ咲く毒花がどうやって毒を強くしたんだ…去年やその前の年も東の国に避難を3ヶ月した後に、国に帰ると毒花は綺麗に消えていた…」
ヘルさんはフォルテ様にそれは違うと首を振った。
「フォルテ王子…これまでは魔法の毒花は魔法協会から派遣された人が来て、国中の毒花に薬品を撒き枯らしてくれていたのです」
アル様の研究は進んでいて、毒の花を枯らせる事ができていたんだ。
でも…今回は竜人王様の依頼だ。解毒薬が効かない魔女の毒花をアル様も知っているのかな?
もし、知らなかったら?
この屋敷に毒に侵された人がいることも知らないということになる。
「なんという事だ、俺の知らない所でこのような事が行われていたのか…」
フォルテ様の悲しみに満ちた、嘆いた声が聞こえてきた。
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