竜人さまに狂愛される悪役令嬢には王子なんか必要ありません!

深月カナメ

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第三章 獣人の国に咲いた魔女の毒花編

ラーロとエシャロットのひとときの休息。

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 ラーロはエシャロットの店のカウンターに座り、コーヒーを入れてくれたエシャロットに話を聞いていた。

「エシャロットはアル様のお師匠様と、どうやって知り合ったんだ?」

 なんの関連もない2人が知り合いで、師匠と弟子の関係にラーロは不思議に思っていた。

「ああ、お師匠はここの常連さんよ。お店に商品を届けてくれと魔法の手紙がたまに届くのよ」

「へぇ、あの人は凄い人なんだろう? アル様のお師匠様だものなぁ、どうしてエシャロットの店なんかに…」

 エシャロットは常連の1人でもあるラーロに店なんかと言われて、少しムッとしたけどまあいいわと話し出した。

「そうねぇ、凄い人ではあるけど…可愛い人よ。あの人の家って北の国の奥の奥のさらに奥にあるのだけど、家の中は青桜ちゃんの物ばかりよ、乾燥させた花やそこから作った風邪薬にシップに塗り薬…そして今回私が貰った青桜の特効薬」

「それだよ、特効薬はとても貴重で良く効くんだろう?」

「ええ、私が貰った物は特にね…お師匠様が言うには最後の花と言っていたわ」

「最後の花⁉︎ よくそんな貴重な物を出してくれたな」

「彼とはねお茶飲友達でもあったの、番の事をね話しちゃった…」

 ラーロは目を大きく開けて怒った様にコーヒーカップをカウンターに置いた。

「はぁ? 友達の俺には聞いても詳しくは話さないくせに、アル様のお師匠様には話したのかよ!」

「怒らないの、成り行きよ…あの人お酒を飲むと青桜ちゃんに会いたい、くそっ、人間どもめって言い出すのよ…だから、会えなくても落ち込まないのって話しちゃった」

「そうか…」

「お師匠様はね…生きる気力を失っていたわ、私を最後の弟子と呼び、長寿のエルフの癖にいまにも消えてしまいそうだった…だから、もう1つの話もした」

「シャルちゃんの事か⁉︎」

「ええ、話したわ。お師匠様は驚いていた…1番最初に出た言葉がね、側に誰かいて目を離すな、その子を守りなさいと言ったのよ」

 あの力を使い青桜を甦らそうと考えたのでは無く。

「守るか…だよな。シャルちゃんの力は特殊だ…魔力量もこれからの修行でまだ多くなるだろう、そして聖女の力まで持っている。側にいるチビ竜達はもっと強くならないといけない」

 エシャロットは首を振る。

「違うわ、私達よ。私達があの子達を影から守るのよ…大人が子供達を守らないとね」

「そうだな、俺も頑張るかな」

「ええ、頑張りましょう」

 2人はガッチリ手を組んだ。

「それにしても驚いたわ、ラーロが私の事をそんなに知りたかったなんてね」

「違う意味でとるな! 友として友人としてだ!」

「ふふっ、わかってるわよ。全部終わったらお酒でも飲みながら話してあげるわ」

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