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番外・シャルロットの休暇 (短編)
桜の種を求めて(人里編 その一)
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お師匠様からいただいたピンクの種は、現世で見ていた桜の木の種だった。
いま、桜の種をもらった人里にお師匠様の魔法で「【転送】」してもらい、シンラ君と来ている。
そして来たセレ村は前に来た王都とは違い、静かでのどかないい所だった。
村に入ると香ばしいいい香りがしてくる。
何処から香るのか見渡すと、なんと村には何軒かお店があり、その店先で醤油のお煎餅を焼いていた。
お煎餅の原料ってうるち米? だとするとこの村にはお米があるの? 他に焼き鳥と魚を焼く店まである。
進めば進むほどわかる、軒先にするされた大根、玉ねぎ、にんじん。
あれは大豆と小豆? ここは異世界なのに、このセレ村は日本の田舎に何処となく似ていた。
わたしはお煎餅を指差した。
「シンラ君、あの食べ物美味しそうだよ」
「旨そうだな、食べてみるか!」
「小娘にチビ。お前ら、はしゃぎ過ぎだ」
お師匠様の忠告も聞かず、買って食べてみると醤油が香ばしく、懐かしいお煎餅その物だった。
「これパリパリして美味しい、シンラ君も食べてみて」
「本当だ、パリパリして美味い!」
「お師匠様も食べて」
懐かしさに目移りしてしまう。
そして、ビシビシと肌に感じる。この村にわたしと同じ日本人がいるんだと。
しばらく進むと小声で。
「シャルロットちょっと、こっち来て」
シンラ君がわたしを手招きした。近づくとコソッと耳打ちしてくる。
『シャルロット、そこの草むら見てみて』
シンラくんに言われた方を見た。少し離れた位置の草むらに隠れる。
『あ、リズ様とリオさん?』
『ちょっと、近付いて驚かしておいで』
シンラ君にわかったと頷き、わたしは彼らの後ろを陣取ると、トントンと肩を叩き。子供の頃に遊んだかくれんぼの様に。
「みーつけた! リズ様とリオさん……あ、違うわ。パストさんとセーリオさん、おはよう」
見つかった二人は、はぁーっと息を吐き困った顔で、わたしの方を振り向いた。
「あははっ、見たかった。おはようシャルロットちゃん」
「見つかってしまいましたね。シャルロット様、おはようございます」
「どうして二人ともそんな茂みに隠れてるの? わたし達の護衛?」
「こ、これは……その、アル様に頼まれたんだよな、リオ」
「そうです、これは頼まれた仕事ですよ。シャルロット様」
と、二人の目線の先には同じように、人に扮したアル様とラーロさんが隠れていた。
わたしに見つかった、ラーロさんは草むらからガサッと立ち上がる。
「こら、ちびども! こっちを見るな!」
「あらら、シャルちゃんに見つかってしまいましたね」
アル様は微笑んで草むらから出て、体に着いた草をはたいた。
もう、みんなはまだまだ心配性だな。
「ありがとう、パストさん、セーリオさん、アル様、ラーロさん」
仕方ありません、見つかってしまいましたからねと、みんなが加わった。
「おい、シンラ! ……お前にはこのことを事前に伝えていただろう」
「そうだけど、俺は兄貴とも一緒に回りたかったんだ。こんなにのんびりした休日は久しぶりだから……」
その弟、シンラ君の言葉に、言葉を詰まらせる兄、パストさん。
本当こんなにのんびり出来るのは久しぶり。
「美味しいもの、たくさん食べて帰ろうね」
と言うわたしに。
「「ここに来た目的忘れてる!」」
と、みんなの鋭いツッコミが帰って来た。
いま、桜の種をもらった人里にお師匠様の魔法で「【転送】」してもらい、シンラ君と来ている。
そして来たセレ村は前に来た王都とは違い、静かでのどかないい所だった。
村に入ると香ばしいいい香りがしてくる。
何処から香るのか見渡すと、なんと村には何軒かお店があり、その店先で醤油のお煎餅を焼いていた。
お煎餅の原料ってうるち米? だとするとこの村にはお米があるの? 他に焼き鳥と魚を焼く店まである。
進めば進むほどわかる、軒先にするされた大根、玉ねぎ、にんじん。
あれは大豆と小豆? ここは異世界なのに、このセレ村は日本の田舎に何処となく似ていた。
わたしはお煎餅を指差した。
「シンラ君、あの食べ物美味しそうだよ」
「旨そうだな、食べてみるか!」
「小娘にチビ。お前ら、はしゃぎ過ぎだ」
お師匠様の忠告も聞かず、買って食べてみると醤油が香ばしく、懐かしいお煎餅その物だった。
「これパリパリして美味しい、シンラ君も食べてみて」
「本当だ、パリパリして美味い!」
「お師匠様も食べて」
懐かしさに目移りしてしまう。
そして、ビシビシと肌に感じる。この村にわたしと同じ日本人がいるんだと。
しばらく進むと小声で。
「シャルロットちょっと、こっち来て」
シンラ君がわたしを手招きした。近づくとコソッと耳打ちしてくる。
『シャルロット、そこの草むら見てみて』
シンラくんに言われた方を見た。少し離れた位置の草むらに隠れる。
『あ、リズ様とリオさん?』
『ちょっと、近付いて驚かしておいで』
シンラ君にわかったと頷き、わたしは彼らの後ろを陣取ると、トントンと肩を叩き。子供の頃に遊んだかくれんぼの様に。
「みーつけた! リズ様とリオさん……あ、違うわ。パストさんとセーリオさん、おはよう」
見つかった二人は、はぁーっと息を吐き困った顔で、わたしの方を振り向いた。
「あははっ、見たかった。おはようシャルロットちゃん」
「見つかってしまいましたね。シャルロット様、おはようございます」
「どうして二人ともそんな茂みに隠れてるの? わたし達の護衛?」
「こ、これは……その、アル様に頼まれたんだよな、リオ」
「そうです、これは頼まれた仕事ですよ。シャルロット様」
と、二人の目線の先には同じように、人に扮したアル様とラーロさんが隠れていた。
わたしに見つかった、ラーロさんは草むらからガサッと立ち上がる。
「こら、ちびども! こっちを見るな!」
「あらら、シャルちゃんに見つかってしまいましたね」
アル様は微笑んで草むらから出て、体に着いた草をはたいた。
もう、みんなはまだまだ心配性だな。
「ありがとう、パストさん、セーリオさん、アル様、ラーロさん」
仕方ありません、見つかってしまいましたからねと、みんなが加わった。
「おい、シンラ! ……お前にはこのことを事前に伝えていただろう」
「そうだけど、俺は兄貴とも一緒に回りたかったんだ。こんなにのんびりした休日は久しぶりだから……」
その弟、シンラ君の言葉に、言葉を詰まらせる兄、パストさん。
本当こんなにのんびり出来るのは久しぶり。
「美味しいもの、たくさん食べて帰ろうね」
と言うわたしに。
「「ここに来た目的忘れてる!」」
と、みんなの鋭いツッコミが帰って来た。
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