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10話 廃病院と霊 二
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他の生徒たちも、行く行かないで盛り上がっていたけど、結局女子四人、男子三人、合計七人で行くとことになった。
約束の日の夜の八時、廃病院の前で待ち合わせたのだが、「やっぱりやめる」と連絡が入り、蓋を開ければ、女子は春子と私、男子は一ツ橋裕太、浄念寺卓弥の合計四人になった。
裕太は残念がっていたが、「まあ、仕方がない。四人で行くか・・・」と、私たちを入り口まで案内し、ドアのカギを開けた。
ドアを開けた瞬間、嫌な感じがした。
何が?と問われると言葉に詰まるのだが、背筋に悪寒が走るみたいな感じである。
「んんん・・・」
卓弥が訝し気な顔で、何やら唸っている。
お寺の息子だけあって、私と同じように感じているのかもしれない。
裕太は能天気にワクワク顔だし、春子は喜んで来た割には、ビビっている。
それぞれが懐中電灯を持ち、暗い廊下を歩いた。
一階の椅子がたくさん並んだ待合室を抜けると、エレベーターと階段があったが、電気が止められているのでエレベーターは使えない。
私たちは階段で二階へと上がった。
二階は入院用の個室が並んでいて、ドアは全部閉まっている。
「この先なんだよ。あの写真を撮ったのは・・・」
裕太がボソッと呟いた。
懐中電灯の灯りを頼りに廊下を歩いていたら、207号室の前で裕太が止まった。
そう言えば、写真に写っていた部屋番号が207だった。
「俺、合い鍵持ってるから、中に入ってみようか。」
裕太がドアを開けて、皆で中に入ったが、入院用のベッドが置かれているだけで、何もない閑散とした部屋だった。
「なんだか、怖いね。それにすごく寒気がしてきた。」
春子が寒そうに腕を交差して自分の腕をこすった。
だが、それだけでは終わらなかった。
「寒い寒い・・・寒い・・・」
春子の様子が変だ。目の焦点が合っていない。
「憎い、憎い、憎くてたまらない・・・。」
いつもの穏やかな顔が歪み、苦し気な顔に変わった。
「おい、日向さん、ど、どうしたんだ?」
「どうして、私が・・・・、ああ、憎い、憎い・・・」
「おい、日向さん、しっかりしろよ。」
裕太が春子に声を掛けながら、おろおろしている。
「しまった、憑依されたか?」
卓弥が胸ポケットから黒水晶の数珠を取り出した。
「今から除霊する。」
「除霊するって?どういうこと?」
「日向さんから、禍々しい霊気を感じる。憑依したのは悪霊だから、除霊しなければ日向さんが大変なことになる。急がなければ・・・」
「待って、除霊されたら、あの霊はどうなるの?」
私は卓弥の腕を掴んで止めた。
「アイツは悪霊だ。除霊が成功すれば、霧のように消滅する。」
「あ、あの・・・、あの女の人、春子に憑依したわけじゃない。すぐ後ろにいて泣いているの。悲しくて悔しい思いが強すぎて、そばにいた春子にシンクロしたんだわ。」
「えっ? 緋ノ江は、霊が見えるのか?」
「あなたには見えないの?」
「俺は霊の形態をはっきり見ることはできないが、感じることはできるんだ。」
「だったら、私が説得してみる。だから、少し待ってて。」
「説得ってどうやって?」
「魂を飛ばすのよ。だからその間、私の身体を支えててね。」
約束の日の夜の八時、廃病院の前で待ち合わせたのだが、「やっぱりやめる」と連絡が入り、蓋を開ければ、女子は春子と私、男子は一ツ橋裕太、浄念寺卓弥の合計四人になった。
裕太は残念がっていたが、「まあ、仕方がない。四人で行くか・・・」と、私たちを入り口まで案内し、ドアのカギを開けた。
ドアを開けた瞬間、嫌な感じがした。
何が?と問われると言葉に詰まるのだが、背筋に悪寒が走るみたいな感じである。
「んんん・・・」
卓弥が訝し気な顔で、何やら唸っている。
お寺の息子だけあって、私と同じように感じているのかもしれない。
裕太は能天気にワクワク顔だし、春子は喜んで来た割には、ビビっている。
それぞれが懐中電灯を持ち、暗い廊下を歩いた。
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二階は入院用の個室が並んでいて、ドアは全部閉まっている。
「この先なんだよ。あの写真を撮ったのは・・・」
裕太がボソッと呟いた。
懐中電灯の灯りを頼りに廊下を歩いていたら、207号室の前で裕太が止まった。
そう言えば、写真に写っていた部屋番号が207だった。
「俺、合い鍵持ってるから、中に入ってみようか。」
裕太がドアを開けて、皆で中に入ったが、入院用のベッドが置かれているだけで、何もない閑散とした部屋だった。
「なんだか、怖いね。それにすごく寒気がしてきた。」
春子が寒そうに腕を交差して自分の腕をこすった。
だが、それだけでは終わらなかった。
「寒い寒い・・・寒い・・・」
春子の様子が変だ。目の焦点が合っていない。
「憎い、憎い、憎くてたまらない・・・。」
いつもの穏やかな顔が歪み、苦し気な顔に変わった。
「おい、日向さん、ど、どうしたんだ?」
「どうして、私が・・・・、ああ、憎い、憎い・・・」
「おい、日向さん、しっかりしろよ。」
裕太が春子に声を掛けながら、おろおろしている。
「しまった、憑依されたか?」
卓弥が胸ポケットから黒水晶の数珠を取り出した。
「今から除霊する。」
「除霊するって?どういうこと?」
「日向さんから、禍々しい霊気を感じる。憑依したのは悪霊だから、除霊しなければ日向さんが大変なことになる。急がなければ・・・」
「待って、除霊されたら、あの霊はどうなるの?」
私は卓弥の腕を掴んで止めた。
「アイツは悪霊だ。除霊が成功すれば、霧のように消滅する。」
「あ、あの・・・、あの女の人、春子に憑依したわけじゃない。すぐ後ろにいて泣いているの。悲しくて悔しい思いが強すぎて、そばにいた春子にシンクロしたんだわ。」
「えっ? 緋ノ江は、霊が見えるのか?」
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「俺は霊の形態をはっきり見ることはできないが、感じることはできるんだ。」
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「魂を飛ばすのよ。だからその間、私の身体を支えててね。」
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