19 / 22
第19話 雪の日に
しおりを挟む
大晦日の朝。シルヴェスが外に出ると、雪が降っていた。
雪の結晶は日の光を浴びて輝き、澄んだ音色を奏でているようだ。
街路樹や建物にはカラフルな飾りつけがなされ、真っ白になった路面に映えてとても鮮やかである。
道行く人も何だか楽しげで、町全体がお祭り気分であった。
シルヴェスの服装はと言うと、相変わらず一番外は黒いコートだが、その内側には赤っぽいニットが少しだけ見えている。これはヨラさんから借りた服だった。お陰で、いつもよりちょっとは華やかになったのではないかと思う。
待ち合わせ場所は、セントラル広場のツリーの下だった。年末は広場の中央に一本の大木が運び込まれ、青々とした葉を付けた枝に美しい装飾が吊り下げられているのである。
シルヴェスが時間通りに到着すると、サイベルはすでにツリーの幹に背中を預けて彼女を待っていた。
「おはよう」
サイベルが笑いかける。シルヴェスは彼のいで立ちに目を見張った。
紺の地に金糸の刺繍が施された外套と革のバッグ――。いつものパン屋の制服からは想像もつかない姿である。そういえば、彼の私服を見るのは今回がはじめてだった。シルヴェスは彼が裕福な家の育ちだったことを思い出す。魔法学校で王子と呼ばれていたのも納得の風貌であった。
「あ、あの、えっと」
シルヴェスは目を白黒させる。サイベルの雰囲気に圧倒され、言葉が迷子になってしまったのだ。サイベルはおかしそうに青い目を細める。
「あはは。緊張してるの? 毎朝開店前に会っている時は平気そうなのにね」
今日は特別だから仕方ないよ!
シルヴェスは心の中で反論した。いつもパンを買う時には、あくまで事務的なやり取りに終始しているのだ。でも、今日はそれ以上の関係を意識せずにはいられない。相手を見る目も、自分の反応も、普段とは違っていて当然なのである。
「まあ、そう固くならずに。僕たち、仕事上の付き合いは長いようで、実はお互いのことをよく知らないよね。だから、まずは僕のことを知ってほしいと思って声を掛けたんだ」
「は、はい……」
喉に何かがつっかえているような返事がシルヴェスの口から漏れた。サイベルはくすくすと笑いながらシルヴェスの肩を軽く叩いて歩き出す。
「といっても、すぐには無理だよね。一日かけて、ゆっくり距離を縮めよう。とりあえず一緒に歩こうか?」
「あ、はい!」
シルヴェスは慌ててサイベルを追い、その隣に並んで彼の顔を見上げた。
「さて、シルヴェスちゃん、どこに行きたい?」
サイベルがこちらを向いて尋ねてくる。シルヴェスはその視線から逃れるように急いで顔を正面に戻し、「うーん」と首を傾げた。
考えてみれば、この街に来てから、遊びらしい遊びをしたことがなかった。ずっと猫カフェの準備に奔走していたからである。
「あの、私、こういう時に行く場所を知らなくて……」
シルヴェスが恥ずかしそうに答えると、サイベルは優しい微笑みを浮かべた。
「そっか。でも、今日はお祭りだから、どこに行っても楽しいと思うよ。そうだなあ……。じゃあ、演劇でも観に行こうか? 午後には劇場近くの広場で演奏会もあったと思うし。この街の楽団は王国の中でも有名なんだよ」
「へえ! 行ってみたいです!」
シルヴェスの表情がぱっと明るくなる。サイベルは懐中時計を取り出して文字盤に目を落とした。
「えーっと、じゃあ、開演時間に合わせて行かないとね……。おっと、思っていたよりもギリギリだ」
「急ぎます?」
「そうだね。近道しよう!」
サイベルはシルヴェスの手を取ると、不意に向きを変え、脇道の路地に足を向けた。
「シルヴェスちゃん、走れる?」
「大丈夫です!」
「じゃあついて来て! 行くよ!」
そう言って、二人は入り組んだ迷路のような道に飛び込んで行ったのであった。
*
「シルヴェスちゃんって意外と涙もろいんだねー。演劇で泣いて、音楽でまた泣いてさ。見てて退屈しなかったよ」
「もう。からかわないでください!」
「あはは!」
夕暮れ時。二人は人の多い大通りを並んで歩いていた。時々、道の中央を馬車が雪煙を上げて通り過ぎる。
雪はいつの間にか止み、シルヴェスはすっかりサイベルと打ち解け、自然に話すことができるようになっていた。
「ほら見て。夕焼けが綺麗だよ。もう今年もあと少しだね」
サイベルは王城の方を指さして言う。シルヴェスがそちらを振り返ると、赤く染まった雲を背景に、尖塔が幻想的な影を落としていた。
ひんやりとした大気を、凛とした鐘の音が繰り返し渡っていく。
道の両側にはキャンドルが並べられ、店の中からは乾杯の音が賑やかに聞こえてくる。
反対側の歩道では松明を投げている大道芸人の周りに人だかりができていて、大技が成功する度に歓声が上がっていた。
ああ。本当に今年が終わってしまうんだなあ……。
街の雰囲気に浸り、しみじみと思う。
「そうですね。今年は色々なことがあったけれど、本当に楽しかったです」
シルヴェスは感慨深そうに呟くと、頬を染めてサイベルに笑いかけた。
「おっと」
大道芸人の観客を避けた馬車の軌道が自分たちの方に膨らんできたので、サイベルはシルヴェスを押し付けるようにして道の端に寄った。
舞い上がった雪が彼らの頭上に降りかかる。二人は首を縮めて馬車をやり過ごしてから、服に着いたサラサラの雪を落とした。
「髪にもついてるよ」
サイベルはそう言いながら、シルヴェスの頭を数回手で払う。
立ち止まった二人の横を、通行人が次々に通り過ぎていく。
向かい合うシルヴェスとサイベルの視線が不意にぶつかった。
真顔のサイベル。その口が重々しく、ゆっくりと開かれる。
「シルヴェスちゃん……。あのね。大切なことを伝えたいんだけれど……」
「はい……」
シルヴェスも真剣な表情になって、真面目な口調で答えた。サイベルは落ち着きなく、周囲をきょろきょろと見回す。
「でも、ここじゃ駄目だ。もっと人気のないところに移動してからでもいい?」
「うん……」
そうしてサイベルは再びシルヴェスの手を取り、近くの路地に入った。
通りから離れるにつれ、喧騒から遠ざかっていく。
路地には明かりもなく、日陰なのでとても薄暗い。しかし、サイベルに手を引かれているお陰で、ちっとも恐ろしさはなかった。
曲がりくねった道をひたすら無言で進み、二人は行き止まりの壁の前にたどり着く。そこでサイベルはようやくその足を止めた。
「ごめんね。こんなところまで連れまわしちゃって……。でも、誰かほかの人に聞かれるのは嫌だからさ」
サイベルはシルヴェスに向き直り、申し訳なさそうに苦笑する。薄暗がりの中で、その顔はいつもよりもミステリアスに見えた。
「いいですよ。それで、私に伝えたいことって、一体なんですか?」
シルヴェスは緊張の面持ちで答える。胸の鼓動が高鳴り、心臓は今にも飛び出さんばかりだ。
サイベルは目を閉じ、「ふう」と息をつく。
しばしの沈黙。
路地の奥は痛いほど静かだ。物音を立てるものは何もない。
すると、サイベルは瞳を閉じたまま、覚悟を決めたように突然こう切り出した。
「ねえ。シルヴェスちゃん。『発酵』と『腐敗』の違いって知ってる?」
「えっ?」
予想外の質問に思わず聞き返すシルヴェス。サイベルは構わず独り言のように続けた。
「実はこの二つって、原理は同じなんだ。それが人間にとって有益か有害かによって、呼び方を変えているだけなんだよ。逆に考えれば、人は他者を、常に自分にとって役に立つものか、邪魔なものかで判断する生き物だって言うこともできるよね」
「えっーと、つまり……?」
「つまり、君は僕にとって応援すべき可愛い後輩でありながら、これ以上無視できない目障りな厄介者にもなってしまったということなんだよ」
「え? それって、どういう……?」
「――君は猫カフェを使って、魔法使いと非魔法使いの融和などという叶いもしない夢を人々に植え付け、挙句の果てに僕から貴重な部下を奪い去った。でも、それだけならまだ許せる範囲内だった。……君にとって不運だったのは、僕が実験で開発した『キャリアー』、すなわち、僕の『腐敗魔法』を媒介して街中にばらまき、非魔法使いを殺してくれる運び屋が、ネズミだったということさ。ネズミを道具に使う以上、その天敵である猫は最大の懸念材料になる。そのため、この街の猫に大きな影響力を持っている君は、僕の計画遂行にとって一番の邪魔者になったんだ」
「…………」
シルヴェスは絶句した。嘘だ。そんな……。信じられない……。
「もう分かっただろう。――はっきり言おうか」
サイベルはバッグの中から嘴のある黒い仮面を取り出し、呆然としているシルヴェスを真っ直ぐに見据えた。
その双眸が、ぼうっと赤く怪しい光を宿す。
「カラス仮面の正体は、僕だ」
雪の結晶は日の光を浴びて輝き、澄んだ音色を奏でているようだ。
街路樹や建物にはカラフルな飾りつけがなされ、真っ白になった路面に映えてとても鮮やかである。
道行く人も何だか楽しげで、町全体がお祭り気分であった。
シルヴェスの服装はと言うと、相変わらず一番外は黒いコートだが、その内側には赤っぽいニットが少しだけ見えている。これはヨラさんから借りた服だった。お陰で、いつもよりちょっとは華やかになったのではないかと思う。
待ち合わせ場所は、セントラル広場のツリーの下だった。年末は広場の中央に一本の大木が運び込まれ、青々とした葉を付けた枝に美しい装飾が吊り下げられているのである。
シルヴェスが時間通りに到着すると、サイベルはすでにツリーの幹に背中を預けて彼女を待っていた。
「おはよう」
サイベルが笑いかける。シルヴェスは彼のいで立ちに目を見張った。
紺の地に金糸の刺繍が施された外套と革のバッグ――。いつものパン屋の制服からは想像もつかない姿である。そういえば、彼の私服を見るのは今回がはじめてだった。シルヴェスは彼が裕福な家の育ちだったことを思い出す。魔法学校で王子と呼ばれていたのも納得の風貌であった。
「あ、あの、えっと」
シルヴェスは目を白黒させる。サイベルの雰囲気に圧倒され、言葉が迷子になってしまったのだ。サイベルはおかしそうに青い目を細める。
「あはは。緊張してるの? 毎朝開店前に会っている時は平気そうなのにね」
今日は特別だから仕方ないよ!
シルヴェスは心の中で反論した。いつもパンを買う時には、あくまで事務的なやり取りに終始しているのだ。でも、今日はそれ以上の関係を意識せずにはいられない。相手を見る目も、自分の反応も、普段とは違っていて当然なのである。
「まあ、そう固くならずに。僕たち、仕事上の付き合いは長いようで、実はお互いのことをよく知らないよね。だから、まずは僕のことを知ってほしいと思って声を掛けたんだ」
「は、はい……」
喉に何かがつっかえているような返事がシルヴェスの口から漏れた。サイベルはくすくすと笑いながらシルヴェスの肩を軽く叩いて歩き出す。
「といっても、すぐには無理だよね。一日かけて、ゆっくり距離を縮めよう。とりあえず一緒に歩こうか?」
「あ、はい!」
シルヴェスは慌ててサイベルを追い、その隣に並んで彼の顔を見上げた。
「さて、シルヴェスちゃん、どこに行きたい?」
サイベルがこちらを向いて尋ねてくる。シルヴェスはその視線から逃れるように急いで顔を正面に戻し、「うーん」と首を傾げた。
考えてみれば、この街に来てから、遊びらしい遊びをしたことがなかった。ずっと猫カフェの準備に奔走していたからである。
「あの、私、こういう時に行く場所を知らなくて……」
シルヴェスが恥ずかしそうに答えると、サイベルは優しい微笑みを浮かべた。
「そっか。でも、今日はお祭りだから、どこに行っても楽しいと思うよ。そうだなあ……。じゃあ、演劇でも観に行こうか? 午後には劇場近くの広場で演奏会もあったと思うし。この街の楽団は王国の中でも有名なんだよ」
「へえ! 行ってみたいです!」
シルヴェスの表情がぱっと明るくなる。サイベルは懐中時計を取り出して文字盤に目を落とした。
「えーっと、じゃあ、開演時間に合わせて行かないとね……。おっと、思っていたよりもギリギリだ」
「急ぎます?」
「そうだね。近道しよう!」
サイベルはシルヴェスの手を取ると、不意に向きを変え、脇道の路地に足を向けた。
「シルヴェスちゃん、走れる?」
「大丈夫です!」
「じゃあついて来て! 行くよ!」
そう言って、二人は入り組んだ迷路のような道に飛び込んで行ったのであった。
*
「シルヴェスちゃんって意外と涙もろいんだねー。演劇で泣いて、音楽でまた泣いてさ。見てて退屈しなかったよ」
「もう。からかわないでください!」
「あはは!」
夕暮れ時。二人は人の多い大通りを並んで歩いていた。時々、道の中央を馬車が雪煙を上げて通り過ぎる。
雪はいつの間にか止み、シルヴェスはすっかりサイベルと打ち解け、自然に話すことができるようになっていた。
「ほら見て。夕焼けが綺麗だよ。もう今年もあと少しだね」
サイベルは王城の方を指さして言う。シルヴェスがそちらを振り返ると、赤く染まった雲を背景に、尖塔が幻想的な影を落としていた。
ひんやりとした大気を、凛とした鐘の音が繰り返し渡っていく。
道の両側にはキャンドルが並べられ、店の中からは乾杯の音が賑やかに聞こえてくる。
反対側の歩道では松明を投げている大道芸人の周りに人だかりができていて、大技が成功する度に歓声が上がっていた。
ああ。本当に今年が終わってしまうんだなあ……。
街の雰囲気に浸り、しみじみと思う。
「そうですね。今年は色々なことがあったけれど、本当に楽しかったです」
シルヴェスは感慨深そうに呟くと、頬を染めてサイベルに笑いかけた。
「おっと」
大道芸人の観客を避けた馬車の軌道が自分たちの方に膨らんできたので、サイベルはシルヴェスを押し付けるようにして道の端に寄った。
舞い上がった雪が彼らの頭上に降りかかる。二人は首を縮めて馬車をやり過ごしてから、服に着いたサラサラの雪を落とした。
「髪にもついてるよ」
サイベルはそう言いながら、シルヴェスの頭を数回手で払う。
立ち止まった二人の横を、通行人が次々に通り過ぎていく。
向かい合うシルヴェスとサイベルの視線が不意にぶつかった。
真顔のサイベル。その口が重々しく、ゆっくりと開かれる。
「シルヴェスちゃん……。あのね。大切なことを伝えたいんだけれど……」
「はい……」
シルヴェスも真剣な表情になって、真面目な口調で答えた。サイベルは落ち着きなく、周囲をきょろきょろと見回す。
「でも、ここじゃ駄目だ。もっと人気のないところに移動してからでもいい?」
「うん……」
そうしてサイベルは再びシルヴェスの手を取り、近くの路地に入った。
通りから離れるにつれ、喧騒から遠ざかっていく。
路地には明かりもなく、日陰なのでとても薄暗い。しかし、サイベルに手を引かれているお陰で、ちっとも恐ろしさはなかった。
曲がりくねった道をひたすら無言で進み、二人は行き止まりの壁の前にたどり着く。そこでサイベルはようやくその足を止めた。
「ごめんね。こんなところまで連れまわしちゃって……。でも、誰かほかの人に聞かれるのは嫌だからさ」
サイベルはシルヴェスに向き直り、申し訳なさそうに苦笑する。薄暗がりの中で、その顔はいつもよりもミステリアスに見えた。
「いいですよ。それで、私に伝えたいことって、一体なんですか?」
シルヴェスは緊張の面持ちで答える。胸の鼓動が高鳴り、心臓は今にも飛び出さんばかりだ。
サイベルは目を閉じ、「ふう」と息をつく。
しばしの沈黙。
路地の奥は痛いほど静かだ。物音を立てるものは何もない。
すると、サイベルは瞳を閉じたまま、覚悟を決めたように突然こう切り出した。
「ねえ。シルヴェスちゃん。『発酵』と『腐敗』の違いって知ってる?」
「えっ?」
予想外の質問に思わず聞き返すシルヴェス。サイベルは構わず独り言のように続けた。
「実はこの二つって、原理は同じなんだ。それが人間にとって有益か有害かによって、呼び方を変えているだけなんだよ。逆に考えれば、人は他者を、常に自分にとって役に立つものか、邪魔なものかで判断する生き物だって言うこともできるよね」
「えっーと、つまり……?」
「つまり、君は僕にとって応援すべき可愛い後輩でありながら、これ以上無視できない目障りな厄介者にもなってしまったということなんだよ」
「え? それって、どういう……?」
「――君は猫カフェを使って、魔法使いと非魔法使いの融和などという叶いもしない夢を人々に植え付け、挙句の果てに僕から貴重な部下を奪い去った。でも、それだけならまだ許せる範囲内だった。……君にとって不運だったのは、僕が実験で開発した『キャリアー』、すなわち、僕の『腐敗魔法』を媒介して街中にばらまき、非魔法使いを殺してくれる運び屋が、ネズミだったということさ。ネズミを道具に使う以上、その天敵である猫は最大の懸念材料になる。そのため、この街の猫に大きな影響力を持っている君は、僕の計画遂行にとって一番の邪魔者になったんだ」
「…………」
シルヴェスは絶句した。嘘だ。そんな……。信じられない……。
「もう分かっただろう。――はっきり言おうか」
サイベルはバッグの中から嘴のある黒い仮面を取り出し、呆然としているシルヴェスを真っ直ぐに見据えた。
その双眸が、ぼうっと赤く怪しい光を宿す。
「カラス仮面の正体は、僕だ」
0
あなたにおすすめの小説
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】まもの牧場へようこそ!~転移先は魔物牧場でした ~-ドラゴンの子育てから始める異世界田舎暮らし-
いっぺいちゃん
ファンタジー
平凡なサラリーマン、相原正人が目を覚ましたのは、
見知らぬ草原に佇むひとつの牧場だった。
そこは、人に捨てられ、行き場を失った魔物の孤児たちが集う場所。
泣き虫の赤子ドラゴン「リュー」。
やんちゃなフェンリルの仔「ギン」。
臆病なユニコーンの仔「フィーネ」。
ぷるぷる働き者のスライム「モチョ」。
彼らを「処分すべき危険種」と呼ぶ声が、王都や冒険者から届く。
けれど正人は誓う。
――この子たちは、ただの“危険”なんかじゃない。
――ここは、家族の居場所だ。
癒やしのスキル【癒やしの手】を頼りに、
命を守り、日々を紡ぎ、
“人と魔物が共に生きる未来”を探していく。
◇
🐉 癒やしと涙と、もふもふと。
――これは、小さな牧場から始まる大きな物語。
――世界に抗いながら、共に暮らすことを選んだ者たちの、優しい日常譚。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる