【R18】ルーシェの苦悩 ~貧乏男爵令嬢は乙女ゲームに気付かない!?~

ウリ坊

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本編

独占欲 ※

 


 二人は晴れて正式な婚約者になった。
 
 クロウド侯爵から絶対に反対されると思っていたが、意外とすんなり了承してもらえた。

 何でも、ウィルソンは昔から酷い女嫌いで、しかも次男のため、生涯独り身を通すつもりだと思っていたらしい。
 ちなみにウィルソンは、自分で伯爵の位をすでに持っている。

 逆に夫妻から感謝されたくらいで拍子抜けしてしまった。

 ルーシェの家にもすぐに婚約の打診をしたが、両親は白目を剥いて倒れ、兄姉はいつまでもウィルソンを疑い、中々信じてもらえなかった。
 まぁ、侯爵家からの婚約を断れるはずもなく、晴れて二人は正式に婚約したのだった。

 ウィルソンとしては婚約して直ぐに婚姻を結びたかったらしいが、ルーシェがそれを諌めた。

 学園を卒業するまでは待ってくれ、と。
 当然ウィルソンは反発する。
 結婚すると、直ぐに家に入らなければならないし、学園も途中で辞めなくてはいけない。
 ずっと憧れてたアルビオン学園を、途中で辞めることは絶対したくなかったのだ。

 ルーシェの頑張りを間近で見てきたウィルソンは、それを言われて強く反対出来なくなる。
 しょうがなくウィルソンが折れた。

 しかし卒業まで待つ代わりに、ウィルソンはルーシェにある条件を出した。

 
 その条件というのが────






「な、な、なっ!い、今……何て言いました?!」

 夜にルーシェの自室を訪ねてきたウィルソン。
 ソファーに座り、膝の上にルーシェを乗せながらとんでもないことを言って除ける。


「出来る限り、朝まで君と過ごしたい」

 その言葉に、ルーシェはゴクリと唾を飲み込んだ。

「あの……朝までって…えっ?その…一緒に寝るだけじゃない…ってことですよね?」

 ダラダラ冷や汗をかきながら恐る恐る聞くルーシェに、ウィルソンは呆れたような顔をしている。

「当然だ。君と一緒に居て、ただ寝るだけで済むと本気で思っているのか?」

 至近距離から軽く睨まれる。
 何を言ってるんだと言わんばかりの言い様だ。

 ようするに、毎日交わりたいと。

(毎日って…そんなにしたら私、死んじゃうよ!)

 ルーシェは赤くなったり青くなったり、忙しく顔色を変えている。

「もっとはっきり言った方がいいか?毎晩君を抱きた──」

「いえ!いいえ!結構です!!」

 ルーシェは顔を真っ赤にして、首を横に振りながらウィルソンの言葉を遮る。

 求められることは嫌ではない。むしろ嬉しい。
 だが、いくら婚約したとはいえ婚姻前だし、途中で子を孕んでしまったら学園も辞めなくてはならない。そうなっては元も子もない。
 たまに中で出された時には避妊薬をもらって飲んでいたが、毎日となるとそうもいかない。

 とりあえずルーシェはウィルソンを説得した。
 毎晩は無理だから、せめて週1、2回にしてくれと。
 頑張って自分の気持ちも伝えた。
 しかしウィルソンは折れなかった。

「君の気持ちも勿論尊重する。しかし、私は常に君と触れ合いたい」
 
 の、一点張り。
 
 それでも頑張って説得したが、次第に雲行きが怪しくなる。

「……そんなに私と身体を重ねるのが嫌なのか?」

 秀麗な顔を曇らせる。
 切なげに眉を下げ、宝石のように美しい薄紫の瞳を悲しげに揺す。
 普段冷たい表現で通しているウィルソンの、その憂いを帯びた顔にルーシェはとても弱い。

 完全な敗北だった。
 こうなってはルーシェの方が折れるしかなかった。

 勿論ルーシェも条件を出す。
 絶対懐妊しないように気をつけること。学園もあるので抱き潰さないこと。見える所に痕を付けないこと。その他思い付く限りのことを伝えた。

 ウィルソンは二つ返事で了承する。
 その時の堪らなく嬉しそうな笑顔が眩しくて、ルーシェは苦笑し、腹を括った。

 
 
 そして、後はもう止まらない。
 
 初めこそ身体を気遣い、1、2度で終わっていたが、次第に回数をこなしていくうちにウィルソンの執着が増していく。
 
 ウィルソンがじっくりたっぷり時間をかけて、身体がどろどろになるまで溶かし、快楽に染めていくことで、ルーシェもしだいに陥落していってしまったのだ。

 


 

 
 


 ◇◇◇◇

 澄み渡った青空の中。仕事中のルーシェは一人不謹慎な事を考えていた。


(ウィル様ってたぶん、絶倫てヤツだよね………私、男の人の事良くわからないけど……みんなあんなに毎日何回もするものなの?)

 前世の事を思えば、嬉しい悲鳴なのだが。

 ウィルソンとの交わりは、抗えない程気持ち良いのだ。
 普段学園では、禁欲的な雰囲気で冷たい表情をしているのに、夜になると途端に甘く妖艶な姿に豹変する。
 誰も知らないであろうウィルソンの変わり様を自分だけが知っているのだと思うと、今まで味わった事のないような優越感が沸いてくる。
 ウィルソンと恋仲になるまでこんな感情はわからなかった。
 

 

 お屋敷の外で洗濯物を干しながら、ルーシェは身体を許してしまった事をほんの少しだけ後悔していた。
 ルーシェも体力はある方だと思っていたが、ウィルソンはそんなルーシェを上回る勢いで求めてくる。

(あの後だって、お風呂に入って…嫌だって言ったのに、あんな…あんなこと……!)


『あっ!いや……そんなの…ムリ……』

『無理じゃないだろ……君のココは、こんなに…悦んでいる』

『あん!…あっ、ぁ……も…ぅ…や……』

『ルー、ほら……』

『ん…できな…い……ひぁ、……あぁ!』



 ルーシェはお風呂の中での、のぼせるような行為を思い出し、洗濯物で真っ赤になった顔を覆った。

 想いを伝え身体の関係を持つようになったウィルソンは、自分の欲望を隠そうともせずルーシェをひたすら求め、たまに無理を強いてくる。
 それが嬉しくもあり、ちょっと困ったことでもある。
 

 
(ダメダメ!きちんと仕事しないと!)



 
 不埒な考えを頭の隅に追いやり、再び手を動かし洗濯を干し始めた。




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