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腹黒さでは私が一番だと思う
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もうさ、こっちはアルファルドに会いたくて会いたくて仕方ないんだよ!
けど、移動魔法を確立させて、色々細かい取り決めをまとめていかないと、アルファルドに会うのに大手を振って帰れないから。
今は誰もいないから、言いたいことも聞きたいことも包み隠さず言えるし。
こういう時に聞いておかないとね!
「聖下、一つ質問なのですが……聖下の魔法とは一体なんなのですか?」
「何、とは?」
「……大公国にいらした際、侍女長から折れた花を元通りにしたとお聞きいたしました。今後のためにも、ぜひ聖下の魔法を拝見したいと思いまして」
ニコリと笑った私に聖王様は嫌な顔しないで、急にテーブルに置いてあったカップを床に落とした。
突然の行動に驚きが隠せなくて、思わず声をかけた。
「っ、 聖下……?」
けど聖下は冷静で、真っ二つに割れたカップをテーブルに置いて、それに向かって手を翳してる。
『復元』
聞いたこともない魔法を唱えたら、真っ二つになったカップが元通りに戻ってた!
「っ! 元に、戻った……?」
「ご覧の通り、私の魔法は全てのものを元通りに戻す魔法です。粉々に砕けたものでも、元通りにすることができます」
全てのものを元通りに?
それって、ものすごいことだと思うんだけど。
色々考えて、聖王様に疑問をぶつけてみた。
「それは……死者を蘇らせることもできる、蘇生魔法ということですか?」
「蘇生、魔法? いえ、違います。元に戻すだけで、死んだものを生き返らすことはできません。あくまで元々あったものを、また同じ状態に戻す……それだけです」
うーん……、そうか。
折れた花が元に戻ったのは、その花を元の状態に戻しただけで、蘇ったわけじゃない。
ようするに、怪我や病気で亡くなった人を元々の状態に戻すことはできるけど、魂を戻すとか死人が蘇るわけじゃなくて、身体の状態を元に戻すだけってことか。
てことは――
「これは私の推測ですが……、もしかして歴代の聖王聖下には、天使の血が流れていますか?」
「――ッ!! ど、どうして、そう思うのですか……?」
明らかに動揺してる聖王様。てことは、私の読みは正しかったってことみたいだね。
「私がアルタイル帝国の聖戦で天使と戦った際に、似たような魔法を使っていたのを思い出したからです」
「なっ……! それは、どんな魔法でしたか?!」
「傷付いた自らの肉体を元に戻す、かなり厄介な魔法でした。その魔法で何度も肉体を再生させられ、かなり苦戦を強いられました。……ただ、斬られた部分が消滅してしまうと、元には戻せないものでしたね」
「――そう、ですか……」
一言呟いた聖下はそのまま黙っちゃった。
それからしばらく考えてて、ものすご~く深いため息を吐いてる。
「シリウス様ですから、お話しいたしますが…………」
だいぶ溜めてから聖下が口を開いた。
「実は、シリウス様の仰る通り……我がジュピター神聖国にはわずかながら、天使の血が受け継がれています」
やっぱり。
聖王様の容姿もそうだけど、エルフっぽいのも天使の血が流れてるからだったのか。
羽根とかはないけど、神聖な国だけに納得だよね。ファンタジー系のゲームとか小説だとよくある設定だし。
別に驚きもしないのに、これって超極秘事項だったみたい。
「やはりそうなのですね。もちろん他言はしません。聖下が信じられなければ魔法誓約しても構いません」
「いえ……シリウス様ですから、申し上げました。シリウス様からも同じ匂いを感じましたので……」
「ハハッ、私は聖下が思っているような、高貴な血筋ではありません――ただ私は、人より知っていることが多いだけですから」
ニコリと微笑んで聖王様を見た。
デネボラとかアヌは私を見て『超越者』とか言ってたけど、そんな記憶は全くないし。
私は転生者だから、チート的な能力があるだけだと思ってるんだけどな。
「――承知いたしました。では、そういうことにしておきましょう」
かなり含みのある言い方だね。
信じてない感じだけど、変に勘ぐられるより思わせておいたほうがいいのかな?
「ひとまずこの話はさておき、移動魔法の扱いについて話し合いましょう。移動魔法の権限はジュピター神聖国にありますから」
「移動魔法の解読と発動をなさったのはシリウス様なのですから、その権限は両国にあるべきだと思います」
まぁ、確かに移動魔法を使って流通を栄えさせれば莫大に金額が手に入れられると思うよ。
通行料とか入国料とか何割かでも大元が徴収しちゃえば、すごいことになると思うけどさ。
そこに食指は動かないんだよね~。
ポーションの時と一緒で、ただ説明通りに作っただけのものって正直どうでもいいんだ。
別の目的があってやっただけだし。なんて説明すればいいんだろう……自分が考えて開発したわけじゃないからさ。
言葉にするのが難しいんだけどね。
「わかりました。では、移動魔法の主導権はジュピター神聖国にお譲りします。そして協力者として我が国の名を上げていただければ十分です」
「協力者、それだけでよろしいのですか?」
「えぇ。それだけ世に知らしめれば、ドラコニス大公国を護る盾になるでしょう。そしてジュピター神聖国と友好関係になったことも発表してもらい、周知の事実となればなおさらです」
まだできて一年足らずの国が脅威になるってわかれば、他国の目に留まりかねない。
ただでさえ私っていう目立つ存在がいるのに、これ以上力を見せつけてさらに目立つことはよくないよね。
今の段階でジュピター神聖国の協力と、アルタイル帝国の全騎士団を動かせる私の権限があれば、他国が攻めてきてもドラコニス大公国を十分護ることができるから。
けど、移動魔法を確立させて、色々細かい取り決めをまとめていかないと、アルファルドに会うのに大手を振って帰れないから。
今は誰もいないから、言いたいことも聞きたいことも包み隠さず言えるし。
こういう時に聞いておかないとね!
「聖下、一つ質問なのですが……聖下の魔法とは一体なんなのですか?」
「何、とは?」
「……大公国にいらした際、侍女長から折れた花を元通りにしたとお聞きいたしました。今後のためにも、ぜひ聖下の魔法を拝見したいと思いまして」
ニコリと笑った私に聖王様は嫌な顔しないで、急にテーブルに置いてあったカップを床に落とした。
突然の行動に驚きが隠せなくて、思わず声をかけた。
「っ、 聖下……?」
けど聖下は冷静で、真っ二つに割れたカップをテーブルに置いて、それに向かって手を翳してる。
『復元』
聞いたこともない魔法を唱えたら、真っ二つになったカップが元通りに戻ってた!
「っ! 元に、戻った……?」
「ご覧の通り、私の魔法は全てのものを元通りに戻す魔法です。粉々に砕けたものでも、元通りにすることができます」
全てのものを元通りに?
それって、ものすごいことだと思うんだけど。
色々考えて、聖王様に疑問をぶつけてみた。
「それは……死者を蘇らせることもできる、蘇生魔法ということですか?」
「蘇生、魔法? いえ、違います。元に戻すだけで、死んだものを生き返らすことはできません。あくまで元々あったものを、また同じ状態に戻す……それだけです」
うーん……、そうか。
折れた花が元に戻ったのは、その花を元の状態に戻しただけで、蘇ったわけじゃない。
ようするに、怪我や病気で亡くなった人を元々の状態に戻すことはできるけど、魂を戻すとか死人が蘇るわけじゃなくて、身体の状態を元に戻すだけってことか。
てことは――
「これは私の推測ですが……、もしかして歴代の聖王聖下には、天使の血が流れていますか?」
「――ッ!! ど、どうして、そう思うのですか……?」
明らかに動揺してる聖王様。てことは、私の読みは正しかったってことみたいだね。
「私がアルタイル帝国の聖戦で天使と戦った際に、似たような魔法を使っていたのを思い出したからです」
「なっ……! それは、どんな魔法でしたか?!」
「傷付いた自らの肉体を元に戻す、かなり厄介な魔法でした。その魔法で何度も肉体を再生させられ、かなり苦戦を強いられました。……ただ、斬られた部分が消滅してしまうと、元には戻せないものでしたね」
「――そう、ですか……」
一言呟いた聖下はそのまま黙っちゃった。
それからしばらく考えてて、ものすご~く深いため息を吐いてる。
「シリウス様ですから、お話しいたしますが…………」
だいぶ溜めてから聖下が口を開いた。
「実は、シリウス様の仰る通り……我がジュピター神聖国にはわずかながら、天使の血が受け継がれています」
やっぱり。
聖王様の容姿もそうだけど、エルフっぽいのも天使の血が流れてるからだったのか。
羽根とかはないけど、神聖な国だけに納得だよね。ファンタジー系のゲームとか小説だとよくある設定だし。
別に驚きもしないのに、これって超極秘事項だったみたい。
「やはりそうなのですね。もちろん他言はしません。聖下が信じられなければ魔法誓約しても構いません」
「いえ……シリウス様ですから、申し上げました。シリウス様からも同じ匂いを感じましたので……」
「ハハッ、私は聖下が思っているような、高貴な血筋ではありません――ただ私は、人より知っていることが多いだけですから」
ニコリと微笑んで聖王様を見た。
デネボラとかアヌは私を見て『超越者』とか言ってたけど、そんな記憶は全くないし。
私は転生者だから、チート的な能力があるだけだと思ってるんだけどな。
「――承知いたしました。では、そういうことにしておきましょう」
かなり含みのある言い方だね。
信じてない感じだけど、変に勘ぐられるより思わせておいたほうがいいのかな?
「ひとまずこの話はさておき、移動魔法の扱いについて話し合いましょう。移動魔法の権限はジュピター神聖国にありますから」
「移動魔法の解読と発動をなさったのはシリウス様なのですから、その権限は両国にあるべきだと思います」
まぁ、確かに移動魔法を使って流通を栄えさせれば莫大に金額が手に入れられると思うよ。
通行料とか入国料とか何割かでも大元が徴収しちゃえば、すごいことになると思うけどさ。
そこに食指は動かないんだよね~。
ポーションの時と一緒で、ただ説明通りに作っただけのものって正直どうでもいいんだ。
別の目的があってやっただけだし。なんて説明すればいいんだろう……自分が考えて開発したわけじゃないからさ。
言葉にするのが難しいんだけどね。
「わかりました。では、移動魔法の主導権はジュピター神聖国にお譲りします。そして協力者として我が国の名を上げていただければ十分です」
「協力者、それだけでよろしいのですか?」
「えぇ。それだけ世に知らしめれば、ドラコニス大公国を護る盾になるでしょう。そしてジュピター神聖国と友好関係になったことも発表してもらい、周知の事実となればなおさらです」
まだできて一年足らずの国が脅威になるってわかれば、他国の目に留まりかねない。
ただでさえ私っていう目立つ存在がいるのに、これ以上力を見せつけてさらに目立つことはよくないよね。
今の段階でジュピター神聖国の協力と、アルタイル帝国の全騎士団を動かせる私の権限があれば、他国が攻めてきてもドラコニス大公国を十分護ることができるから。
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更新ありがとうございます
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課金できれば課金できれば応援できるのに…
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カナリア様!
感想ありがとうございます!
久しぶりに感想いただけて、嬉しい限りです♡(^^)
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