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第4話 兄は禁忌を犯す
妹の真波の命の蝋燭には、今にも燃え尽きそうな小さな炎が、チロチロと燃えて揺れている。蝋が溶けて崩れ、もはや蝋燭の形を保ってすらいなかった…。
俺は急いで、自分の名前が書かれた蝋燭を探し出した。だが俺のは、細くて短めの蝋燭だった。
俺の寿命の半分を妹に譲渡しても、あまり寿命が増えないんじゃ…?
俺は急に不安に襲われた。
「クソッ、なんで半分しか譲渡できないんだよ!」
焦って悪態をつく俺の目に、大きな炎が揺らめく立派な蝋燭が目に入った。
「大きな蝋燭だな、きっと健康で長い寿命があるんだろうな…」
太くて長い蝋燭に生命力溢れる大きな炎が煌々と輝くのを、俺は羨ましそうに見つめた。
ふと俺の心に悪い感情が芽生える。
『もし、この蝋燭の寿命を半分、妹に譲渡できたら?』
ごくりと生唾を飲み込む音が、狭い祠の中に一際大きく響く。
「ははっ、まさかな。どうせ他人の蝋燭には触れないとか言うオチだろ?」
俺は苦笑いして、生命力に満ちた大きな蝋燭に恐る恐る手を伸ばす。すると以外にも、蝋燭は燭台から簡単に手に取ることができた。
大きな蝋燭の前には、金色の光の粒子で書かれた「羽柴栄三郎」という名前。その名前の文字がキラキラと空中に揺れている。
俺はいけないと思いながら、右手に握ったその蝋燭を燭台に返すことができずにいた…。
「栄三郎なんて爺さんの名前だよな。こんなに寿命があるなら、少しぐらい貰っても大丈夫だよな…?」
俺は自分に言い聞かせるように呟く。そして震える手で、その大きな蝋燭から、今にも消えそうな妹の蝋燭へと炎を移した。すると妹の蝋燭は長さが伸び、炎も大きくなり元気に揺れ始めた。
「やった! 他人の寿命でも譲渡できるんじゃないか」
俺は歓喜して叫んだ。
「これで真波は助かっ…」
ホッとして、そう言いかけた瞬間。パリーンとガラスが割れるような音がして、あたり一面が真っ暗になった。
『愚かな人間、禁忌やぶった。代償は己で払うがいい!』
百々神鬼様の怒りに満ちた声が、暗闇に響く。
突然、酷い頭痛がして、俺は両手で頭を抱えてのた打ち回るように蹲る。
真っ暗闇の中に倒れる俺。俺の頭を噛む鋭い牙の感覚と激痛に、俺の意識はそこでブラックアウトした。
妹の代わりに俺が死ぬのかな?…でも真波が助かるなら、それでもいいや…
俺は苦しみで薄れゆく意識の中で、ぼんやりとそんなことを考えていた。
俺は急いで、自分の名前が書かれた蝋燭を探し出した。だが俺のは、細くて短めの蝋燭だった。
俺の寿命の半分を妹に譲渡しても、あまり寿命が増えないんじゃ…?
俺は急に不安に襲われた。
「クソッ、なんで半分しか譲渡できないんだよ!」
焦って悪態をつく俺の目に、大きな炎が揺らめく立派な蝋燭が目に入った。
「大きな蝋燭だな、きっと健康で長い寿命があるんだろうな…」
太くて長い蝋燭に生命力溢れる大きな炎が煌々と輝くのを、俺は羨ましそうに見つめた。
ふと俺の心に悪い感情が芽生える。
『もし、この蝋燭の寿命を半分、妹に譲渡できたら?』
ごくりと生唾を飲み込む音が、狭い祠の中に一際大きく響く。
「ははっ、まさかな。どうせ他人の蝋燭には触れないとか言うオチだろ?」
俺は苦笑いして、生命力に満ちた大きな蝋燭に恐る恐る手を伸ばす。すると以外にも、蝋燭は燭台から簡単に手に取ることができた。
大きな蝋燭の前には、金色の光の粒子で書かれた「羽柴栄三郎」という名前。その名前の文字がキラキラと空中に揺れている。
俺はいけないと思いながら、右手に握ったその蝋燭を燭台に返すことができずにいた…。
「栄三郎なんて爺さんの名前だよな。こんなに寿命があるなら、少しぐらい貰っても大丈夫だよな…?」
俺は自分に言い聞かせるように呟く。そして震える手で、その大きな蝋燭から、今にも消えそうな妹の蝋燭へと炎を移した。すると妹の蝋燭は長さが伸び、炎も大きくなり元気に揺れ始めた。
「やった! 他人の寿命でも譲渡できるんじゃないか」
俺は歓喜して叫んだ。
「これで真波は助かっ…」
ホッとして、そう言いかけた瞬間。パリーンとガラスが割れるような音がして、あたり一面が真っ暗になった。
『愚かな人間、禁忌やぶった。代償は己で払うがいい!』
百々神鬼様の怒りに満ちた声が、暗闇に響く。
突然、酷い頭痛がして、俺は両手で頭を抱えてのた打ち回るように蹲る。
真っ暗闇の中に倒れる俺。俺の頭を噛む鋭い牙の感覚と激痛に、俺の意識はそこでブラックアウトした。
妹の代わりに俺が死ぬのかな?…でも真波が助かるなら、それでもいいや…
俺は苦しみで薄れゆく意識の中で、ぼんやりとそんなことを考えていた。
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