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第5話 思いもよらない禁忌の代償
目を覚ますと、俺は東京の自宅の自分の部屋にいた。
地方にある廃神社に行ったはずなのに? どうやって帰って来たのかまるで記憶がない。
「あれ? 俺は死んでいないのか…?」
ベットから身体を起こし動かすが、どこも痛くない。確かに噛まれた感覚があったはずなのに…。不審に思い身体を確かめるが、頭にも傷は見当たらない。指先に血が止まった傷跡があるだけだ。
カレンダーを見ると日付は、廃神社に行った日の翌日の日曜になっていた。
「一体どうなってるんだ…?」
わけがわからず一階のリビングに降りて行く俺。
「あれ? 母さん病院は?」
「おはよう湊、病院って何のこと?」
日曜に母が家にいるのを不思議に思い、俺は思わず声をかける。
すると、不思議そうな顔になる母さん。
「何って、真波の見舞いだろ。俺も午後から行くから」
「病院? 真波って誰?」
「母さん…!?」
俺は母の態度にギクリとする。
「おっ湊、日曜なのに今日は早起きだな。久しぶりに父さんと出かけるか」
すると、そこへ眠そうに目を擦りながら父さんが起きてきた。
「何いってんだよ父さん、週末はいつも妹の真波の見舞いに家族で行って…」
俺は膨れあがる嫌な予感を抑えながら、青ざめる顔で父のほうを振り返る。
「妹の真波? なんだ寝ぼけているのか湊? お前は一人っ子じゃないか」
父さんの言葉に、俺の身体から血の気がザァッと引いていく。
「俺の妹の真波だよ! 伯母さんが病気で亡くなって、女の子の赤ちゃんを引き取っただろ? なんで忘れてんだよ!?」
俺は涙目で声を荒げた。そんな俺を困惑した顔で見つめる両親。
「確かに母さんの姉さんは難病だったわ。でも病気を苦に失踪して消息不明なのよ。恐らくもう…」
口ごもる母を尻目に、俺は二階の妹の部屋に駆け上がった。だがそこはがらんとして空き部屋になっていて、何もなくなっていた!?。
病院に学校、妹の友達、一日中走り回って、必死で妹の痕跡を探した。だが妹はどこにもいなかった。俺の知る歴史の一部が変わってしまい、この世界から妹が存在した痕跡ごと消えてしまっていたのだ。
「…罪を犯したのは俺なのに、真波がこの世界から消されるなんて…そんなのおかしいだろ!?」
俺は妹と学校に通った通学路にへたり込み、狂ったように拳を何度もアスファルトに打ち付け、泣き叫んだ。涙と手から滴り落ちた血が、アスファルトを濡らす。
突然、背後からザワザワと虫が蠢く不快な音がした。振り返るとそこには百々神鬼様がいた。
「お願い…だから…俺の妹を返してくれよ…! 俺の命と交換してくれ」
百々神鬼様に、俺は必死で縋りつく。
「寿命の譲渡は一度だけ、お前の妹はもうこの世の何処にもいない」
地面の血をぴちゃぴちゃと舐めながら、無情に答える百々神鬼様。
「お前の血は美味、殺すの惜しい」
百々神鬼様はそれだけ言うと、すぅっと掻き消すようにその場から消えた。
「真波…」
俺は力なく地べたに蹲り、大声で泣いた。
俺が行った最低な行為のせいで、この日、俺は妹を失った。そして好きだと告げることもできないまま、愛する女の子を永遠に失ってしまったのだ…
地方にある廃神社に行ったはずなのに? どうやって帰って来たのかまるで記憶がない。
「あれ? 俺は死んでいないのか…?」
ベットから身体を起こし動かすが、どこも痛くない。確かに噛まれた感覚があったはずなのに…。不審に思い身体を確かめるが、頭にも傷は見当たらない。指先に血が止まった傷跡があるだけだ。
カレンダーを見ると日付は、廃神社に行った日の翌日の日曜になっていた。
「一体どうなってるんだ…?」
わけがわからず一階のリビングに降りて行く俺。
「あれ? 母さん病院は?」
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すると、不思議そうな顔になる母さん。
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すると、そこへ眠そうに目を擦りながら父さんが起きてきた。
「何いってんだよ父さん、週末はいつも妹の真波の見舞いに家族で行って…」
俺は膨れあがる嫌な予感を抑えながら、青ざめる顔で父のほうを振り返る。
「妹の真波? なんだ寝ぼけているのか湊? お前は一人っ子じゃないか」
父さんの言葉に、俺の身体から血の気がザァッと引いていく。
「俺の妹の真波だよ! 伯母さんが病気で亡くなって、女の子の赤ちゃんを引き取っただろ? なんで忘れてんだよ!?」
俺は涙目で声を荒げた。そんな俺を困惑した顔で見つめる両親。
「確かに母さんの姉さんは難病だったわ。でも病気を苦に失踪して消息不明なのよ。恐らくもう…」
口ごもる母を尻目に、俺は二階の妹の部屋に駆け上がった。だがそこはがらんとして空き部屋になっていて、何もなくなっていた!?。
病院に学校、妹の友達、一日中走り回って、必死で妹の痕跡を探した。だが妹はどこにもいなかった。俺の知る歴史の一部が変わってしまい、この世界から妹が存在した痕跡ごと消えてしまっていたのだ。
「…罪を犯したのは俺なのに、真波がこの世界から消されるなんて…そんなのおかしいだろ!?」
俺は妹と学校に通った通学路にへたり込み、狂ったように拳を何度もアスファルトに打ち付け、泣き叫んだ。涙と手から滴り落ちた血が、アスファルトを濡らす。
突然、背後からザワザワと虫が蠢く不快な音がした。振り返るとそこには百々神鬼様がいた。
「お願い…だから…俺の妹を返してくれよ…! 俺の命と交換してくれ」
百々神鬼様に、俺は必死で縋りつく。
「寿命の譲渡は一度だけ、お前の妹はもうこの世の何処にもいない」
地面の血をぴちゃぴちゃと舐めながら、無情に答える百々神鬼様。
「お前の血は美味、殺すの惜しい」
百々神鬼様はそれだけ言うと、すぅっと掻き消すようにその場から消えた。
「真波…」
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