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第6話 出会い
あれから5年の月日が流れ、俺は大学2年生になった。
妹を取り返す方法を寝食も忘れ調べてきたが、方法は一向に見つかっていない…。
あの後、廃神社にもう一度行こうと何度も山頂を目指した。だが俺が廃神社に辿り着くことは、二度と無かった。あれ以来、百々神鬼様に会うことはできないままだ…。
日に日に靄がかかったように、祠での記憶が薄れていく。
「忘れたくない、忘れるもんか!」
俺は妹の記憶まで奪われないように、色が変わるほど強く自分の拳を握りしめる。
今日は大学の合格発表の日だが、民俗学の教授に頼まれて雑用係をしている。合格者の名前が張り出されている掲示板の前は、もう人も疎らだ。
「あの、コレ落としましたよ」
そろそろ掲示版を片付けようかと待機していた俺は、背後から声をかけられた。
大学の合格発表を見に来た子だろうか?
俯いてボールペンを差し出す高校生ぐらいの女の子が、俺の後ろに立っていた。
「ああ、すみません、ありが…」
ボールペンを受け取り、お礼を言いかけて俺はフリーズした。そこには少し成長した姿の妹が立っていたからだ。
「真波…!?」
俺は思わず妹の名前を呟いた。
「そうですけど、どうして私の名前を、あのどこかでお会いしましたか?」
真波と名乗った女の子は、肌艶もよく見るからに健康そうに見えた。
「君…、名前は!?」
『妹の真波によく似た別人?』そう思いながらも、俺は期待を捨てきれず。気づけば、女の子の両肩を掴んで強く揺すぶっていた。
「羽柴真波ですけど」
困惑したように、答える女の子。
俺の脳裏にその瞬間、金色の光の粒子で空中に書かれた、「羽柴栄三郎」という名前が浮かんだ。
俺が妹のために、命の蝋燭の寿命の半分を奪った、あの蝋燭の持ち主の名前だった。
なぜこれまで、こんな大事な記憶を忘れていたんだ…!?
「羽柴栄三郎…」
俺は動揺してしまい思わず、その名を口走っていた。
「羽柴栄三郎は祖父ですけど、お爺ちゃんの知り合いの方ですか?」
「君が…、羽柴栄三郎の孫だと!?」
俺が驚いて尋ねると、真波と名乗った女の子は、少し戸惑ったように説明をしてくれた。
「あっ…血は繋がっていないんです、祖父は独身ですし。昔、瀕死の母を見つけて助けてくれたのがお爺ちゃんなんです。母は私を産んですぐ亡くなってしまったそうですが、祖父がわたしを育ててくれました」
「さっき電話で合格を伝えたら、すごく喜んでくれました。大好きなお爺ちゃんなんです」
それを聞いた瞬間、俺はハッとした。
妹を取り返す方法を寝食も忘れ調べてきたが、方法は一向に見つかっていない…。
あの後、廃神社にもう一度行こうと何度も山頂を目指した。だが俺が廃神社に辿り着くことは、二度と無かった。あれ以来、百々神鬼様に会うことはできないままだ…。
日に日に靄がかかったように、祠での記憶が薄れていく。
「忘れたくない、忘れるもんか!」
俺は妹の記憶まで奪われないように、色が変わるほど強く自分の拳を握りしめる。
今日は大学の合格発表の日だが、民俗学の教授に頼まれて雑用係をしている。合格者の名前が張り出されている掲示板の前は、もう人も疎らだ。
「あの、コレ落としましたよ」
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「ああ、すみません、ありが…」
ボールペンを受け取り、お礼を言いかけて俺はフリーズした。そこには少し成長した姿の妹が立っていたからだ。
「真波…!?」
俺は思わず妹の名前を呟いた。
「そうですけど、どうして私の名前を、あのどこかでお会いしましたか?」
真波と名乗った女の子は、肌艶もよく見るからに健康そうに見えた。
「君…、名前は!?」
『妹の真波によく似た別人?』そう思いながらも、俺は期待を捨てきれず。気づけば、女の子の両肩を掴んで強く揺すぶっていた。
「羽柴真波ですけど」
困惑したように、答える女の子。
俺の脳裏にその瞬間、金色の光の粒子で空中に書かれた、「羽柴栄三郎」という名前が浮かんだ。
俺が妹のために、命の蝋燭の寿命の半分を奪った、あの蝋燭の持ち主の名前だった。
なぜこれまで、こんな大事な記憶を忘れていたんだ…!?
「羽柴栄三郎…」
俺は動揺してしまい思わず、その名を口走っていた。
「羽柴栄三郎は祖父ですけど、お爺ちゃんの知り合いの方ですか?」
「君が…、羽柴栄三郎の孫だと!?」
俺が驚いて尋ねると、真波と名乗った女の子は、少し戸惑ったように説明をしてくれた。
「あっ…血は繋がっていないんです、祖父は独身ですし。昔、瀕死の母を見つけて助けてくれたのがお爺ちゃんなんです。母は私を産んですぐ亡くなってしまったそうですが、祖父がわたしを育ててくれました」
「さっき電話で合格を伝えたら、すごく喜んでくれました。大好きなお爺ちゃんなんです」
それを聞いた瞬間、俺はハッとした。
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