JKドラゴンの異世界転生物語

序章

JKは虐めで死にました！？

「アンタってさぁ！本当キモいよねっ！！」


　私の名は『千先ちさき　千冬ちふゆ』どこにでもいる普通の女子高生JKだ。クラスメイトから虐めを受けている。髪引っ張られるわ、教科書は破かれるわ、携帯はぶっ壊されるわ、虐めでよくある光景である。クラスメイト全員は助けるどころか、皆んな笑って私の公開処刑を楽しんでいる。どうやら此奴等にとって私は、よっぽど醜い存在らしい。


「ほら藤村さん。ホームルーム始めるわよ。」


　当然、担任の先生は見て見ぬふりだ。注意するのが怖いのか、クラスメイトの暴挙すら止めなかった。よく教師をクビにならないな。


「よかったな、先生が止めてくれてよッ！！」


　私の頭は机に思いっきり叩きつけられた。痛くない訳じゃない。けど悔しくは無かったし、惨めでも無かった。どうでも良くなっていたのだ。それ程までに私の心はもう壊れていたのだ。


　それからしばらくして私達は修学旅行に行く事になった。その最終日で、山中にある道を歩いていた。ただ列の最後尾に私、そして藤村とその取り巻きの二人だった。


「オラ！暴れるんじゃないよ！」


　当然、どうなるかはわかっていた。私達が歩いている山道は崖になっていて、しかも落ちたら間違いなく死ぬ高さだった。藤村達は私を持ち上げて崖から落とそうとしていたのだ。「せーの！」と言う藤村達の合図で私は落とされた。


「ねえ、ちょっとやり過ぎたんじゃない？」


「ヤバくない！？アイツそのまま落ちたよ！！」


「何も見てない！何もやってない！アイツは途中で逸れた！そう言う事にするよ。」


　藤村と後の二人は自分達のやった事を恐れたのか、冷や汗を流しながらもその場を立ち去った。その後、どうなったかは私は知らない。


　そんな私は勿論死んでしまった。だが不思議と後悔はしていないし未練も無い。多分心の奥底から願っていたのかもしれない。そう考えると滑稽にも思えてきた。でもようやくあんな連中から解放されるんだ。つまらない現実世界から自由になれたんだ。後は天国で療養して、もう一度転生して一からやり直そう。そんな事を考えていたが、人生そう甘くは無かった。