そうだ。奴隷を買おう

霖空

文字の大きさ
34 / 51

調達(暢達)2

しおりを挟む
「まあ、落ち着こう」
「落ち着いてますよ!」

 声を荒げてる時点で、明らかに落ち着いてないんだよなあ。
 取り敢えず、無駄な事を言うのは逆効果か、とさっさと本題に入る。

「髪の毛の問題は解決した。それに異論はないだろ?」
「……そうですね。然し、主様は女性です。そこは如何なさるおつもりで?」

 ムスッとしたまま答える。そんなこと聞かずとも、もう結論は出てるような物だろうに。

「そこは問題ない。ヤニックから服を借りれば、何とかなるだろう」
「……いえ、流石に男性には、見えないかと」
「別に男性になろうとはしていない。ただ、女でなければいいなら、少年でも構わんだろう」
「くっ……いや、しかし」

 なおも何かを言おうとするフェデルに、畳みかける。

「確かにそれだけでは不安だろう。そこで一つ考えた。私がヤニックの服を着る。そして、お前は敢えて自分用の、明らかに質のいい服を着る。そうすれば、我々を見た誘拐犯は、必ずお前を狙ってくるはずだ」
「そうでしょうか……?」

 訝しんでいるのが、目だけで分かる。それはもう一目瞭然だと思うんだがなあ。どうも無自覚らしい。同意を求めるために、ヤニックを見ると、彼も頷く。

「確かに。今まで見た中で言いますが、フェデル様の仕草は、何というか……、何をしていても、こう、やっぱり上流階級の方だなあ。と思わされるものでした。然し、ギボ様は……ええと、親しみを感じると言いますか……何といいますか……」

 ヤニックが言いにくそうだったので、手で制する。助けを求めておいて、流石にフォローしない訳にもいかないからな。フェデルの前では言いにくいのも分かる。こういうのは自分で言った方が良いのだろう。

「まあ、私は貴族生まれと言う訳でもないから、普通に市井に混ざれる、と言う訳だ」
「そ、そうなんですか……?」

 動揺半分、疑い半分。と言ったところだろう。未だに納得は出来ないが、二人から言われたことで、少し自信を無くしたらしい。

「因みに、どんな所を見て、そう思ったのですか?」

 フェデルの切実そうな声に、我々は顔を見合わせる。
 どこ……と言われてもなあ。聞くからには、直したいと思っているのかもしれないが、言ったところで治らない事のような気もする。それ以前に、具体的にどこ、と言うのも難しいのだが。

「……うーん。全体的に、ですかね。特にこの場面。と思ったことはないです」

 誰も話さないのを、気まずいと思ったのだろう、耐えきれなくなったヤニックがおずおず言う。

「全体的……」

 そんな言葉に、怒るでもなく、問いただすでもなく、弱弱しく鸚鵡返しをするフェデル。何だか可哀そうに思えてきた。

「まあ、動作が綺麗だからと言って、気にすることはないだろう。別に今の所、損がある訳でもない」
「主様は、何処が悪いと思いますか……?」

 此方の話も聞かずに、縋りつくような目で見られた。
 いや……悪いなんて一言も言ってないのだが……。まあ、この状態に何か言っても無駄だろうと、聞かれた事だけに素直に答える。

「良く分からんが、動作が丁寧すぎるんじゃないか」
「なるほど……」

 適当なアドバイスに、感心されても困るんだがなあ……。

「別に、動作が丁寧だのなんだのってのは、そこまで気にしなくてもいいだろう。と言うか寧ろ、誉め言葉として受け止められるものだと思ったが」
「何を言いますか!主より、動作が綺麗と言われて喜ぶ執事なんていません!」

 お、おう。
 まあ、言われてみればその通りなのだが、実際、自分に言われると、猛烈に文句を言いたくなる。

「だからと言って、レベル低い方に合わせるのは、あまり良くないのでは?向上心が足りない」
「……では、主様が、貴族らしい動作を身に着けてくれる、と言う事ですか?」
「いや?そんな面倒なことする訳ないだろう?」

 期待の目線を向けてきたフェデルを、ばっさり切り捨てると、切り捨てられた本人だけではなく、ヤニックまでもが、ちょっと引いた顔をしていた。

「では、どうしろと、言うのですか?」
「さっきから、そのままでいい、って言ってるだろ?」
「しかし……」
「もともと我々は、公の場に出てないし、出る予定もない。そんな中、見られ方が、どうこう、は気にする必要があるのか?それよりも、街に出た時に、敵を惑わせられるほうが、現状は利益と言えるんじゃないか?」

 彼は、暫く、むむむ、と唸っていたが、やがては、納得したように、頷いた。

「確かにそうですね。然し、貴族の前に顔を出すことになったら、きちんとマナーは学んでくれますよね?」

 にっこり。と満面の笑みを、向けられる。ノーとは言わせない、みたいな圧力も感じられた。
 そんなことに屈する私ではないが。

「まあ、そうだな。その時に、私が必要と思ったら考えよう」

 多分ないと思うけど。
 フェデルは、不満そうにしていたが、取り敢えずは、納得してくれたようだった。
 ヤニックも、『それでいいのかよ』みたいな表情をしていたが、見なかったことにする。


 ♱

「くうぅっ!久々の娑婆だぜー!」

 流石に、両腕を上げて、ガッツポーズまではしなかったが、何となく言ってみる。

「そんなに、外に出たかったなら、言ってくれれば、いくらでもお供しましたが……?」

 困惑気味に、こちらを見られる。この発狂具合の原因を、外に出たかった所為だ、と思いたいらしいが、全くそんなことはない。いい加減、訳もなく、突然変なことを言い出す奴なのだと、理解しろ。私の執事を名乗ってるなら、尚更だ。

「外に出たかったら、お前に何か言うまでもなく、勝手に出ている」
「……さいですか」

 呆れられてしまったのか、フェデルは、それだけ言って歩き出そうとする。

「ちょっと待て」

 言った瞬間、足を宙に浮かせた状態で、静止したのには、笑った。というか、呆れた。
 いや、達磨さんが転んだ、してる訳じゃないんだから、そこまで厳密に止まらなくても、怒らないんだわ……。まあ、そのままの方が面白いから、敢えて何も言わんが。

「街に出る前に、設定をきちんとしておこう」
「設定……、ですか?」

 そう。設定だ。
 別に一人でやる分には、そんなもの必要ないんだが、今回は二人だからな。打ち合わせは重要だろう。ヤニックの反応を見るに、杞憂な気はするが……。まあ、用心するに越したことはないしな。

「そう。我々は、母親の手伝いをしている平民の兄弟。私が弟で、お前が兄だな」

 私が、の所で、自分を指し、お前が、の所で、フェデルを指す。
 顔だけをこちらに向けていた、フェデルは、浮かせていた足を地面につけ、此方に戻ってきた。待てっつったのに。まあ、戻るな、とは言ってないが。

「主様が弟なんですか?」
「逆だと、どう見ても可笑しいだろ」
「……なら、せめて、兄弟と言うのは辞めません……?」
「いや、別に辞めてもいいが、兄弟以外で一緒に買い物に行く関係性を考えるのが、面倒くさくないか?」
「それでもです。お願いします……」

 ……面倒くさい。変えろと言うなら、自分で考えろ。
 と言いたかったが、少し考えてみる。
 何故、ここまで兄弟を拒否するか、と言う事だが、多分、兄弟なのが嫌なわけではない。立ち位置が、自分より私が下なのが嫌なのだろう……。これが、私が兄だ、と言ったのなら、恐らく反対しなかったことだろう。
 分かりやすいのは、良いことだが、もう少し融通が利くようになって欲しい。

「言っておくが、関係性が変わっても、お前を上の立場にすることは変わらないからな」
「な、何故ですか!」
「……いや、見た目的に特殊な設定になるのと、裏設定でも、お前の方が偉い事にしたいんだから、裏そのままの関係性を持ってきた方が、自然だろう」
「ぬ……」
「特殊な設定だと、人に覚えられやすくなるしな。お前の我儘と、私の安全。どちらが大事か比べるまでもないだろう?」

 ……と言いつつ、危険に関しては、男装して勇者だとバレなければ、大丈夫だとは思うが。フェデルはそうは思ってないようなので。
 先の言葉が、最後の後押しになったらしく、フェデルは渋々了承してくれた。


「そんじゃ、にーちゃんだな。よろしく」

 ニカッと笑って見せると、何か言いたげな表情を向けられる。
 然し、何を言っても無駄だと悟ったのか、深いため息を吐いた。

 少し歩くと、何だか賑わっている道路に出た。建物をよく見てみると、看板が出ている。どうやら、店のようだ。……と同時に冷ややかな視線も感じる。

「ここが、城前通り……、主に貴族たちが買い物をする場所ですね」

 お上りさんの如く、キョロキョロしている私が気になったのか、小声で教えてくれた。……別に服装は平民なのだから、キョロキョロしたって可笑しくはない。寧ろ自然な筈だが。

「取り敢えず敬語をやめろ」

 此方も同じく小声で返す。
 小声で話したことは評価するが、私が弟と言う設定を聞いておきながら、敬語で話すのは、咎めざるを得ないだろう。小声だからいい、という話ではない。他の人に聞かれていたら、妙に思われるではないか。

「分かりま……分かった」

 特に抵抗を見せることもなく、神妙な顔で頷く。説得が効いているのだろう。
 まあ、本人が納得しているからと言って、完璧に敬語なしで話せるとは限らないんだがな。普段から、敬語しか使ってなさそうで、ポロっとミスをしても、可笑しくはない。だから本来なら、あまり、喋らせない様に、サポートをした方が良いのだろうが……まあ、そんなことは知らん。面倒だから却下で。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...