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調達(暢達)9
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……駄目か。こんなに一緒に行くのを嫌がってるんだから、少しくらい譲歩してくれてもいいだろうに……。
ってこれは相手も思ってそうだな。寧ろ、いつも無理を通すのはこっちなのだから、今回は譲歩するべきではあるんだろうな。一応、執事と主人?と言う関係性だし、フェデルはそれを遵守しようと、してるのだろうから、今回は、余程嫌だったんろうな、と言う事が分かるし。
……と言いつつ、最後の抵抗をするんだけども。
「なんで、そんなに付いてきて欲しいんだ?アドバイスはこれ以上出来ねーんだけど?」
「いや、付いてきてくれるだけでいいんだけど……」
「なんだそれ……」
「う、いや、だってさ、好きでもない女性に好かれて、尚且つその子を口説くって……中々、こう、キツイ物があるんだけど……」
ふうん。キツイのか。良心が痛む、みたいな感じか?
じゃあ、最初の方のあの接し方は、マジで何なんだ?あれが態とだったのなら、まあ、主人にそうしろと命令された、とかそんなんなんだろうけど。その場合は、今回、ここまで抵抗してくる事に、辻褄が合わなくなるわけで。
主人の命令で、私と仲良くなれ、と言われているのなら、主人の命令で、一時的に私を主人とするように、と言われていても可笑しくない。と言うか、十中八九言われてるだろう。
今回の件も、私への接し方も、内容としてはほぼ同じなんだよな。だから、そもそもの前提が間違っている……、と考えるべきなのかもしれない。つまり、あの態度は何かを意図していた訳ではない、と。
まあ、私は本来の主ではないのだから、本物と比べると、価値が下がる……みたいな解釈も出来なくはないのだが。
「ほーん。そんなに嫌だったのか」
「嫌に決まってるじゃないか!好きでもない人を口説くって……普通に嫌でしょ。好きって言うのは、好きな人にだけにしたい」
「いや、好きって言え、って言ってる訳じゃねーんだけど……ただいつもより、ほんのり優しくしてくれるだけでいいから」
「それは分かってるんだけども……」
なるほど、気持ち的に納得できない、と。まー、口説くって言い方したのが、良くなかったのか。行動を改める気はないが。
ここまで拒否する理由もなんとなく分かった。要は、ロマンチストなのだろう。誠実、とか、一途、とも表現できるが……、褒めるのも癪なので、ロマンチストと呼ばせていただく。
気持ちとしては、分からんでもない。言う側、言われる側の視点、どちらから見ても、フェデルの姿勢は評価できる。
言われる側、つまり彼氏彼女目線に立ってみると、自分一人に愛の言葉を向けられたい、嘘であっても他の人を口説いてほしくない、と思うのは当然の事だろう。特殊な性癖を持っていたら、例外かもしれんが。
言う側の立場で考えてみると、まあ、此方は人によるんだろうが、一途な方が、気持ち的にもいいよな。本当に好きな相手がいるなら、その人だけを特別に扱う事も、うん。気持ちは分からんでもない。
言われる側でも、言う人間の事を何とも思ってなかったら、心底どうでもいいんだろうが、その場合でも、言う側にはメリットがあるしなあ。色々な人間に、『好き』を連呼しているよりは、一人だけに言っている方が、必死さや切実さが伝わり、成功確率も上がる気がする。
逆に、嘘……と言うか、まあ冗談なんかで、好きと言われる場合……、まあこれは一番好みが分かれそうだが、私は絶対に嫌である。ただただ鬱陶しい。嘘を吐かれるのが嫌い、と言うのもあるが、明らかに嘘と分かっていても、好きだと嘘を吐かれるのは、不愉快だな。
他の嘘なら、まあ、面白ければ、全然構わないのだが、『好き』と嘘を吐かれても、何も面白くないんだよなあ。
とここまで、好きではない相手を口説かないメリットを並べてみたが、そうも上手くいかないのが現実なんだよな。感情的に考えると、フェデルのようになるのは分かる。ただ、損得勘定で考えると、好かれているなら、それを利用した方が楽だし、自分の感情を抜きにして考えると、好きな相手にバレなければ、問題はない。
問題は、気持ちだけなんだよなあ。
そりゃあ、誠実に生きてる人だって沢山いるだろう。然し、前の世界の日本ならまだしも、この世界は色々と大変そうだからな。環境によっては、誠実な生き方が出来ない事だって多々あるだろうし、例え、誠実な道を選べる余裕があるにしろ、利用できるものは、した方が、楽なのは間違いない。
普段なら、嫌がっている相手に、無理矢理、自分の思想を押し付けはしない。
然し、今回はこちらにメリットがあるからな。まあ、大したメリットではないから、それだけが理由ではないのだが。と言うか、それ以外の理由の方が大きい。
ぶっちゃけね、イケメンとそれを見た目だけで持て囃す奴を、只、懲らしめたい。それだけの理由なんだよなあ。
幾ら本人が悪くないと分かっていれどね。嫌われない程度の嫌がらせは、やっていくスタンス。
そして今回の嫌がらせを成功させるには、またもや、譲歩の必要性があると言う。まあ、別に構わない……と言うか、最初からすべての要求が通るなんて、思ってなかったからな。最悪、フェデルをけしかける事さえ出来れば、それで良かったのだから、それ以外の条件は、通ればよし。通らなくても、最低ラインを通すための礎となってくれればいい、と。
交渉の基本だよな。態と厳しい条件を提示して、絶対に認めさせたい条件を認めやすくさせる……と言うあれね。詐欺師の常套手段とも言うけども。
「しゃーないなあ。付いて行くだけでいいなら、付いてくわ。その代わり、値下げ交渉は頼んだぜ?」
「んー。うん、まあ、分かった。やるだけやってみる」
そうは言うものの、あまり気は進まないのか、歩みの遅いフェデル。そんな彼を急かす為、腕を掴み、ぐいぐいと引っ張る。
話し声が聞こえない程度には、離れていたものの、視界に入る程度には近くにいた為、大した時間もかからずに着く。
フェデルにとっては、早すぎたのだろう。心の準備が出来ていないのか、中々話しかけようとしない。こうなる事を自覚していて、先程、ゆっくり歩いていたのかもしれないが……私から言わせてもらえば、ゆっくり歩いたところで、どうせ変わらないのである。ただただ、嫌なことを後回しにしているだけ。時間を浪費するだけで何も解決しない。
こういう時は、無駄なこと考える前に、当たって砕けた方が、存外上手くいくものである。
まあ、その嫌なことを押し付けた張本人が、言う事ではないのだが。……いや、私だって自分がイケメンだったら、流石に自分で口説きに行ってるんだよな。でもこの状態で行ってもな……。苦笑しながら、軽くあしらわれて、終わりっしょ。何が悲しくて、そんなことをせにゃならんのか。
勿論、代わりに話しかけてやる、と言う選択肢はない。話しかけること自体は、別に構わんのだが、一回助けると、ずっと甘えられる気がするんだよな。だから甘さは見せないのが、ベスト。
イケメンと話したい店員。棒立ちで見ているだけで、何も話そうとしないイケメン。そんな二人に挟まれて、商品を買うとか……値下げ交渉しないとしても、地獄だろう。これだけは何とか避けなければならない。
「あの……、な、なにか、お求めでしょうか……?」
顔を真っ赤にしつつも、オズオズと話しかけてきた店員。仕事だから、と言うのもあるのだろうが、自分から話しかけるとは、中々やるではないか。少なくとも、話しかけられずに、ボーっと突っ立っていたフェデルよりは、勇気がある。
「ん……あ、ああ、ええと、南瓜が欲しいんですが……」
「南瓜ですか?分かりました。何個くらい必要でしょう……?」
「そうですね……大きめの物を五つ程、お願いします」
「え、い、五つですか……?」
いくら日持ちすると言え、業者でもないのに、南瓜を五つも買うのは珍しいのだろう。然も、坊ちゃん南瓜ならまだしも、普通にデカい南瓜だからなあ。あれ、食べきるのに何日掛かるんだろう……。
買おうとしているのが、フェデルだから、と言うのも、彼女の混乱を助長させる原因の一つだろう。服装から平民に、顔立ちから貴族に見えることはあっても、商売をしているようには見えない。料理人の弟子にしては、小綺麗すぎるし。
「ええ。在庫が切れてしまったので……」
ってこれは相手も思ってそうだな。寧ろ、いつも無理を通すのはこっちなのだから、今回は譲歩するべきではあるんだろうな。一応、執事と主人?と言う関係性だし、フェデルはそれを遵守しようと、してるのだろうから、今回は、余程嫌だったんろうな、と言う事が分かるし。
……と言いつつ、最後の抵抗をするんだけども。
「なんで、そんなに付いてきて欲しいんだ?アドバイスはこれ以上出来ねーんだけど?」
「いや、付いてきてくれるだけでいいんだけど……」
「なんだそれ……」
「う、いや、だってさ、好きでもない女性に好かれて、尚且つその子を口説くって……中々、こう、キツイ物があるんだけど……」
ふうん。キツイのか。良心が痛む、みたいな感じか?
じゃあ、最初の方のあの接し方は、マジで何なんだ?あれが態とだったのなら、まあ、主人にそうしろと命令された、とかそんなんなんだろうけど。その場合は、今回、ここまで抵抗してくる事に、辻褄が合わなくなるわけで。
主人の命令で、私と仲良くなれ、と言われているのなら、主人の命令で、一時的に私を主人とするように、と言われていても可笑しくない。と言うか、十中八九言われてるだろう。
今回の件も、私への接し方も、内容としてはほぼ同じなんだよな。だから、そもそもの前提が間違っている……、と考えるべきなのかもしれない。つまり、あの態度は何かを意図していた訳ではない、と。
まあ、私は本来の主ではないのだから、本物と比べると、価値が下がる……みたいな解釈も出来なくはないのだが。
「ほーん。そんなに嫌だったのか」
「嫌に決まってるじゃないか!好きでもない人を口説くって……普通に嫌でしょ。好きって言うのは、好きな人にだけにしたい」
「いや、好きって言え、って言ってる訳じゃねーんだけど……ただいつもより、ほんのり優しくしてくれるだけでいいから」
「それは分かってるんだけども……」
なるほど、気持ち的に納得できない、と。まー、口説くって言い方したのが、良くなかったのか。行動を改める気はないが。
ここまで拒否する理由もなんとなく分かった。要は、ロマンチストなのだろう。誠実、とか、一途、とも表現できるが……、褒めるのも癪なので、ロマンチストと呼ばせていただく。
気持ちとしては、分からんでもない。言う側、言われる側の視点、どちらから見ても、フェデルの姿勢は評価できる。
言われる側、つまり彼氏彼女目線に立ってみると、自分一人に愛の言葉を向けられたい、嘘であっても他の人を口説いてほしくない、と思うのは当然の事だろう。特殊な性癖を持っていたら、例外かもしれんが。
言う側の立場で考えてみると、まあ、此方は人によるんだろうが、一途な方が、気持ち的にもいいよな。本当に好きな相手がいるなら、その人だけを特別に扱う事も、うん。気持ちは分からんでもない。
言われる側でも、言う人間の事を何とも思ってなかったら、心底どうでもいいんだろうが、その場合でも、言う側にはメリットがあるしなあ。色々な人間に、『好き』を連呼しているよりは、一人だけに言っている方が、必死さや切実さが伝わり、成功確率も上がる気がする。
逆に、嘘……と言うか、まあ冗談なんかで、好きと言われる場合……、まあこれは一番好みが分かれそうだが、私は絶対に嫌である。ただただ鬱陶しい。嘘を吐かれるのが嫌い、と言うのもあるが、明らかに嘘と分かっていても、好きだと嘘を吐かれるのは、不愉快だな。
他の嘘なら、まあ、面白ければ、全然構わないのだが、『好き』と嘘を吐かれても、何も面白くないんだよなあ。
とここまで、好きではない相手を口説かないメリットを並べてみたが、そうも上手くいかないのが現実なんだよな。感情的に考えると、フェデルのようになるのは分かる。ただ、損得勘定で考えると、好かれているなら、それを利用した方が楽だし、自分の感情を抜きにして考えると、好きな相手にバレなければ、問題はない。
問題は、気持ちだけなんだよなあ。
そりゃあ、誠実に生きてる人だって沢山いるだろう。然し、前の世界の日本ならまだしも、この世界は色々と大変そうだからな。環境によっては、誠実な生き方が出来ない事だって多々あるだろうし、例え、誠実な道を選べる余裕があるにしろ、利用できるものは、した方が、楽なのは間違いない。
普段なら、嫌がっている相手に、無理矢理、自分の思想を押し付けはしない。
然し、今回はこちらにメリットがあるからな。まあ、大したメリットではないから、それだけが理由ではないのだが。と言うか、それ以外の理由の方が大きい。
ぶっちゃけね、イケメンとそれを見た目だけで持て囃す奴を、只、懲らしめたい。それだけの理由なんだよなあ。
幾ら本人が悪くないと分かっていれどね。嫌われない程度の嫌がらせは、やっていくスタンス。
そして今回の嫌がらせを成功させるには、またもや、譲歩の必要性があると言う。まあ、別に構わない……と言うか、最初からすべての要求が通るなんて、思ってなかったからな。最悪、フェデルをけしかける事さえ出来れば、それで良かったのだから、それ以外の条件は、通ればよし。通らなくても、最低ラインを通すための礎となってくれればいい、と。
交渉の基本だよな。態と厳しい条件を提示して、絶対に認めさせたい条件を認めやすくさせる……と言うあれね。詐欺師の常套手段とも言うけども。
「しゃーないなあ。付いて行くだけでいいなら、付いてくわ。その代わり、値下げ交渉は頼んだぜ?」
「んー。うん、まあ、分かった。やるだけやってみる」
そうは言うものの、あまり気は進まないのか、歩みの遅いフェデル。そんな彼を急かす為、腕を掴み、ぐいぐいと引っ張る。
話し声が聞こえない程度には、離れていたものの、視界に入る程度には近くにいた為、大した時間もかからずに着く。
フェデルにとっては、早すぎたのだろう。心の準備が出来ていないのか、中々話しかけようとしない。こうなる事を自覚していて、先程、ゆっくり歩いていたのかもしれないが……私から言わせてもらえば、ゆっくり歩いたところで、どうせ変わらないのである。ただただ、嫌なことを後回しにしているだけ。時間を浪費するだけで何も解決しない。
こういう時は、無駄なこと考える前に、当たって砕けた方が、存外上手くいくものである。
まあ、その嫌なことを押し付けた張本人が、言う事ではないのだが。……いや、私だって自分がイケメンだったら、流石に自分で口説きに行ってるんだよな。でもこの状態で行ってもな……。苦笑しながら、軽くあしらわれて、終わりっしょ。何が悲しくて、そんなことをせにゃならんのか。
勿論、代わりに話しかけてやる、と言う選択肢はない。話しかけること自体は、別に構わんのだが、一回助けると、ずっと甘えられる気がするんだよな。だから甘さは見せないのが、ベスト。
イケメンと話したい店員。棒立ちで見ているだけで、何も話そうとしないイケメン。そんな二人に挟まれて、商品を買うとか……値下げ交渉しないとしても、地獄だろう。これだけは何とか避けなければならない。
「あの……、な、なにか、お求めでしょうか……?」
顔を真っ赤にしつつも、オズオズと話しかけてきた店員。仕事だから、と言うのもあるのだろうが、自分から話しかけるとは、中々やるではないか。少なくとも、話しかけられずに、ボーっと突っ立っていたフェデルよりは、勇気がある。
「ん……あ、ああ、ええと、南瓜が欲しいんですが……」
「南瓜ですか?分かりました。何個くらい必要でしょう……?」
「そうですね……大きめの物を五つ程、お願いします」
「え、い、五つですか……?」
いくら日持ちすると言え、業者でもないのに、南瓜を五つも買うのは珍しいのだろう。然も、坊ちゃん南瓜ならまだしも、普通にデカい南瓜だからなあ。あれ、食べきるのに何日掛かるんだろう……。
買おうとしているのが、フェデルだから、と言うのも、彼女の混乱を助長させる原因の一つだろう。服装から平民に、顔立ちから貴族に見えることはあっても、商売をしているようには見えない。料理人の弟子にしては、小綺麗すぎるし。
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