封印魔法の活用方法 ~スキルで自由に生きていく~

アイギス山本

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第11話 1日の終わり

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「……遅い……何してるんかな……?」


 …それからしばらくの間、俺も着替えの服持ってないのに気づいて、せっかくだからいくつか選んで待ってたんだけど………女の子ってこんなに時間がかかるものなのか…?

 そろそろ時間潰すのもしんどくなってきた頃、ようやく奥からイリーナ達が戻ってきた…んだけど━━━


「お待たせ…ど、どうかな…?似合ってる…?」

「………ハッ!?似合ってる、うん!すごく似合ってるよ!」


 …凄く可愛いんですけど!思わず見とれてしまってた…!

 そこにはとんがり帽子をかぶって頬を染めた、魔法使い風のイリーナが立っていた。
 魔法使い"風”というのも、色は深い青みがかった黒を基調とした服なのに、上の方はドレスみたいに胸までしかなく、ピッタリとしていて体のラインが良くわかり、下の方は前が短くミニスカート程の後ろが足首近くまでふわりと広がっている。さらに二の腕まである指先の空いたロング手袋に、絶対領域を生み出しているロングブーツと………色合いと帽子が無ければ本当にドレスのような衣装だった。


「お客様、どうでしょうか?冒険者で魔法使いと伺いましたので、それ用の服をご用意いたしました。こちらグラードスパイダーの糸から作られた服で、魔力を通しやすく防御力もあり、汚れにくく、破れにくい、しかも魔法が掛かっておりサイズが体にピッタリと合うようになった逸品ですよ?」

「は、はい、良く似合ってると思います。」

「それは良かった!あ、そちらにお持ちの服もご購入ですか?ではまとめて金額を計算しますので、カウンターの方へどうぞ」

「あ、ハイ………」

「…良いの?買っても…?」

「まぁ、良い素材から作られてるらしいし…それに━━似合ってるから…」


「あ、ありがと……」


 …後に分かるのだが…グラードスパイダーの服は色々あって、店員はあえて露出の多いドレスタイプの服を選んだみたいだ………良く考えたらそうだよね、肌が出てるところは防御力無いんだし…まぁ…後悔はしてないけどね、可愛いから

 その後、お店に78,000クルドを払った…色々買ったけど高い買い物したな………買い物した服は覚えたばかりの空間魔法の中にしまい店を出た。………ちなみにイリーナが買った服は彼女が断固として持つと言ったのでその通りにしている


「この後はどうする?そういえば前は何処に住んでたの?」

「前は北区にある孤児院に皆で住んでたんだけど…さっきの店員さんが言うには、だいぶ前に無くなったらしいの…」

「そうなんだ………とりあえず、荷物もあるし、宿を探す?もうそろそろ夕方だし」

「そうだね………でも、孤児院のあったところに一度行ってからでも良い…?」

「もちろん!」




   *****




 道中、イリーナに町を案内してもらいつつ歩いていた。やはり10年も経ってるんで、知らないお店が結構あり、その度にイリーナは寂しそうにしてたが………逆に知ってるお店があるとすごく嬉しそうにしてた。………だけど


「………ここが、孤児院があったところ…?」

「…うん…………」


 …案内されて着いたところは…残念ながら、すでに更地になっていた………


「うん…無くなったとは聞いてたけど…実際にこうしてみると………すごく………悲しいな………」


 …イリーナは泣きそうになりながら、孤児院があった跡地をしばらく、じっと眺めていた………俺は、彼女の邪魔になら無いように、少しだけ離れて静かに見守ることにした…
 どれくらいたっただろうか…イリーナが目元を拭いこちらを向いた。


「ごめんなさい、お待たせしたね」

「ううん、良いんだよ。それじゃあ…行く?」

「うん………ありがと」


 その後は北区より南区の方が宿が安いらしいので、中央広場を抜ける際、屋台でお腹を満たしてから南区の宿へと向かった。




   *****




 しばらく歩いてちょうど南区の中心辺りで、[緑の風]という宿へと入った。


「いらっしゃーい、二人かい?」

「あ、はい、えっと…一人部屋2つお願いします。」

「あいよ、二人で1,400クルドな、飯が欲しかったら1食100クルド、体拭く桶と水は20クルドな」

「どうする?夕飯はさっき食べたしもういらない?」

「えぇ、ただ桶と水は欲しいな…」

「じゃあ、とりあえず一泊と明日の朝食と桶と水、二人分お願いします。」

「あいよ、じゃあ全部で1,640クルドな」


 店主にお金を払い、部屋の鍵を貰ってそれぞれの部屋に向かった。


「じゃあイリーナ、お休み」

「えぇ、お休みなさい……今日はありがとう」

「いいよ、気にしなくて」

「うん…ありがと…また明日ね」

「うん、また明日…」


 イリーナと別れ、こじんまりとした部屋に入り、置いてあったベットに腰かけ一息つくと今日一日の出来事を振り返った………

 …今までで一番長い1日だったなと思い、そしてこれからの異世界での生活に期待と不安を感じつつ、異世界での最初の夜が更けていった。
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