封印魔法の活用方法 ~スキルで自由に生きていく~

アイギス山本

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第19話 4階層

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「うわーーー………これはスゴイね…!」


 4階層へと降りるとそこは東京ドーム以上の高さと広さがあった、そしてその空間を支えるように巨大な柱がいくつか伸びていて、地図上で通路になっていた所はほとんどが腰や胸までの高さの壁があるだけで、乗り越えるのも簡単そうだけど…死角も多いから、魔物に囲まれてたってのもありそうだ。


「あ、向こうの方で誰か戦ってる…」

「うん、この階は魔物も多くて、狩り場にしてる初級冒険者が結構いるの」

「そうなんだ…まぁ、でも目的地は5階層だし長居は無用だね」

「そうね、とりあえず気を付けながら進みましょう」

「おぅ!」




   *****




「くっ…!【水・封印アクア・シール】!イリーナ、後ろお願い!」


「わかったわ!」
『風よ 氷よ 凍てつかせよ 【吹雪シュネーシュトゥルム】』


 俺の魔法が正面の魔物をくい止め、イリーナの魔法が後方の魔物を真っ白に氷りづけにした。


「もう~キリがない!かれこれ50匹は倒したんじゃない!?」

「わかんない…余裕なかったし……MPは大丈夫?」

「ダメ…半分も無いよ……イリーナは?」

「私はまだ大丈夫よ…でも流石に疲れたね……」


「本当に……ね!」
 ズバッ!
「グギャー!」


 壁の向こうからやってきたゴブリンを剣で切り裂いたところで、深いため息をついた……まったく、どうすっかなこの状況………




 ~~~ 少し前 ~~~




「ねぇ、イリーナ……なんか魔物の動きおかしくない…?」

「そう…だね……今確かにゴブリンと目があったのに無視するなんて…普通ならあり得ないよ…」

「追ってみる?」

「そうね、もし異変が起きてるとしたら、確認してギルドに報告しなきゃいけないし」

「よし、じゃあ慎重に追跡するね」

「えぇ、お願い」


 …その後、後を追った先で見たものは………明滅する2m程の球状の物体に、その周りを大量のゴブリンが囲っていた。


「うわぁ~…何あれ?なんか不気味…」

「うん…それに、あんなの見たことが無いわ……嫌な予感がする…」


 その時だ…明滅しなくなったと思ったら、パキパキと徐々に亀裂が入り始めた。亀裂はどんどん増えていき、全体にまで達すると…ガラスが砕け散るような音と共に、中身が露になった。


「な、なんだ…!?あのでっかいゴブリンは!?」

「そ、そんな…あれはキングゴブリンだよ…!こんな場所に現れるなんて…!」


 キングゴブリンはゆっくりと立ち上がると、辺りをキョロキョロと見回した。その巨体は3mは優に超えていて異様な雰囲気を放っていた。


「康介、逃げよう、キングゴブリンはランクAだしあんな大量のゴブリンもいたんじゃ相手に出来ないよ」


「そうだね、早く…………!?」
 ゾクッ……!!


 瞬間背筋が凍り、振り向くとキングゴブリンがこっちを見ていた!


「ヤバい!見つかった!走るよ!」

「う、うん!!」


「グガァーーーーーーー!!!」


 キングゴブリンが叫ぶと、周りのゴブリンたちが一斉にこちらに襲いかかってきた…!


「うおおおぉぉぉぉ~~~!」
「きゃああぁぁぁぁ~~~!」





 ………そして、現在に戻る。




「……でも良かったね、これでキングゴブリンまで追ってきてたら詰んでたんじゃない?」

「うん…でもこれじゃじり貧だよ…しかも階段付近にゴブリンが集中してるから帰れないし……」


「うん……」


 二人の間に嫌な沈黙が漂い始めたところで、遠くの方から戦闘音が聞こえてきた。


「………ちくしょう、どうなってんだ!?なんでゴブリンがこんなに…!?」

「私もうダメ…MPもう無いよ」

「諦めんな!死ぬぞ!」

「また来た!二人とも…!」


 どうやらこの階層に降りてきたときに遠くで戦っていた冒険者みたいで、俺たちみたいに逃げてるらしかった。
 でも、旗色は悪く3人ともギリギリで凌いでる感じだった…そして………


「くっ…!きゃあぁぁぁ!」

「リン!?くそっ…!ぐぁっ…!?」

「ジョー!…おぐっ…!」


 数の暴力には勝てず、一人が崩れると一気に瓦解してしまった………そしてゴブリンたちは3人を何処かへと運んでいってしまう………


「大変だ…!助けないと…!」

「む、無理よ…向かったのは恐らくキングゴブリンの所よ…?こっちが殺られてしまうわ………」

「だからって見捨てるなんて…!」

「………康介、ダンジョンに潜る前にも言ったけど…基本は不干渉なの…それに、私たちもギリギリで死ぬかもしれないんだよ………?」


「…………イリーナ…………」


 …死ぬかもしれない…その通りだと思う━━でも見捨てて良いんだろうか…?……俺は……………





   *****




「うッ……ここは………?ハッ!くそっ離せ…!バン、リン!無事か!?」

「うぅ…ジョー…すまねぇ…左腕が折れてるみたいだ………」

「私は平気…でも動けないわ…なんなのよ、このゴブリンたちは…」


 地面に押さえつけられた3人が次に見たものは、ドスンドスンと足音を響かせてやってくるキングゴブリンだった。


「な、嘘だろ…!?何でこんなところにキングゴブリンがいるんだよ…!」


 捕まった俺たちを見ていたキングゴブリンは、リンで視線を止めるとイヤらしく笑い、手を伸ばしてきた。


「いや…!離して…!いやあぁ!」

「リン!くそっ!このゴブリンどもが!離しやがれ!」

「ぐっ…!リン…!」


 片手でリンを持ち上げたキングゴブリンは、もう一方の手でリンの服を一気に引き裂いた…!


「ッ……!イヤァァァァァァ!!!」


 キングゴブリンは、わざと俺らに見せつけるように、こっちを見ながら手に持ったリンの体を、味見するかのようになめて嗤った。


(いや、いや、いや、誰か助けて……!)


 私はこのまま犯されてしまうんだ、と思ったら悲しくて涙がこぼれた………




 その時、いきなり目が眩むほどの閃光が辺りを包み、何も見えなくなった。

「グギャッ!?」
「きゃっ…!?」

 キングゴブリンが短い悲鳴をあげたと思ったら、私は解放され地面に落っこちた。


「い、いったい何が……」


 目が見えるようになってくると、私をかばうようにキングゴブリンと対峙するの青年がそこにいた。




「助けに来たよ…!」
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