封印魔法の活用方法 ~スキルで自由に生きていく~

アイギス山本

文字の大きさ
27 / 49

第26話 新たな魔法

しおりを挟む
「あ、あなたは今朝の………」


 俺が驚いていると、彼女を連れてきたヘレナさんが説明をしてくれた。


「彼女はこの町でも数少ないBランク冒険者で、現在はギルドで鑑定士をしてもらってるんですよ?」

「臨時だけどね~?本業は学者だよ~。今はギルドに援助してもらう代わりに鑑定士をやってるって訳~」

「な、なるほど……」

「それで~?有無を言わさず連れてこられたんだけど……何をすれば良いの~?」

「えぇ、その…彼、こうすけさんが『始まりの森』から持ってきたドロップ品が今まで無かったものですから………貴女に見てもらいたくて……」



「ほぉ~……?」



 シュベンリルさんはそう呟くと、今までのほほんとしてた雰囲気がガラッと変わり、目つきも鋭くなってカウンターに置かれた品を食い入るようにしばらく見つめた。


「………うん、間違いなく金と宝石だね~。これは?宝箱からかな?それとも…魔物からかな?」

「えっ…と、そっちは魔物からですね。宝箱の中身はこっちです」

「へぇ~?宝箱も出たんだ~……なるほどね~?」


(うっ……この人ちょっと怖いよ~!)


 まるで睨まれてるような視線に耐えられず、視線をそらしていると……





 ≪スキル【鑑定】を覚えました≫




 ……え?これって………まさか………


「…っ!?………へぇ~、なるほど~…君は本当に面白いね~?」


 や、ヤバッ…!?ステータスを見られた!?ど、どうしよ……


「あっちで色々聞きたいんだけど~…いいかな?今見たのも秘密にするからさ~?」


(うーん…秘密にしてくれるなら問題は無いかな……?それに折角だから今までに見たスキルの事聞いてみたいし)


「……………わかりました」

「ありがとね~。ヘレナはそのまま買い取りの査定をお願いね~?」

「はい、分かりました。」


 俺とイリーナはシュベンリルさんに連れられて、今朝目を覚ました部屋と似たような部屋に入った。


「さてと~、それじゃ色々聞く前に~……彼女は君について知ってるのかい?」

「あ、はい、知ってます」

「そっか~、なら問題ないね~?スキルのこと、ドロップアイテムのこと、全部教えてくれないかな~?」

「えっと……それは………」

「大丈夫~秘密は守るから~。私は自分の知識欲を満たしたいだけなの~」

「……わかりました。その代わり、シュベンリルさんが知ってる珍しいスキルの情報とかあれば教えて欲しいです。」

「リルで良いよ~?スキルの情報は後で紙に書いて渡してあげるね?」

「り、リルさん…ありがとうございます。えっと、それでスキルですが━━━」






   *****






「………なるほどね~?いや~こうくん(康介こうすけだから)はスゴいね~!いやはや羨ましいよ~」

「いや、そんな……あくまでスキルが凄いんであって、俺自体は凄くないですよ?」

「………こうくん?謙虚なのは美徳だけど、度が過ぎると嫌味に聞こえるから気を付けた方が良いよ~?」

「ぅ…はい………気を付けます………」

「よろしい。それにしても………サンドマンがね~…前から疑問だったんだけどお陰で謎が解けたよ~」

「あ、調べてたんですか?」

「まぁね~?他にもいろいろ研究してるけど、この町に来た一番の理由がそれだったからね~助かったよ~。ところで………【付与魔法】と【封印魔法】の【二重詠唱デュエルスペル】はやってみたかい?」

「【付与】と【封印】ですか…?いえ、まだですね、そもそも【付与魔法】自体まだ使ってないですし…」

「そうなのかい?それはもったいないよ~。【付与魔法】は自分のステータスやスキルを1時間相手に譲渡するスキルで、レベルによって効率が変わるの……lv.1だと消費したステータスの半分が付与されるね~。おススメはlv.2からかな?消費した分の付与だから。ただ……消費MPが半端なくて、効果も1時間しかないからあまり人気がないんだよね~。あはは~」

「え………それはダメなんじゃ……?」

「でも君には【封印魔法】と【二重詠唱】があるよね?これは推測だけど……【付与】と【封印】で1時間しかない効果時間をずっと伸ばせるんじゃないかな?だから消費したMPもダンジョンに潜ってない時に回復できるから、かなり有用だと思うよ~?」

「お、おぉ~!なるほど、そんな使い方があるんですね!」

「まぁ推測だけどね~?もし上手くいったら、是非教えてね~?」

「あ、じゃあ今試してみますよ?」

「良いけど……帰って来たばかりで、MP足りる~?」

「とりあえず残りのMP全部使ってみますよ」

「こらこら、少しは残さないとまた倒れるよ~?」

「す、すいません……」


(えぇっと、譲渡するならやっぱり"幸運"かな?1000もあるし、多少減ったとしても変わらずにドロップするはず)


「じゃあイリーナ、【付与】やってみるよ?」

「えぇ、お願い。私はいつでも良いよ」


 イリーナに向けて、いざ魔法を使おうとしたところ体から急速にMPが減っていくのがわかった。


(ぐっ…!?マズイ…!)


 少し回復していたはずのMPがあっという間に10を下回りそうになったところで慌てて魔法を発動させた。




「くっ…!【ーーーー】!?」




(なっ!?【魔法名】が浮かんでこない!?失敗したのか!?)


 いつもと違う状況に少し慌ててしまうが、まるでそれが杞憂だと言うように、俺からイリーナへと魔法の光が飛んでいった。


「っ…!はぁ、はぁ…!上手く…いった…のか…?」

「う、うん、ちゃんとステータスが少し上がってるよ?というか大丈夫!?」

「あ、あぁ…大丈夫、一気にMPが無くなっただけだから………」


 心配するイリーナを宥めるように頭を撫でつつ、呼吸を整えたところでリルさんに何で【魔法名】が頭に浮かんでこなかったのか聞くと


「あ~、それはその魔法が初めて使われた新しい魔法だからだね~…こうくんが詠唱と魔法名を決めたら、それが世界に登録されて、次回から他の魔法と同じように使えるし、MPの負担も軽くなるよ~?あ、後、この世界にある魔法のほとんどは、およそ2000年前に大魔導師ケン・ジーが作ったから詠唱とか魔法名が似通ってるけど、合わせなくて全然良いからね~?自由に決めちゃって~?」

「ブッ…!?」


(ケン・ジーって、明らか日本人だよな………でも2000年前?名前は現代っぽいのに━━もしかして時間軸が地球と違うのか…?それとも何か別の要因が………?)


「康介…?どうしたの?」

「あー、いや、何でもないよ」


(まぁ、今は気にしなくて良いか………それより【魔法】どうしようかな…?なんかこう、中二病だった頃の黒歴史がひょっこり顔を出しそうなんだが………"我が眼に宿りし悪魔よ 契約に基づき その力を示せ! 我は調停者 善と悪を統べるものなり!"【滅神悪即我強術(アルティメット・エターナル・フォース)】……………ってか?ヤバイな、うん。訳がわからん。何だよ調停者って、魔法名も適当すぎるし、我ながら何とも痛々しい……ここはやはり無難なものを考えよう………)




 《アカシックレコードに【滅神悪即我強術】を登録しました》




 …………………え"っ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

異世界配信〜幼馴染みに捨てられた俺を導く神々の声(視聴者)

葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。 だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。 突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。 これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。

処理中です...