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第25話 依頼達成
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思わぬ宝箱という臨時収入があったわけだが………俺は━━持ち主が分かったなら、遺族に返してあげたいと思う。
この世界でも返す事はあるらしいんだが……基本的に拾った人の物になるらしく…[買い戻し]って言って、お金を払って返してもらうのが常識らしい……しかし[買い戻し]が成立するのは盗賊等が持っていた物が大半で……まぁ宝箱の中身だと魔力を帯びて高価で強力になるから手放しづらくなるのはわかるんだが………それでも俺は返してあげたいと思う。ましてや、妹さんが奴隷になってしまうなんて知ったら、助けてあげたいじゃないか!
その後も色々と話を聞きつつ、駆け足で4階層を突破してついに俺とイリーナは目的の5階層に到着した。
そこは今までとガラッと変わり、木々が立ち並び、空には青空が見え、まるで外にいるのと変わらない空間がそこには広がっていた。
「すごい……これホントにダンジョンの中なのか…?」
「えぇ、そうよ。空とあっちの太陽は魔法で作られたもので実際には壁があるんだけどね…あ、でも外と連動してて、ここには夜も来るのよ?」
「そうなの!?凄いなー……あ、もしかして触ったら魔法覚えられるかな?」
「えぇっ!?ど、どうだろ……そんな事考えたこと無かったから…うーん、そもそもどんな魔法なのか知らない………というかスキルなのかな…?」
「まぁ、物は試しだし……お!確かに壁がある………あー…でも残念…何も覚えないや」
降りてきた階段横の、風景になってる部分を触ってみると、そこには確かに壁があったが……いつもみたいな声が聞こえてくることもなく、スキルは覚えられなかった。
「そっか~…ちょっと期待したんだけどね?流石に無理か~…」
「まぁ、しょうがない、先に進もうか」
「そうね…あ、〈ローウルフ〉なんだけど……だいたい5匹以上の集団で行動してて、爪と牙で攻撃してくるよ。それと動きが素早いから気をつけてね」
「了解。…あと何か気を付けなきゃいけないことある?」
「うーん……そうだね……他に〈ウーキー〉って猿の魔物も出るんだけど、石とか枝を投げつけて詠唱の邪魔をしてくるね。まぁ[無詠唱]が使えるから、気を付ける必要はないかもしれないけど……
他は……まだ先だけど、8階層から〈トレント〉って木の魔物の擬態と〈ハニービー〉って蜂の魔物の毒針ぐらいかな?」
「ど、毒針かぁ~……毒ってどれくらいヤバい?」
「毒自体は弱いけど…戦闘に支障が出るし、4時間くらいで死に至るかな……」
「こわっ…!?毒こわっ!!!」
「大丈夫だよ、毒消し飲めばすぐ良くなるし、準備だけしておけば問題ないよ」
「そ、そっか………良かった」
「それに、今日はローウルフの毛皮が目的だし、そこまで行かないから心配ないよ」
「そうだね………よしっ!じゃあサクッと集めよう」
「おぅ~!」
*****
森の中はそこまで密集してないので、木々の隙間から光が降り注いで視界は悪くなかったが…膝下ほどある草が茂みを満遍なく作っていたので、奇襲を警戒しながら進んでいた。
「………ねぇ、康介…?そんなに警戒しなくてもいいと思うよ…?」
「えぇ…?だって…〈ローウルフ〉だから…"狼"…だよね?茂みの中から急に現れたりしたら危険じゃない?」
「あ~…まぁそうなんだけど……康介、〈ローウルフ〉はね……」
………ガサガサガサ…!
「…!イリーナ!左だ!【土・封印】!」
「キャン!?」
茂みで姿は見えないが、動いてる所に魔法を放つと上手く当たったようだった。ただ全部は仕留められなかったみたいで、左右に別れて近づいてくるのがわかった。
「イリーナは左を!俺は右をヤる!」
「わかったわ!」
イリーナに指示をしたところで、距離を詰めてきていた魔物が茂みから飛びかかってきた!
ヤバっ!避けられねぇ…!っと思ったときにはすでに体が勝手に動いて………姿勢を低くし逆に距離を詰め、懐に入ると剣を一閃!胴体が真っ二つになった。
遅れてもう一匹飛びかかってきたが来たが、危うげなく盾で受け流し、地面に着地したところを振り下ろした剣で切り裂かれ、あっという間に消えていった。
「おぉぅ……流石【剣術】…やられるって思ったのに余裕とは……」
「それだけ強いスキルだから、習得するのに半年はかかるんだけどな~………まぁ"康介だし"ね」
「イリーナも大丈夫だったんだね、でも『康介だし』ってのは止めてくれない…?」
「そう?良いじゃない、そのうち何でも『康介だし』って納得されるようになるわよ?」
「うぐっ……それはなんか嫌だな……」
「でも、自重する気はないんじゃない?」
「それは……うん、せっかく使えるのに使わないのは勿体ないし……」
「やっぱり、じゃあ我慢しよ?」
「うぐぐぐ…」
くそ~……諦めるしかないのか………
………まぁいいか!そんなにこだわるとこでもないし、それより………
「今のが〈ローウルフ〉だったんだよね?かなり小さくない?小型犬くらいしかなかったんだけど……」
「えっと……小型犬?って基準がわからないけど……〈ローウルフ〉はあれぐらいしかないね、たぶんウルフ系の魔物で一番小さいんじゃないかな?一匹あたりかなり弱いし…」
「そうなんだ……あ、どっちも毛皮を落とした…そっちは?」
「こっちは牙が一個だよ、というか……毛皮もなかなか出ないはずなのに……まぁ、康介だしね、これならすぐ集まりそう」
「いや、スキルのおかげなんだけど……?」
「それも康介の"力"でしょ?さ、向こうのドロップアイテムを確認して先に進もう~」
「はぁ~……了解~……」
その後、半時もせずローウルフの集団に出くわして、あっという間に毛皮が10枚集まった。ちなみに他には牙が5本、爪が2本、ウーキーの尻尾が2本集まった。
「よしっ!思いのほか早く集まったし、少し休憩したらサンドマンを狩りに行かない?」
「そうね、ちょうどお昼も回ったとこだと思うし、階段付近まで戻ったら休憩がてら食事にしようか」
「賛成~、じゃあ戻ろっか」
*****
階段付近まで戻ると空間魔法で水と〈トム・ボア〉の干し肉、後〈リコップ〉って名前のリンゴみたいな果物を取り出した。なんでも階段付近はセーフティーエリアになってるようで魔物は滅多に近づかないらしい、他にも場所によればあるらしいが大体の冒険者は階段付近で休憩や睡眠を取るのが普通らしい。
「うーん………別にまずいわけじゃないんだが…火魔法が使えたら保存食じゃなくて、色々料理が出来るんだけどなぁ~……」
「康介、料理できるんだ?」
「うん…まぁね。家は共働きで夜遅くまで帰ってこないことなんてざらだったからね、一通り出来るよ?」
「じゃあ…今度、康介の作った料理食べてみたいな?」
「いいよ、じゃあ借用書の件が終わったら作ってあげるよ」
「本当!?ありがとう、楽しみにしてるね」
その後、休憩を終えた俺とイリーナは3階層まで戻ってくると、2時間程サンドマンを狩りまくった。その結果、砂金や色とりどりの宝石が合わせて43個手に入った。小さいとはいえこれだけあればかなりの金額になるんじゃないかな?
ホクホク顔でダンジョンから出てギルドへと向かい、ヘレナさんの列に並んだ。
「お待たせしました。あら、こうすけさん。依頼はどうですか?」
「えぇ、無事達成しました。これが<ローウルフの毛皮>10枚です。後、他にも買取と……調べてほしいことがあるんですが、お願いしてもいいですか?」
「わかりました。では依頼の確認からさせてもらいますね?………はい、確かにありますので、お二人の冒険者カードの提示をお願いします。そちらに依頼達成の情報を記録しますので、その間に買取品を出してもらってよろしいでしょうか?」
「あ、はい、わかりました」
ヘレナさんがカウンター下から取り出した黒い箱の上に、冒険者カードを置いて何やら作業してる間に、俺は空間魔法で今回獲得したアイテムや宝箱の中身を取り出した。
そして、作業していたヘレナさんが砂金や色とりどりの宝石を見た瞬間目を見開いて固まってしまった。
「こ、こうすけさん……?そ、それはいったい……どうされたんですか……?」
「え?あー………(イリーナ、話しても大丈夫だよね?)」
「(うん、問題ないと思うよ?)」
「コホン…これらは全部魔物がドロップしたアイテムですよ」
「そんな…!?潜ってたのは『始まりの森』ですよね!?信じられない………こんな宝石類を落とす魔物なんて聞いたことが無い……!でも、しかし、そんな………ぶつぶつぶつ━━━しょ、少々お待ち下さい…!」
そう言うとヘレナさんは立ち上がり、急いでギルドの中へと姿を消した………
そして戻ってきたヘレナさんは、一人の女性を連れていて………その女性はなんと━━━
「おや?また会ったね~、自己紹介はまだったね………あたしはシュベンリル…ま、よろしく~」
朝に出会った、25歳くらいで髪がボサボサの白衣の女性だった。
この世界でも返す事はあるらしいんだが……基本的に拾った人の物になるらしく…[買い戻し]って言って、お金を払って返してもらうのが常識らしい……しかし[買い戻し]が成立するのは盗賊等が持っていた物が大半で……まぁ宝箱の中身だと魔力を帯びて高価で強力になるから手放しづらくなるのはわかるんだが………それでも俺は返してあげたいと思う。ましてや、妹さんが奴隷になってしまうなんて知ったら、助けてあげたいじゃないか!
その後も色々と話を聞きつつ、駆け足で4階層を突破してついに俺とイリーナは目的の5階層に到着した。
そこは今までとガラッと変わり、木々が立ち並び、空には青空が見え、まるで外にいるのと変わらない空間がそこには広がっていた。
「すごい……これホントにダンジョンの中なのか…?」
「えぇ、そうよ。空とあっちの太陽は魔法で作られたもので実際には壁があるんだけどね…あ、でも外と連動してて、ここには夜も来るのよ?」
「そうなの!?凄いなー……あ、もしかして触ったら魔法覚えられるかな?」
「えぇっ!?ど、どうだろ……そんな事考えたこと無かったから…うーん、そもそもどんな魔法なのか知らない………というかスキルなのかな…?」
「まぁ、物は試しだし……お!確かに壁がある………あー…でも残念…何も覚えないや」
降りてきた階段横の、風景になってる部分を触ってみると、そこには確かに壁があったが……いつもみたいな声が聞こえてくることもなく、スキルは覚えられなかった。
「そっか~…ちょっと期待したんだけどね?流石に無理か~…」
「まぁ、しょうがない、先に進もうか」
「そうね…あ、〈ローウルフ〉なんだけど……だいたい5匹以上の集団で行動してて、爪と牙で攻撃してくるよ。それと動きが素早いから気をつけてね」
「了解。…あと何か気を付けなきゃいけないことある?」
「うーん……そうだね……他に〈ウーキー〉って猿の魔物も出るんだけど、石とか枝を投げつけて詠唱の邪魔をしてくるね。まぁ[無詠唱]が使えるから、気を付ける必要はないかもしれないけど……
他は……まだ先だけど、8階層から〈トレント〉って木の魔物の擬態と〈ハニービー〉って蜂の魔物の毒針ぐらいかな?」
「ど、毒針かぁ~……毒ってどれくらいヤバい?」
「毒自体は弱いけど…戦闘に支障が出るし、4時間くらいで死に至るかな……」
「こわっ…!?毒こわっ!!!」
「大丈夫だよ、毒消し飲めばすぐ良くなるし、準備だけしておけば問題ないよ」
「そ、そっか………良かった」
「それに、今日はローウルフの毛皮が目的だし、そこまで行かないから心配ないよ」
「そうだね………よしっ!じゃあサクッと集めよう」
「おぅ~!」
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森の中はそこまで密集してないので、木々の隙間から光が降り注いで視界は悪くなかったが…膝下ほどある草が茂みを満遍なく作っていたので、奇襲を警戒しながら進んでいた。
「………ねぇ、康介…?そんなに警戒しなくてもいいと思うよ…?」
「えぇ…?だって…〈ローウルフ〉だから…"狼"…だよね?茂みの中から急に現れたりしたら危険じゃない?」
「あ~…まぁそうなんだけど……康介、〈ローウルフ〉はね……」
………ガサガサガサ…!
「…!イリーナ!左だ!【土・封印】!」
「キャン!?」
茂みで姿は見えないが、動いてる所に魔法を放つと上手く当たったようだった。ただ全部は仕留められなかったみたいで、左右に別れて近づいてくるのがわかった。
「イリーナは左を!俺は右をヤる!」
「わかったわ!」
イリーナに指示をしたところで、距離を詰めてきていた魔物が茂みから飛びかかってきた!
ヤバっ!避けられねぇ…!っと思ったときにはすでに体が勝手に動いて………姿勢を低くし逆に距離を詰め、懐に入ると剣を一閃!胴体が真っ二つになった。
遅れてもう一匹飛びかかってきたが来たが、危うげなく盾で受け流し、地面に着地したところを振り下ろした剣で切り裂かれ、あっという間に消えていった。
「おぉぅ……流石【剣術】…やられるって思ったのに余裕とは……」
「それだけ強いスキルだから、習得するのに半年はかかるんだけどな~………まぁ"康介だし"ね」
「イリーナも大丈夫だったんだね、でも『康介だし』ってのは止めてくれない…?」
「そう?良いじゃない、そのうち何でも『康介だし』って納得されるようになるわよ?」
「うぐっ……それはなんか嫌だな……」
「でも、自重する気はないんじゃない?」
「それは……うん、せっかく使えるのに使わないのは勿体ないし……」
「やっぱり、じゃあ我慢しよ?」
「うぐぐぐ…」
くそ~……諦めるしかないのか………
………まぁいいか!そんなにこだわるとこでもないし、それより………
「今のが〈ローウルフ〉だったんだよね?かなり小さくない?小型犬くらいしかなかったんだけど……」
「えっと……小型犬?って基準がわからないけど……〈ローウルフ〉はあれぐらいしかないね、たぶんウルフ系の魔物で一番小さいんじゃないかな?一匹あたりかなり弱いし…」
「そうなんだ……あ、どっちも毛皮を落とした…そっちは?」
「こっちは牙が一個だよ、というか……毛皮もなかなか出ないはずなのに……まぁ、康介だしね、これならすぐ集まりそう」
「いや、スキルのおかげなんだけど……?」
「それも康介の"力"でしょ?さ、向こうのドロップアイテムを確認して先に進もう~」
「はぁ~……了解~……」
その後、半時もせずローウルフの集団に出くわして、あっという間に毛皮が10枚集まった。ちなみに他には牙が5本、爪が2本、ウーキーの尻尾が2本集まった。
「よしっ!思いのほか早く集まったし、少し休憩したらサンドマンを狩りに行かない?」
「そうね、ちょうどお昼も回ったとこだと思うし、階段付近まで戻ったら休憩がてら食事にしようか」
「賛成~、じゃあ戻ろっか」
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階段付近まで戻ると空間魔法で水と〈トム・ボア〉の干し肉、後〈リコップ〉って名前のリンゴみたいな果物を取り出した。なんでも階段付近はセーフティーエリアになってるようで魔物は滅多に近づかないらしい、他にも場所によればあるらしいが大体の冒険者は階段付近で休憩や睡眠を取るのが普通らしい。
「うーん………別にまずいわけじゃないんだが…火魔法が使えたら保存食じゃなくて、色々料理が出来るんだけどなぁ~……」
「康介、料理できるんだ?」
「うん…まぁね。家は共働きで夜遅くまで帰ってこないことなんてざらだったからね、一通り出来るよ?」
「じゃあ…今度、康介の作った料理食べてみたいな?」
「いいよ、じゃあ借用書の件が終わったら作ってあげるよ」
「本当!?ありがとう、楽しみにしてるね」
その後、休憩を終えた俺とイリーナは3階層まで戻ってくると、2時間程サンドマンを狩りまくった。その結果、砂金や色とりどりの宝石が合わせて43個手に入った。小さいとはいえこれだけあればかなりの金額になるんじゃないかな?
ホクホク顔でダンジョンから出てギルドへと向かい、ヘレナさんの列に並んだ。
「お待たせしました。あら、こうすけさん。依頼はどうですか?」
「えぇ、無事達成しました。これが<ローウルフの毛皮>10枚です。後、他にも買取と……調べてほしいことがあるんですが、お願いしてもいいですか?」
「わかりました。では依頼の確認からさせてもらいますね?………はい、確かにありますので、お二人の冒険者カードの提示をお願いします。そちらに依頼達成の情報を記録しますので、その間に買取品を出してもらってよろしいでしょうか?」
「あ、はい、わかりました」
ヘレナさんがカウンター下から取り出した黒い箱の上に、冒険者カードを置いて何やら作業してる間に、俺は空間魔法で今回獲得したアイテムや宝箱の中身を取り出した。
そして、作業していたヘレナさんが砂金や色とりどりの宝石を見た瞬間目を見開いて固まってしまった。
「こ、こうすけさん……?そ、それはいったい……どうされたんですか……?」
「え?あー………(イリーナ、話しても大丈夫だよね?)」
「(うん、問題ないと思うよ?)」
「コホン…これらは全部魔物がドロップしたアイテムですよ」
「そんな…!?潜ってたのは『始まりの森』ですよね!?信じられない………こんな宝石類を落とす魔物なんて聞いたことが無い……!でも、しかし、そんな………ぶつぶつぶつ━━━しょ、少々お待ち下さい…!」
そう言うとヘレナさんは立ち上がり、急いでギルドの中へと姿を消した………
そして戻ってきたヘレナさんは、一人の女性を連れていて………その女性はなんと━━━
「おや?また会ったね~、自己紹介はまだったね………あたしはシュベンリル…ま、よろしく~」
朝に出会った、25歳くらいで髪がボサボサの白衣の女性だった。
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