封印魔法の活用方法 ~スキルで自由に生きていく~

アイギス山本

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第41話 解らぬ心

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 『━━天空の羽━━』


 それがイリーナが提案したパーティーの名前だ。

 ━━遥か昔…この世界は魔神によって危機に瀕していた…そんな時だ。何処かから勇者が現れ、長き死闘の末に魔神を倒す事に成功した。…しかし、勇者はその時の怪我により亡くなってしまう。勇者の死に、助けられた人々はが悲しみに暮れた…そんな中、人々の悲しみに応えるよう、女神の力によって、天空から一枚の羽が舞い降り…その羽の力によって勇者は生き返り、世界に平和が訪れたのだった━━

 この世界に伝わるおとぎ話で、直接女神様と話が出来た事から、この名前を思い付いたそうだ。
 全員がこの名前に賛同して、俺達のパーティーは『天空の羽』となった。

 うん、さすがイリーナだ。すごくセンスがいい。…今度から新しい魔法はイリーナに名前を付けて貰おうかな…?

 …そんなイリーナだけど…いまだに何処か上の空になって考え事をしている時がある………まぁ、少し前よりは暗い雰囲気は無くなり、むしろやる気に満ちているんで一安心…なのかな?

 そうそう、実はジコルを倒したことでレベルが一気に3つも上がり━━━


 《山本 康介》
 種族: 人間(異世界人)
 職種: 魔法使い
 レベル: 34(+3)

 HP: 1410/1410(+102)
 MP: 1493/1493(+98)
 腕力: 97(+6)
 耐久: 121(+9)
 敏捷: 65(+4)
 魔力: 234(+8)
 器用: 182(+5)
 幸運: 7→0(付与中)
 スキルポイント:3

 《スキル》
 封印魔法Lv.4 水魔法Lv.1 風魔法:Lv.1 土魔法:Lv.1 氷魔法:Lv.1 緑魔法:Lv.1 光魔法:Lv.1 土耐性:Lv.1
水耐性:Lv.1 剣術:Lv.1 槍術:Lv.1 格闘術:Lv.1 武術:Lv.1 重力魔法:Lv.2 鑑定Lv.1 操糸術:Lv.1(New)回復魔法:LV.1(New)
 《固有スキル》
 スキルの匠スキルマスター 言語理解 二重詠唱デュエルスペル 人形操者マリオネットマスター 食べるとステータス最大値+1 無詠唱 鷹の目 夜目 HP+30 MP+20 腕力+4 耐久+5 俊敏+3 魔力+5 器用+8 幸運+1000



 ━━━となった。なかなかレベルが上がらなくなってきたところで、一気に上がったから…もしかしたらスキルポイント増えてるかな?と期待したけど、増えてなかった。やっぱりそう簡単には増えないよね…残念…




   *****




 さて、今俺達はまたダンジョンへと赴いている。この町で生活するなら今のままでも充分なのだが…アリアが狙われている件もあり、レベルを上げていこうという話になったからだ。

 ━━━しかし…この町で上げれるレベルは40まで………つまり、そう遠くないうちにこの町から出るという事になる。

 …イリーナの様子がおかしいのはもうすぐこの町から離れるからなのかな…?ダンジョンでは一緒に行きたいと言ってくれたけど…悩んでるのかな…?


「━━━康介…?どうしたの?」

「…っ!ご、ゴメン、イリーナ。ボーッとしてた…」

『康介様、少し休憩されますか?』

「…前に休憩してからそれ程経ってないですよ?軟弱勇者」

「ぐふっ…!い、いや、疲れた訳じゃないから…大丈夫だよ?」


 いつもはユリアさんの罵声に凹むところだが…今は気分をまぎらわすことが出来て助かった。今はダンジョンの中だし意識を切り替えないとな━━━
 今回は前回戦った10階層をメインに、順番に最下層まで行こうと予定している。実際ユリアさんが言うには”暗き森”のボスよりジコルの方が強くて厄介だったという話だ。

 10階層までの道のりを最短距離で通り、魔物もイリーナが率先して魔法で倒していった━━━


「…イリーナ、大丈夫…?」

「えっ!?だ、大丈夫だよ?」


 …そう答えたイリーナだったが…明らかに息が上がっていた。どう見ても無理しているようにしか見えなかった…
 いったん落ち着いて元気が出たと思っていたけど…まだ治ってなかったみたいだ………やっぱりこの町にいたいのかな…

 その後、イリーナを気にしつつ、休憩を取りながら順調に探索を続けていった━━━そして最下層である…15階層にたどり着いた。


「━━━今までも結構暗い中を進んできたけど…この最下層は一段と暗いな…」

『ま、真っ暗だよ…』

「…マスター、ここはさらに木々も密集いているので大剣は今っていた方がいいと思います」

「康介、ギルドの人の話ではまっすぐ進めばボスのいる扉にたどり着けるらしいよ」

「イリーナありがとう。じゃあ皆、今までより慎重に進んでいこう」


 暗い森の中を魔物を警戒しつつ進んでいく。途中、10階層から出現する”ブラックウルフ”(ローウルフの色が黒くなった魔物。単独で行動、奇襲が得意)や”ゲスパー”(巨大な芋虫。防御力が高く、魔法に弱い)等、今まで現れた魔物が散発的に襲ってきたが、ケガすることなく━━━ボス部屋の入り口である扉の前にたどり着いた。
 扉は順番待ちも無くすぐに入れそうだが………イリーナの疲労とMPの回復のためいったん休むことになった。やはりゲスパーの存在がイリーナに負担が行っているようだ…


「…では皆さん最終確認を行います。ボスは"二尾狼"、体長2m程の大きさで強さはそれ程でもありませんが、素早く、またローウルフ・ブラックウルフ等複数従えているので少々厄介です。━━━ちなみにですが…イリーナと勘違い勇者の【二重詠唱デュエルスペル】は魔法を合成して撃ってますが、別々に放つことは出来ますか?」


 ハッ…!どうして今まで気付かなかったんだろう…!?合成すると威力が増すからそれしか使ってこなかったけど、敵が複数でどこから来るか分からないなら、威力より範囲を取った方がいいじゃないかッ!


「…えっと…ユリアさん、ごめんなさい…二重詠唱は魔法を"重ねる"事は出来るけど…それぞれ別の魔法を同時に放つことは出来ないの。それが出来るのは…【並列詠唱アブレストスペル】だったかな?」


 あ………そうなんだ…残念…


「じゃあフォーメーションはアリアが前衛で敵をくい止めて、ユリアさんが抜けてきた魔物を殲滅。俺は回りを牽制しつつボスに攻撃を仕掛けるから、イリーナは後方支援をお願い」

「あ、あのね!康介、私が牽制と攻撃してもいい?」

「え…?でもイリーナ…」

「お願い…!」


 えっと…どうしよ………普通の敵ならそれでも問題は無かったけど…。イリーナの最高レベルは水魔法がLv.3だから俺より強い魔法は使えないし、何より俺の方が重力魔法も覚えてるし変わらない方がいいと思うんだよね……それに━━またイリーナが倒れるなんて事があったらと考えると………うん、ちょっと耐えられそうにない。


「………イリーナ、申し訳ないけどフォーメーションは今までのままで行こうと思う。俺の方が強い魔法を放てるし…。━━━い、イリーナにケガをして欲しくないし…(ボソボソ)」


 …この時イリーナは康介の返答でショックを受け…顔を伏せてしまい…、後半の部分を聞き逃してしまっていた。


「………うん…わかった……ゴメン………」

「い、イリーナ…?」

「はぁ………鈍感勇者が…」

『康介様…』


 え?え…?イリーナは落ち込むし、ユリアさんとアリアからは呆れたような声が届くし…なんで?

 困惑しつつも、やっぱりイリーナがケガをするところをもう見たくない一心で、イリーナにはそのまま後衛でお願いした。

 休憩が終わり、魔力も満タンになった俺達はいよいよボスへと挑む━━


「イリーナ…ゴメン…でも、どうしても、イリーナがケガをして…倒れることが不安なんだ…」

「ううん……大丈夫、"私に力が無い"せいだし…気にしないで?」

「………わかった」


 ━━イリーナの言葉に…何か引っかかる感じがしたんだけど………それが何なのか分からず…
 とにかく今度こそ、イリーナを守り抜く…!

 俺はそれだけを意識していた…イリーナの想いを考えないままに…
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