身代わり吸魔が暴君騎士に思うこと

鹿音二号

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即消滅危機

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目を覚ませば、そこは異世界でした。

……なんて、アニメや漫画でいっぱいある状況、まさか自分が、リアルに、体験するとは思わないじゃん。
俺だって、いちおうちょっとは嗜んでいましたけどもー!?
うーむこれが異世界転生……って言ってる場合じゃない。
まったくこれがどんな状況なのかさっぱりわかんねえ。

よし、まずは――自分の名前の確認だ。
記憶がいろいろおかしいことになってるパターンもあるんだよね、基本的なことから。
俺の名前は春崎龍兎。
男だよ。日本人で大学生だった……と、思う。おお、このあたりがぼんやりだな。どうやら向こう側で死んだらしいけど……うーん、苦しかったようなのは、ちょっと覚えてる気がする。
……そっか、死んじゃったのか。
ちょっとさみしいくらいだな、なんでだろう。
いいのか悪いのか、前の人生ほとんど思い出せないな。
名前だけでも、しっかり覚えてるからほっとする。

俺は今たぶん立っていて、体は妙に感覚が薄い。たぶん触られたりしてもよくわかんない、ぼんやりした感じ。
自分の手を見てしまうのはあるあるだな――なんか、すっげえ細い!
真っ白で血管透けてる!骨の形見えてるじゃんよ!?不健康そう!
その腕を動かしたタイミングでさらっと髪らしいものがかかってくる。紫色なんだけど、やたら沈んで黒く見える。……長いな、すげえ長い。たぶん地面に毛先ついてる。

で、だ。
お待ちかねの、どういう世界に飛ばされてきたのかって。
目を開いてまっさきに見えたのは、めっちゃコスプレで見たような人たちが立ってるの。少し遠いとこ。
地面は草とか生えてなくて、カラカラに乾いたようなのが向こうにずっと続いている。ん?なんか暗い気がする……靄みたいなのがかかってるのか。
少し離れたところの人たちは、装いがザ・ファンタジー!なわけです。
なんか戦士っぽい鎧の男と、長い服着た僧侶っぽい男と、白い鎧着た男と……ん!?
見覚えがある子がいる!
アニメ絵とかじゃなくて現実だよって、普通の三次元の人間だけど、なんか服装とかでピンときた。
亜麻色の長い髪、白いワンピースの上に桃色の法衣?とかいう袖無しの上着みたいのを着ている。金色のストールみたいのを肩にかけて……不安そうに、青い目がこちらを見ている。
ちなみに超、めっちゃ、美少女。
手にはきらきら細工がこまかいロッドを握っていて……思い出しました、思い出しましたよ!うわあ。
彼女はゲームのヒロインちゃん、アエリアーナ。

ノベルゲームっていうのかな、選択肢でいろいろストーリーが変わるやつ。あれだ、うわあ。
このゲーム……………陵辱系のエロゲなんだよね……………
この美少女ちゃんがぐちょぐちょにされるやつ。
……ってことは、今アエリアーナの近くにいる男どもが今から彼女を……
………………いかん、期待してはいけない。

というか、問題は、俺だ。
思い出した……この感じ、スチルにあった。
後ろを振り向くと……記憶通り、あったよ、なんか扉っぽい形になってるボロい岩。まあ、ただのモニュメント的なものらしいけど。
そうだ――この立ち位置、細い体、黒紫の長い髪。
敵ですよ、敵。
その名も『第一の災禍』。
……よりによって、憑依だか生まれ変わりだかが、こいつかあ……
……おい、なんで人生覚えてないのにプレイしたゲームは思い出せるんだ!

まあ、なんとなく状況は分かった。
俺こと第一の災禍は、長い間封印されていたところを復活したんだ。そういうゲームの場面だ。
その復活に間に合って、今にも襲いかかってきそうな、主人公アエリアーナたちに……

俺は、土下座をした。
がんっ!と、地面に頭をつけて。

「すいまっせん!見逃して!」

情けないと言うな、このままだとマジでヤバイ。
このままだと、1時間もたたずにずったずたに切り裂かれて消滅コースだ!
必死に地面に頭を擦り付ける。
必死にごめんなさいとすいません、あと、どっかに隠れて出てきません、とか言ったと思う。繰り返して言った。
しばらくして――

「きゃっ」

と、可憐な悲鳴。

「ダイン!?」

と、焦ったような男の声。

「やめろ、何をするんだ!」

と、怒鳴る男の声。

えっ、と頭を上げると――
戦士っぽい男が、剣を振り上げていた――近くにいた、白っぽい鎧の男と、そのうしろにいるアエリアーナに、向かって。

(げえ、ゲーム通りかよ!?)

本当ならボス戦、つまり、俺との戦いがあるはずなんだが、それが綺麗にスキップされた。
で、続くのは――満を持して、陵辱タイムだ。
戦士が、アエリアーナを襲って犯す。
なんでそんなことになるのかは設定が――ええい、待て待て!

ヒロインちゃん、マジで好みなんだよ!
ここ数年で一番のヒット!俺のど真ん中趣味!
その子があんなことやこんなことに……いや、ゲームで散々舐めるように見たし抜いたけど!
現実で見たら可哀想すぎて俺泣いちゃう!

「だめだ!」

とっさに、自分ができることをと、手を伸ばしたらそれと一緒に、するぅーっと、髪が伸びていった。
髪がどんどん伸びて、ものすごい速さで、戦士の腕に絡みついた。

「あっ出来た!?」

驚きだ、ゲームと同じことができる。
敵の第一の災禍は、こうやって相手に髪を絡みつかせて……あ、れ?
なんか、髪を伝って、こっちになんか……流れ込んで、くる?
変な感覚。
それがなんなのか、初めてのような、覚えがあるような……そんな気分に気を取られてた。
とつぜん、ぐんっ、と伸びてた髪を前に引っ張られる。
うお、すごい力。
どしゃっ、て前のめりに倒れて顔を、地面に打ちつけて(痛くなかった)、びっくりして上を見上げると――

「え?」

さっきまで向こうにいた戦士が、俺を見下ろしていた。
その、金色の目が。

(やば……)

完全にキマっちゃってる!?

「え?なに?え?」

戦士が、俺を上から押さえつける。なんか、柔道で見るような寝技みたいな。

「ちょ――待って、なに、なんなの、」

完全に乗り上げられた。
ガチャガチャと金属がぶつかるような音がする。
で、腰のあたりをぐっと、握りつぶされそうなほど掴まれた。

「え……」

待って、ほんとうに、まって。
腰を持ち上げられた。
……今思い出したけど、俺、全裸なんだよね、スチル通りだと。
嫌な予感に、どきどきと胸が鳴りはじめて。
その、浮いた腰の、股に、固いものが、ぐりって、

「えっうそ、うそ……ぐあぁ!?」

ずんっ、て、きた。
すっごい、体割れそう。
……串刺しだもんな。
うそだろ……

おれ、掘られて、る。

(BLゲーじゃ、ないだろ)

転生人生開始数分、男に犯られた。
やっぱゲーム違うの!?どんな世界だよ……!
うわん、ってなんか耳鳴り、痛い、けどそこまでじゃ、ともかくなんか、ショック。
ずっずっ、って入ってきて、大き……

……あ、あれ?なんか、痛くなくなって……?
……なんか……
……お、おいしい?

「ふあ……?」

なんだこれ。
なにこれ、おいしい。
おいしい!
すっごいのくる!

ごちゅっごちゅって、音するし、叩かれるみたいな感じはしてる。
なんか腰が浮いてて膝がついてないんだけど……
はらのなかにいっぱいくる!
なんで、美味しい?いつもなら頭で美味しいって思うのが、腹のなかに、くる。
わかんない、ともかく――おいしい!

「ふ、あああっ!おいしい!」

ごん、ごん、て、腹にくる。
おいしいし……きもちがいい。
やめられないとまらない。
これ、すっごくいい!
美味しすぎて、なにもかもどうでもいい……おれこのままがいい……
がんがんおいしいのが、いっぱい来て、ぐいぐい腰が持ち上がってる。その分、地面にべったりの肩とか顔とかじゃりじゃりいってるけど気にしない。
ずんっ!って……いっぱいきたぁ!おいしいの、どくどくって!

「ふ、あ、……ああ、やば、うま……」

きもちいい。おいしい。
そればっかだな、ほんとにもう、これ、いい。
すぐに、また美味しいのが送られてくる。
どうなってるんだろ、俺?
なんか、だめな感じになってる。
身体がぐにゃぐにゃして、熱い。
美味しいのがいっぱい来て、幸せ。
きもちー……
……
…………
…………――
………………――――

……さすがに、限度がある。

「ふ、ぐっ……あ、ん、だめ、はら、いっぱい……もう、」

腹いっぱい、っていう感覚があって、それで目が覚めた。
……なんか、さっきまで頭がすっごいおかしなことになってた気がするんだけど!?
いや、とにかく、この状態から……この、俺の上で腰振っちゃってる男から、逃げたい。

戦士は、こう見ると鎧(着けたまんま!?)と、体格がでっかいのもあって、めっちゃ男!って見えてた気がしたけど、けっこー若い。俺と同じくらいじゃないかな、顔立ちがそんな感じ。深い青い髪はボサボサ、目はめちゃくちゃ鋭い金色。スチルもあったんだけど、だいたいヒロイン陵辱の時ばっかりで、いまいちピンボケしてるのが多かった。竿役だしな。
表情は、無表情だ、こんなときでも。まあそういうキャラなんだ。
ただ、汗をかいてて顔が真っ赤だから、ちゃんと体は正常なんだなー。

っていうか、いいかげんはなして!

「も、だめ……だめだからぁ……!うっぐ」

なんか涙声になってるな、俺。
だって、もう、ほんとに限界。
膝を肩につくまで上げられて、上から大きい鎧の男が腰を叩きつけてる。
……種付けプレスっていうんだっけ?オタク用語ー
んで、さっきちらっと見えた俺の腹。
なんか、膨れてる。
いや、現実には無理っしょみたいな、腹ボテ。オタク用語?
本当に、精神的にも物理的にも、お腹いっぱいで、苦しい。

「っぁん、やぶれ……ふあっ!?」

……また、追加された。

「いやだぁ……ぬいて、もう、むり、いっぱいだから……あう、」

これは、無意識なんだけど、戦士に俺の髪が絡みついた。
たぶん、引き剥がそうとしたんだろうな……けど、戦士は手で掴んでぶちっ、って。
……さすが災禍(ボス)の中でも最弱。よわよわよ。
本格的に泣き出した俺に、奴は、笑った。
にやり、って、ものすごい、悪役顔で。

胸が、きゅんって。
って、え!?

「……あっうそ、えっやっやだよ、もう、もうだめぇー!」

さっきよりもがんがん攻められ、真上から、いっぱい、あっ、だめ。
も、もう、し、ぬ……
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