【第2章完】過労死した俺、今度は異世界で影の力を駆使して死なない程度に頑張ります。

疾風

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幕間 悠斗たちの日常

第8話

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 リリーナとリリーナの父を助けた悠斗は、行くあてがなかった。しかし、リリーナ達の好意により、しばらくはリリーナの家にいても良いとのことだった。
 なので悠斗はお言葉に甘えて居候させてもらっている。
 
 ある日の午後、悠斗とリリーナは、家の中でリリアと一緒にのんびりと過ごしていた。リリアは、事件を解決した後は頻繁に遊びにくるようになった。

「ねぇ、ユウト。あなたの影の力って、もっと色んなことに使えたりしないの?」

 リリーナがふと興味を示して聞いてきた。

「うーん、戦う時に役に立つってことはわかったけど、それ以外はまだ試してないな」

「その力使って何かに使えないかな?例えば……掃除とか!影の力で掃除ができたら、すごく楽になるんじゃない?」

 リリーナが目を輝かせて言うと、リリアは少し微笑んだ。

「面白そうね。影でホコリを払ったり、物を運んだりできるかもしれないわ。ぜひ見せてほしいわね、悠斗」

「おいおい、本当にそんなことできるのか?俺、そんな器用に影を使ったことないぞ?」

 悠斗は少し困惑しながらも、リリーナとリリアに期待の眼差しを向けられては、試さざるを得なかった。彼は影の力を手に集中し、足元に広がる影を伸ばしてみる。

「じゃあ……その辺にあるホコリを集めてみるか」

 影が床を這い、部屋の隅に溜まっていたホコリをすくい上げようとする。だが、影がホコリを掴もうとするたびにホコリがふわっと舞い上がり、逆に部屋中に散らばってしまう。

「うわああああ、なんでこうなるんだ!?」

「ふふっ、不器用ね。ホコリが部屋中に散らばってるじゃない……。余計に部屋を汚くしちゃだめよ」

 リリアがくすっと笑い、リリーナも手で口元を押さえながら吹き出した。

「影の力って、便利そうだけどなかなか扱いが難しそうだね。まるでユウトみたい」

「どういう意味だよ……それ」

 リリーナとリリアにからかわれ、悠斗は苦笑いを浮かべる。

「次はもっと上手くやってみせるから!」

 悠斗は再び影を操り、今度は影をホウキのように使って床を掃き始めた。しかし、力加減を間違えたのか、影が勢いよく床をなぎ払い、リリーナの家の中を土ぼこりが舞い上がる。

「きゃっ、ちょっとユウト!ホコリが目に入る!」

「わわっ、ごめん!なんか予想以上に力が入っちまった!」

 リリアもローブをばたばたさせながら、顔を覆うようにしている。

「全く、もっと優しくやってよね。……影の力で掃除するのは、やめたほうが良さそうね。まだ練習が必要みたいだわ」

 リリアは少し呆れながらも、笑いを堪えているようだった。悠斗は真っ赤な顔をして頭を掻き、部屋中に舞い上がったホコリを見つめて溜息をつく。

「……まさか、掃除の方が戦いよりも難しいなんて……」
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