【第2章完】過労死した俺、今度は異世界で影の力を駆使して死なない程度に頑張ります。

疾風

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第2章 過労死した俺、リリアが顔を隠してる理由に迫る。

第24話

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 アグラヴァインはよろめきながらも冷ややかな笑みを浮かべ、さらに巨大な影の塊を生み出した。その影は波打ち、全員を飲み込むかのように四方に広がり始める。

「私を本気で倒せるとでも思ったか?」

 その威圧感に悠斗の心が怯みかけるが、リリーナが風の精霊をさらに呼び出し、力強く励ましの声をかけた。

「諦めちゃダメだよ、ユウト!精霊たちがまだ力を貸してくれる!」

 悠斗はリリーナの言葉に力をもらい、リリアもまた影の力を振り絞りアグラヴァインに対抗しようと構えを取った。イザークもまた、剣を携え、静かな闘志を滾らせるように影を纏わせた。

「皆で協力すれば、やれるかもしれない」

 イザークが冷静な声で語りかけると、三人は再び影と精霊の力を駆使してアグラヴァインの影に立ち向かっていく。王国の騎士たちも再度立ち上がり、アグラヴァインの影を阻止しようと攻撃を仕掛ける。しかし、アグラヴァインの力は尋常ではなく、影の刃があたりの空間を切り裂き、騎士たちも次々と押し返されてしまう。

「やはり王国の加勢だけでは、この一族の長を抑えきれないのか……!」

 イザークは歯を食いしばり、再度、影の力を極限まで集中させてアグラヴァインの影に突き進んだ。しかし、長の影の力は恐ろしく強大で、反撃するたびにイザークの影も押し返されてしまう。さらに、アグラヴァインの影の触手がリリーナに向かって襲いかかり、彼女も精霊の力で応戦するが、限界が近い様子だった。

「くっ、なんて力なの……!」

 リリーナが額から汗を流しながら精霊に指示を出し、風の壁を張り巡らせると、なんとか影の触手を押し返したが、アグラヴァインの力は尽きる気配がない。悠斗も全力で影の防御を張り巡らせつつ、反撃の機会を窺っていた。

「これじゃ勝てない……!」

 アグラヴァインの影が一層広がり、さらに強力な一撃が放たれようとしたその時、館の外から再び騎士団の号令が響き渡った。さらに増援が到着したのだ。

「増援だ!」

 悠斗が希望の光を見出すも、アグラヴァインは冷たい笑みを浮かべ、瞬時に戦況を見極めた。

「小賢しい奴らめ……。今回はこのくらいにしておこう」

 そう言い残すと、彼は大きく手を振り、彼の影が一瞬にして彼らを包み込むように煙のように広がった。視界が暗闇に閉ざされ、悠斗たちは一瞬、周囲を見失った。しかし、その暗闇が消えた瞬間には、アグラヴァインと数名の影の一族は館の奥深くへと消えていった。

「ちっ逃げられたか……」

 悠斗は悔しげに拳を握りしめ、残された闇の余韻を見つめた。リリーナも疲労に肩を落としながら、悔しそうに館の奥を見つめる。

「彼らが残した悪しき影の影響は大きい。これからも、また影の一族の残党が襲ってくるかもしれない」

 イザークは冷静に言葉を継ぎながらも、その目には決意が宿っていた。

「だが、影の一族が大きなダメージを受けたのも事実だ。これで、リリアも少しは安全になるだろう。だが、再び彼らが活動を再開する前に、完全に影の一族を討つ必要がある」

 悠斗、リリア、リリーナは深く頷き、疲労を抱えながらも互いに新たな決意を確認し合った。

「次こそは、絶対にあいつらを止めてみせるさ」

 悠斗の力強い言葉が響き、闇の回廊の静寂を切り裂いた。
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