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2.出会い

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まずミレイが初めにしたことはマリア様と入学式前に知り合うこと。マリアはゲーム中盤から皇太子を愛しすぎてメンヘラ気味になっていき後半から主人公の嫌がらせがひどくなっていた。それに対抗するようにマリア様の前でイチャイチャする主人公と皇太子にいつもミレイはイライラしていた。そう。皇太子というアスカルドに依存しなければ素晴らしい女性なのだ!

だからまずマリア様が破滅に進まないように何かしらの接点を持って皇太子の事が好きならミレイは全力で応援することを誓う。

マリアは公爵令嬢。男爵令嬢のミレイでは会うのは難しい存在。学園に入れば嫌ってほど関わりあうだろうがそれでは意味がない。どうにか会えないかとマリア様の家であるエルトリス家近くの街に来てみたものの何をすればいいかわからずさまようミレイ。

さまよっていると人通りがなさそうな細い路地から声が聞こえる。幼い子供の泣き声。ここで生きてきたからわかる。人攫いだと。

こそっと覗くと男は3人。ミレイだけでは太刀打ちできない。近くに兵士か誰か居ないのかとキョロキョロするも誰も居ない。どうしようと迷っている間に女の子が連れ去られる。じっとしてられるわけもなく騒いだら誰か来てくれると信じて飛び出した。

『その子を離して!!』

誰かと言葉が被った。「え?」って思って左を見るとそこには憧れのマリア様が居た。もうミレイは人攫いどころではなく固まってしまう。マリアは騎士を連れて歩いており騎士が相手をしている間に連れ去られそうになった女の子とミレイを引っ張って細い路地から3人で逃げた。

マリアの必死な横顔を見てミレイは心を撃ち抜かれる。

マリア様だ。本物だ。何か話そうとしても言葉が出てこない。憧れの大好きな推し。ミレイは涙を流した。そしてだいぶ離れた所でミレイと女の子はベンチに座った。泣いちゃったミレイを見て「やっぱり怖かったんでしょ!無理しちゃダメじゃない!!でもこの子を助けようとしてくれたのよね??ありがとう」と綺麗に微笑む推し。キラキラしてる紫の瞳に吸い込まれる。

「見ない顔ね…。どこかの街から??」

「あ、はい…」緊張で声が出ないミレイ。

「知らない街でよく人攫いと張り合おうと思ったわね…無茶しすぎは禁物!」

話していると周りに人が集まる。「マリア様!」「マリア様!こんなところでどうされましたかっ!」「手伝えることがあるなら言ってくださいね!!」住民たちはマリア様をとても慕っていた。とてもいい街。マリア様は住民に事情を話し、ミレイと女の子を見ていて欲しいとお願いしてマリア様は事後処理の為にさっきの路地に戻っていった。

ミレイの着ていた服は貴族に見えない服で完全に遊びに来た平民扱いになってしまった。後で男爵令嬢と知られたら「ご無礼を…」と謝られるのが目に見えていたミレイはあえて身分を言わなかった。
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