【全94話】魔力一般人以下、最強少女の秘密【完結】

なつ

文字の大きさ
33 / 97

31.見学

しおりを挟む
今日は会長エルティア・アルトリスさんのクラス3年3組の見学させて貰えることになり、魔法も教えて貰う約束をしたらしくリンとカナ、シノの3人で行くことになった。

1年生は特定のクラスに「教えてほしい」と言えば教えて貰える制度がある。大体10月ぐらいまでだ。それ以降は個人のやりとりとなる。

その特定のクラスと言うものは3-1は1-2.1-4。3-2は1-3.1-7で3-3は1-1.1-5。そして3-4が1-6。

それはランダムでくじ引きなどで決められる。
リンたちは当たりクラスといって会長直々に教えて貰えるのだ!

サドワード学園1年生のクラスは7クラス。そこからどんどんと生徒が減っていく。それは各学校それぞれだ。3年生の優秀な生徒は実践活動を行い、実際の魔法師の元で戦い方を学ぶ。会長の実践活動回数は他の生徒とは比べ物にならない。

その中で挫折したり、怪我をし、戦えなくなったり、時には命をも落としてしまう。

その事を事前に説明され契約の元戦場へ出ているのだ。危ない遠征などは基本的にいかないが悪魔はいつ出てくるかわからない。生徒を含め全滅だった例もあるという。

会長の学年は今4クラスしかない。

魔法師は不足しているにも関わらず悪魔などを見たことない生徒が多いため、見てしまった最後自主退学をする生徒が続出するらしい。

やはり自分が1番可愛くて死にたくないのだろう。
どれだけ「国民のため。」「世界の平和のため」など言っていても自分の最後を自覚した時には魔法師になったことを後悔するものも少なくないだろう。

今のところ自主退学が1番多い理由だと言う。

夏休みなどで一旦家に帰ったときに魔獣と出くわし、戦い、命を落とす。サドワール学園の生徒だから戦えるなどと周りの勝手な思い込みで戦いをするしかない状態など様々だ。

魔法師部隊に戦えると判断された生徒が実際に厳しい戦場へ派遣される実践活動もある。会長の他にも書記のエレノアさんもその実践活動を経験している。かつて副会長だったアルアインと言う3年がいたらしいがリンたちが入学する少し前に悪魔と戦い死亡した。魔法師としての素質があり、みんなから愛されていたという。

亡くなった次の日には全校生徒での黙祷が行われた。

それだけ命と隣り合わせの仕事だということ。それを理解しなければならない。

生半可な気持ちで魔法師を目指してはいけない。

会長のクラスとは言っても1年生みたいにクラス対抗がある訳ではなく、個人戦やグループ戦が主な競技。

実践ではクラスほどの大人数では動かないためだろう。

3年3組が練習しているという演習場にはきたもののみんなそれぞれ自分の練習をしており、1年生とは比べものにならないほどの魔法と目つき。覚悟が出来ている目だった。

リンたちはこんな所にきてよかったのかと3人で目を合わす。そこに...。

会長「あっ!来たのね!ようこそ!3組へ!」

カナ「エル姉...。私たちこんな所に来てよかったの?!ものすごく場違いな気がするんだけど...。」
と小さな声でコソコソ言う。

会長「全然大丈夫よ! 気にしないで?」

カナリア「気にするに決まってるじゃない!」と思わず叫んでしまった大きな声で集中していた周りの人達も3人に気がついた。

「会長~!今日来ると言っていた子達だよね?」
「あ!貴族のカナリア・マーベラスさんね!よろしく!」

カナリア「あっ。はい。あ!よろしくお願いします!」

「緊張しているの?そんなに身構えなくても大丈夫よ!」と笑顔で話してくれる人。

「会長~この子達の指導さ~会長自ら教えるんだよな~?」と会長に尋ねる男の先輩。

会長「まぁそうなるかしら、時間が許す限りだけどね。あまり時間もないし、さっそく始めるわよ?」

3人は声を揃えて「はい!お願いします!」と頭を下げた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【12月末日公開終了】これは裏切りですか?

たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。 だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。 そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです

竹桜
ファンタジー
 無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。  だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。  その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...