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41.脅し

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5組の生徒「全体への指示が出来なくなったのはさすがにキツすぎる。もうこれは作戦をバレながら戦って行かなくては...。」

トランシーバーを使い全体へ指示する。

5組の生徒「みんな!最初の位置へと戻ってきて。声が聞こえる範囲でみんなで2組を倒そう!」

もちろんその指示を聞いていたマルクス。

 マルクス「マリア様...。こんなにも5組が愚かだと知りませんでした。」

マリア「私もビックリだわ。もう早く終わらせましょう。」

トランシーバーを使って2組の指示を始める。

マルクス「攻撃班の皆さん。どうやら5組は最後の賭けに出たようです。5組を見つけ次第その後を追ってください。追いかけた先が旗の場所となっているでしょう。」

2組の生徒「了解です!」

キレイに旗のところまで案内をしてくれる5組。トランシーバーを取られて動揺したのか木の上など全く見ないためすぐに旗の近くまで来れた。

マリア「マルクス。旗の位置の連絡が来たそうよ。私が行ってさっさと終わらせてきますわ。早く日の当たらない場所に戻りたいですし…」

マルクス「はい。お願いします。」

マリアが相手陣地の旗の近くまで行き、もちろんのこと5組が構える。

そんなことを気にする訳でもなくマリアは指を鳴らした。

それに気づいた生徒がバリアを張ったが間に合わない。

残った生徒は3人。旗もすぐ近くにある。

そこでマリアが提案する。

マリア「5組の皆さん。もう分かってらっしゃると思うけれど、もう負けが決定しましたわ。そこで提案です。ギブアップしてください。プライドとかうるさいことをいうのでしたらめんどくさいので即ダウンですわ。」

ニコッと笑いながら脅しをかけたマリア。

5組の生徒は話し合うわけでもなく3人揃ってギブアップを選んだ。

その瞬間。2組の勝ちが決定し、この戦いは幕を閉じた。

カナリア「マリアは指しか鳴らしていない。ほかの攻撃手段が分からないからこそ他の力に恐れたのね。」

シノーラ「さすが貴族様…。」

カナリア「マリアは自分の得意魔法を使ってない。しかも驚くことにすぐに力を使うと思ったのにこの戦いでマルクスって子は1度もホルスを発動させていない。元々頭がいいんだろうとは思っていたけれど想像以上。あの頭にホルスの力がつくなんて...。これは2組の圧勝になるわけだ。」

本当に言う通りだった。ホルスってのを見れるとリンは思っていたのに1度も使わず試合が終わってしまった。

だが、この試合で知れたことも沢山ある。

それはマルクスの考え方。勝つためにはなんでもする。ルールは破っていない悪魔的な考え方。

マリアを信仰し、完全にマリアのために動いている。

それは危険な信仰。もし、マリアに何かあった時マルクスは何をするかわからない。

次は3組VS7組。

この試合は7組が先手をうち、7組が思っている試合展開になって、7組があっさり勝った。

どうやらこの試合を早く終わらせたかった模様。2組に戦術を見られたくなかったのだろう。みんな考えることは同じだ。

だが、マルクスはたったこれだけの試合で大体の戦い方がわかったという。

それはホルスを使ったのかただ単に見極めたのかはわからない。

底知れない力をもつマルクス。
2組と7組の対戦が決まったのは一旦忘れ、次は1組と4組の戦いが始まる。

カナリア「みんな勝つよ!」

1組の生徒「おぉー!」
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