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76.終了

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カナリアたちの前に現れカナリアと共にどこかへ瞬間移動したリン。

「まだ近くにいるはずだ!」と探すも見つからない。今の戦いでお互いの人数は数えれるほどになり、1校はバラバラになる。

1校8人。3校12人。となった。今回は3校がおしていたが直前の2校との戦闘でダウン者がいたために差があまりない人数となった。

カナとリンは体制を整えるべく距離を取り作戦を考えるがカナはどうしても確かめたかった。リードが言っていたことを…。

カナ「リンが来てくれてなかったらたぶん負けてた…。ありがとう。でね、さっき聞いたんだけどジンを倒したってホント?」

リン「ジンがダウン?さっきよく逃げれたなって思ってたんだけど、そうだったんだ。ごめんね、信じられないかもしれないけど、確かに森でジンに会ったよ。でも気が付いたら一人になってた。アラームの時間からしてジンと話してたはずなのに何も覚えていない。しかも目が腫れてるでしょ?泣いて目を擦ったのかな?ってぐらいしかわからないんだ。」

カナ「わかった。ありがとう。その話は勝ってからだね。」

リン「そうしてくれると助かる。」

ダウン情報はリードから流れていたということもあり、お互いがリーダーを知ってる状態の戦い。リンなら瞬間移動で懐に入れる。今のリードは通常の判断もできない状況で1校の勝利は時間の問題だった。クラスのみんなを置いてきたということもあり、バラバラになってから2名のダウン情報が届いた。そのダウンしたときに相手も倒れたのかという情報がないために相手の人数がわからなくなってきた。

行動するなら早い方がいい。幸いリンの透視能力でリードを見つけることができた。カナは攻撃の準備満タンでリードの背後に現れリードに攻撃をぶつけ3校の生徒が目の前から消えた。

その瞬間1校勝利の放送が流れる。3時間も経っていない戦いは肝心なジンの戦闘がカメラに映らず例年に比べあまり盛り上がらなかった試合はそれぞれが思う中、あっけなく終了した。

リードは走った。ジンの所へ。そこにはさっきまででは想像もしなかった光景があった。回復魔法士が5人も居てジンを囲むように治療しているその光景は平常心を保てるわけもなく人に聞くしかなかった。聞いても右手を複雑骨折や粉砕骨折をしていて治癒には3日はかかるという身体の状態しかわからない。その時初めてカメラが壊れていたという話を聞いたリード。主が負ける姿が放送されなくてよかったとホッとする半面、どんな卑怯な手を使ったんだと怒りがこみ上げる。気を失っている今の状態では見守ることしかできずリードは自分を責めながら病室の前でただただ座っていた。
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