13 / 122
何も知らない聖女
薬作り(2)
しおりを挟む
次にクララが毟った薬草は、エンジ草と呼ばれるものだった。この薬草には、傷を塞ぐ効果がある。ただし、草のままだと、その効果はかなり弱い。
「これは、軟膏にしないと。だから、まずは、精油? っていうのを作るんだよね」
クララは、エンジ草の葉を持って、蒸留釜がある場所に向かう。蒸留釜は、少し大きなものなので、薬室の端の方に設置されていた。
「えっと……蒸留釜に水を張って、その上の網にエンジ草を並べておく。その後は……冷却器に水を流し続ける。これで、葉っぱの精油が揮発して、この冷却器で液体に戻る。液体に戻ったものの上部が精油で、下のが芳香蒸留水っていうのなんだ。このうちの精油を取り出せば良いんだよね。よし! やってみよう!!」
クララは、メモを見ながら、蒸留釜の準備を進めていく。蒸留器の底に水を張り、その上に網を敷く。網は、水面よりも三センチ程上に敷かれる。網の下に足があるため、このように設置することが出来る。
次に、冷却器に繋がっている水道の栓を開いて、水を流していく。こういった水道設備も人族領にはないものだった。
最後に、蒸留器の下にある加熱器のスイッチを入れる。これで、精油を取り出すことが出来る。この様な方法を、水蒸気蒸留法と呼ぶ。
これらは、全部、魔王城にあった薬学書に書いてあった事だ。
「あっ、出て来た」
少し待っていると、冷却器の出口から少しずつ精油と芳香蒸留水が出て来た。クララは、それらが容器に溜まるまでの待機時間で、鍋でお湯を沸かし、ベースとなる蜜蝋も用意していく。
「もう大丈夫かな?」
クララが蒸留された精油を見てみると、精油と芳香蒸留水の二層が器に出来ていた。まだ精油や芳香蒸留水が出ているので、器を取りはしないが、上層に分かれている精油を掬う。
「このくらい掬えたら良いかな。これを蜜蝋と合わせて、湯煎に掛ける。大体、蜜蝋が一の精油が四くらい。蝋の量が軟膏の硬さに影響するから、少しずつ調整していかないと。こればかりは、何度も試行していく必要がありそう」
クララは、湯煎に掛けた精油と蜜蝋を合わせたものを、アルコールで消毒した容器に入れて、一度鑑定で中身を確認してから、冷蔵庫に入れて冷やす。この冷蔵庫は、魔力を保有する魔石と呼ばれるものを原動力に、中身を冷やしている。
「消毒液と傷薬は、多分問題なく作れる。一応、何回か作って、作り方や器具の使い方を見ないでも作れるようにしよう」
それからクララは、消毒薬を五つと傷薬を三つ作った。そんな中で、クララの視線が、ライナーから説明を受けた魔力注入器に注がれる。
「これって、本当に薬とかに使えないのかな?」
クララは、初めて魔力注入器を見たときから、使ってみたいと思っていたので、興味本位で消毒薬を乗せた。
「えっと……この部分に手を当てて、魔力を流し込むんだよね」
クララは、魔力注入器の側面に手を当てて、魔力を流し込む。すると、中央にある魔法陣が金色に光り始め、四隅の柱にも同様の光が纏わり付き始めた。
「綺麗……」
そんな風に思っていると、金色の光が消毒薬に集まり始める。消毒薬が、仄かに輝き始める。そのまま魔力を込め続けると、消毒薬を入れている瓶に罅が入る。
「へ?」
魔力を込めるのを止めれば良かったのだが、突然の事で、クララは反応が遅れてしまった。目の前で消毒薬が弾ける。
「きゃっ!?」
消毒薬とガラスの破片が飛び散る。クララは驚いて呆然としてしまう。そこに、クララの部屋を掃除していたリリンが、飛び込んできた。
「何の音ですか!?」
「あっ、えっと……実は、魔力注入器を使って消毒薬に魔力を注入していたら、爆発してしまったんです」
「薬に魔力を……? 魔力注入器で爆発が起こるなんて、聞いた事がありませんね。聖女の魔力によるものでしょうか……まぁ、そのような事は、どうでもいいです。お怪我はありませんか?」
「あっ、はい。大丈夫です」
クララは、自分の身体を見下ろしてから、そう返事をする。クララの身体には、傷一つ付いていない。身体のどこかが痛いというわけでも無いので、怪我はしていないで合っているだろう。
「はぁ……薬作りは、しばらく、私の監視の下にやってもらいます。いいですね?」
「あっ、はい。分かりました」
リリンは、クララを一人で薬室に置いておくと、いずれ怪我をしそうだと思い、クララが薬室にいる間は、クララを見守る事にした。クララも自分で怪我をしそうだと思い、素直に頷いていた。
「今日は、いかがなさいますか?」
「もう終わりにしておきます。後は、片付けるだけなので、お掃除に戻っても大丈夫ですよ?」
「いえ、こちらも一段落は付いているので、お手伝いします。取りあえず、ガラスの片付けは、私がやります。他のご自分で片付けた方が良いものをお願いします」
「はい」
クララは、自分で使った器具を洗いつつ、元あった場所に仕舞っていく。
「どうでしょうか。薬室の器具は、うまくお使い出来そうでしょうか?」
「そうですね。魔力注入器以外は……」
クララが、苦笑いでそう言う。
「そうですね。取りあえず、何度か使って慣れていきましょう」
リリンは、そう言って微笑んだ。慣れない器具を使っているので、失敗は仕方のない事だ。それを頭ごなしに叱ると、クララの成長の余地がなくなってしまう可能性があると考えたリリンは、優しく接する事にしたのだった。とはいえ、あまりに危険な事をするようであれば、叱る気ではいる。
「消毒薬が四つに、傷薬が三つですか。慣れていけば、もっと最適化して作れるでしょう」
「そうですね。やり方は覚えたので、もっと早く作れると思います。分量の比率もある程度把握しましたし」
今回の調合で、クララは手応えを感じていた。初めて使う器具も、何とか使う事が出来たからだ。そのおかげで、今までで一番出来の良い薬を作ることも出来た。魔力注入器では失敗してしまったが、時間を掛ければ、それも使える様になるだろうと考えていた。
薬室を片付け終わったクララ達は、クララの部屋に戻った。
「楽しかったですか?」
「はい! 今まで使った事が無いものも使えましたし、凄く楽しかったです!」
「そうですか。良かったですね」
満面の笑みでそう言ったクララを、リリンが優しく微笑みながら頭を撫でた。
「そろそろ夕飯のお時間ですね。取りに行って参りますので、少々お待ちください」
「はい。分かりました」
リリンが、夕飯を取りに行っている間も、クララは薬学書で勉強を続ける。夕飯を食べた後は、お風呂に向かう。
あれから、毎日お風呂に入っているのだが、クララは一向に湯船に慣れなかった。腹まで水面があるので、少し怖いのだ。そして、この湯船は、場所によっては、リリンが沈む程の深さの場所もあるので、深さを把握していなければ、簡単に沈んでしまう。
そのため、いつもリリンに抱えられながら浸かる事になっていた。一度だけ、リリンから離れてみた事もあるのだが、この世の終わりを見ているのではないかと思うくらい不安そうな顔をしたので、すぐにリリンが抱き上げた。
クララがお風呂に慣れるときは来るのだろうか……
「これは、軟膏にしないと。だから、まずは、精油? っていうのを作るんだよね」
クララは、エンジ草の葉を持って、蒸留釜がある場所に向かう。蒸留釜は、少し大きなものなので、薬室の端の方に設置されていた。
「えっと……蒸留釜に水を張って、その上の網にエンジ草を並べておく。その後は……冷却器に水を流し続ける。これで、葉っぱの精油が揮発して、この冷却器で液体に戻る。液体に戻ったものの上部が精油で、下のが芳香蒸留水っていうのなんだ。このうちの精油を取り出せば良いんだよね。よし! やってみよう!!」
クララは、メモを見ながら、蒸留釜の準備を進めていく。蒸留器の底に水を張り、その上に網を敷く。網は、水面よりも三センチ程上に敷かれる。網の下に足があるため、このように設置することが出来る。
次に、冷却器に繋がっている水道の栓を開いて、水を流していく。こういった水道設備も人族領にはないものだった。
最後に、蒸留器の下にある加熱器のスイッチを入れる。これで、精油を取り出すことが出来る。この様な方法を、水蒸気蒸留法と呼ぶ。
これらは、全部、魔王城にあった薬学書に書いてあった事だ。
「あっ、出て来た」
少し待っていると、冷却器の出口から少しずつ精油と芳香蒸留水が出て来た。クララは、それらが容器に溜まるまでの待機時間で、鍋でお湯を沸かし、ベースとなる蜜蝋も用意していく。
「もう大丈夫かな?」
クララが蒸留された精油を見てみると、精油と芳香蒸留水の二層が器に出来ていた。まだ精油や芳香蒸留水が出ているので、器を取りはしないが、上層に分かれている精油を掬う。
「このくらい掬えたら良いかな。これを蜜蝋と合わせて、湯煎に掛ける。大体、蜜蝋が一の精油が四くらい。蝋の量が軟膏の硬さに影響するから、少しずつ調整していかないと。こればかりは、何度も試行していく必要がありそう」
クララは、湯煎に掛けた精油と蜜蝋を合わせたものを、アルコールで消毒した容器に入れて、一度鑑定で中身を確認してから、冷蔵庫に入れて冷やす。この冷蔵庫は、魔力を保有する魔石と呼ばれるものを原動力に、中身を冷やしている。
「消毒液と傷薬は、多分問題なく作れる。一応、何回か作って、作り方や器具の使い方を見ないでも作れるようにしよう」
それからクララは、消毒薬を五つと傷薬を三つ作った。そんな中で、クララの視線が、ライナーから説明を受けた魔力注入器に注がれる。
「これって、本当に薬とかに使えないのかな?」
クララは、初めて魔力注入器を見たときから、使ってみたいと思っていたので、興味本位で消毒薬を乗せた。
「えっと……この部分に手を当てて、魔力を流し込むんだよね」
クララは、魔力注入器の側面に手を当てて、魔力を流し込む。すると、中央にある魔法陣が金色に光り始め、四隅の柱にも同様の光が纏わり付き始めた。
「綺麗……」
そんな風に思っていると、金色の光が消毒薬に集まり始める。消毒薬が、仄かに輝き始める。そのまま魔力を込め続けると、消毒薬を入れている瓶に罅が入る。
「へ?」
魔力を込めるのを止めれば良かったのだが、突然の事で、クララは反応が遅れてしまった。目の前で消毒薬が弾ける。
「きゃっ!?」
消毒薬とガラスの破片が飛び散る。クララは驚いて呆然としてしまう。そこに、クララの部屋を掃除していたリリンが、飛び込んできた。
「何の音ですか!?」
「あっ、えっと……実は、魔力注入器を使って消毒薬に魔力を注入していたら、爆発してしまったんです」
「薬に魔力を……? 魔力注入器で爆発が起こるなんて、聞いた事がありませんね。聖女の魔力によるものでしょうか……まぁ、そのような事は、どうでもいいです。お怪我はありませんか?」
「あっ、はい。大丈夫です」
クララは、自分の身体を見下ろしてから、そう返事をする。クララの身体には、傷一つ付いていない。身体のどこかが痛いというわけでも無いので、怪我はしていないで合っているだろう。
「はぁ……薬作りは、しばらく、私の監視の下にやってもらいます。いいですね?」
「あっ、はい。分かりました」
リリンは、クララを一人で薬室に置いておくと、いずれ怪我をしそうだと思い、クララが薬室にいる間は、クララを見守る事にした。クララも自分で怪我をしそうだと思い、素直に頷いていた。
「今日は、いかがなさいますか?」
「もう終わりにしておきます。後は、片付けるだけなので、お掃除に戻っても大丈夫ですよ?」
「いえ、こちらも一段落は付いているので、お手伝いします。取りあえず、ガラスの片付けは、私がやります。他のご自分で片付けた方が良いものをお願いします」
「はい」
クララは、自分で使った器具を洗いつつ、元あった場所に仕舞っていく。
「どうでしょうか。薬室の器具は、うまくお使い出来そうでしょうか?」
「そうですね。魔力注入器以外は……」
クララが、苦笑いでそう言う。
「そうですね。取りあえず、何度か使って慣れていきましょう」
リリンは、そう言って微笑んだ。慣れない器具を使っているので、失敗は仕方のない事だ。それを頭ごなしに叱ると、クララの成長の余地がなくなってしまう可能性があると考えたリリンは、優しく接する事にしたのだった。とはいえ、あまりに危険な事をするようであれば、叱る気ではいる。
「消毒薬が四つに、傷薬が三つですか。慣れていけば、もっと最適化して作れるでしょう」
「そうですね。やり方は覚えたので、もっと早く作れると思います。分量の比率もある程度把握しましたし」
今回の調合で、クララは手応えを感じていた。初めて使う器具も、何とか使う事が出来たからだ。そのおかげで、今までで一番出来の良い薬を作ることも出来た。魔力注入器では失敗してしまったが、時間を掛ければ、それも使える様になるだろうと考えていた。
薬室を片付け終わったクララ達は、クララの部屋に戻った。
「楽しかったですか?」
「はい! 今まで使った事が無いものも使えましたし、凄く楽しかったです!」
「そうですか。良かったですね」
満面の笑みでそう言ったクララを、リリンが優しく微笑みながら頭を撫でた。
「そろそろ夕飯のお時間ですね。取りに行って参りますので、少々お待ちください」
「はい。分かりました」
リリンが、夕飯を取りに行っている間も、クララは薬学書で勉強を続ける。夕飯を食べた後は、お風呂に向かう。
あれから、毎日お風呂に入っているのだが、クララは一向に湯船に慣れなかった。腹まで水面があるので、少し怖いのだ。そして、この湯船は、場所によっては、リリンが沈む程の深さの場所もあるので、深さを把握していなければ、簡単に沈んでしまう。
そのため、いつもリリンに抱えられながら浸かる事になっていた。一度だけ、リリンから離れてみた事もあるのだが、この世の終わりを見ているのではないかと思うくらい不安そうな顔をしたので、すぐにリリンが抱き上げた。
クララがお風呂に慣れるときは来るのだろうか……
1
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる