13 / 63
第13話 上陸、フラッド・クラーケン
しおりを挟む
カナエとトレジャーハンター達の前に突如として現れた巨大な水生魔物は、生臭い匂いを撒き散らしながら触手を蠢かせて威嚇している。この魔物がハーフェンの街を襲って水没させたのは容易に想像できることで、カナエは急いでマリカ達のもとへと後退した。
「マリカ! ヤバいぜアイツは」
「恐らく、あの魔物はフラッド・クラーケンだよ」
「知ってんの!?」
「珍しい水生タイプで海の王者と呼ばれる伝承もあるらしい。肉食で普段は魚を食ってるんだろうけど、餌が少なくなって街を襲ったんだ」
魔物の多くは陸上生活をしており、海中で暮らす魔物は希少な存在だ。そのため内陸部に住む人間には認知すらされておらず、航海者達の間で噂になる程度である。特に現代のような通信が全く発達していない状況では情報の共有など困難で、マリカもアオナから聞いただけなので詳しい生態などは知らない。
「こりゃ退散したほうがいいな、マリカ」
「そうだね。触らぬ神に祟りなしって言うし」
「なんだそれ?」
「旧世界の格言だよ」
三人は車へと引き返そうとしたが、悲鳴が聞こえて立ち止まる。海面近くにいたトレジャーハンター達がフラッド・クラーケンに狙われているようだ。
「…見捨てるってのも後味が悪いよね」
「善人のマリカならそう言うと思った」
「出来得る限りの援護をして撤退を促そう」
マリカは背負っていた杖をカティアに渡し、魔弾による射撃で敵の気を引くように頼む。マリカ自身も魔弾の発射自体は可能なのだが、いかんせん射撃が下手なのだ。そのため高精度の狙撃ができるカティアに頼んだほうが確実と判断したのである。
「撃ちます!」
放たれた魔弾はフラッド・クラーケンの頭部に着弾するが、ダメージは通っていないように見えた。体表面で弾かれて光がバッと散る。
「魔弾が効いていない!?」
「フラッド・クラーケンは魔弾に対する耐性が高いようです、マリカ様」
「あの図体だもの、射撃には対策してくるよねえ……なら近接戦しかないということか」
巨体は圧倒的なパワーを発揮できるが、狙い易く的にもなりやすい。その対策として魔弾への防御力を高めているのだろう。
「しかし接近戦といってもな…ヤツの体は海の上だ。近づけないぞ」
上陸してくれればいいのだが、フラッド・クラーケンは海から上がろうとはしない。それは当然なことで、得意なフィールドを離れる理由がないし、触手を使えば遠くを攻撃することも可能であるのだ。
「なら…カティア、例の装備を」
「はい!」
カティアは背負ってきた大きなケースを降ろして開き、その中にはいくつかの機械と装備が格納されていた。
「マリカ、コレは?」
「まあ見てて」
マリカが手にしたのはバックパックで、縦長のボンベが二本セットとなって並列して接続されている。それをカティアの背中に装着し、更に足には厚底のブーツのような履物を履かせた。
「認証、アンドロイド用装着型戦闘システム。水中対応パック、接続完了です」
今回カティアに装備されたのは水中活動能力を向上させるためのオプションで、背負ったボンベの中身はハイドロジェットパックであった。スクリューフィンを用いた強力な推進機能を有していて、水中内において高速移動が可能となる。
「水没した街に行くっていうから、急いで直しておいたんだけど正解だった」
「カティアちゃんが海に潜るの?」
「それしかフラッド・クラーケンに近づく方法はないからね。カティアには大きな負担をかけることになっちゃうけど……」
その言葉にカティアは全く問題ありませんと返し、バックパックの左右に短縮された槍を二本装着する。これは素潜りなどで使うモリに似ていて、さながら漁に向かうような格好だ。
「カティアが戦いやすいように私も前に出る。魔弾はダメージになりにくいけど、注意を引き付けるくらいはできるからね」
自分で人助けをすると言い出したのにカティアに全て任せるなどあり得ないことだ。せめてできる事はするべきと、マリカは杖を抱えて走り出していく。
それをカナエが追い、カティアは別ルートから海面へと近づいた。
「カティア・マリンタイプ、いきます!」
飛び込みの要領でカティアは海に身を沈める。アンドロイドは機械であるが、特に問題なく水中でも活動することができた。アンドロイドは呼吸する必要がないため長く潜水できるし、今回のような任務ではうってつけの人材と言える。
ハイドロジェットパックのスクリューを始動させ、まるで魚雷のようにフラッド・クラーケンに向けて加速していく。
その頃、マリカは魔弾を撃ちながら陽動をしつつ、トレジャーハンター達に逃げるように叫ぶ。
「早く逃げてください!」
「アンタ達は何者!?」
「そんなことは今はどうでもいいでしょ! それより生き残ることが先決です!」
「とか言って、海に沈む宝を掠めとるつもりだな!」
「だから今そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
とやり取りをしている最中、トレジャーハンターの一人が触手に捕まって握り潰された。血肉が散り、雨のように海に降り注ぐ。
その光景に流石に怖気づいたようで、マリカの叱責を受けたトレジャーハンター達は魔具を放り捨てて逃げ出す。
しかし、
「マリカ、下がれ!」
カナエの声に咄嗟に飛びのくマリカ。すると、フラッド・クラーケンの頭部から照射された魔弾が先程までマリカが立っていた場所を焼き払った。
しかも魔弾はトレジャーハンター達も襲い、何人もを消し炭にしてしまう。
「あんな火力があるのか…!」
フラッド・クラーケンの胴体と一体化した頭部には赤く光る大きな結晶体が埋め込まれていて、白い体色と相まって特徴的な部位であった。その結晶体にフラッド・クラーケンの魔力が集中しているようで、カッと発光して魔弾を撃ってくるのである。
「なんでこんな……」
トレジャーハンターのリーダーが仲間の死体の傍で倒れている。悲しいのは分かるが、このままでは同じように死ぬだけだ。
「金品に目を眩ませるから…いいから早く立ち上がって!」
「あ、足が動かない……」
「クッ…怪我をして…!」
先程の魔弾による攻撃で足を負傷したようだ。生き残った仲間も傷を受け、まともに動けるような状況ではないらしい。
「カナエ、あの人達を遠くに運べる?」
「そりゃ不可能じゃないけどさ。マリカは?」
「カティア一人に無茶はさせられない! 私は残るから」
「ったく、ホント義理堅いというかなんというか……」
カナエに負傷者を任せ、マリカは再びフラッド・クラーケンに立ち向かう。
「カティア…頑張ろうね」
その言葉を直接聞いたわけではないが、気力が高まったカティアは槍状の魔具、スピアを一本手に持つ。そしてスピードを維持したままフラッド・クラーケンの下半身に突き刺した。
魔弾による攻撃とは違って簡単に皮膚を貫き、肉を抉る。刃物に対する防御力は低いようで、これなら充分なダメージを与えることもできるだろう。
「このまま!」
引き抜いたスピアを再び振りかざし、今度は足の一本に刺し込む。
だが、カティアへの怒りを爆発させたフラッド・クラーケンは触手状の足全てを海中に潜らせ、うねらせるようにカティアへと迫った。
「そうくるのなら…!」
足に履いたブーツの底にもスクリューが内蔵されていて、足の角度に合わせて急激な方向転換が可能だ。これによって動きの鈍る水中でも回避行動を取ることができ、カティアはこの装備を駆使して巧みに触手から逃れる。
「そこだ!」
触手の付け根へと肉薄したカティアは、口となる部位を発見した。体内はより大きなダメージを与えることが可能であり、カティアは口の中に向かってスピアを投げ入れる。
「これで!」
開いていた口はカティアを飲み込もうとしていたようだが、代わりにスピアが口内に突き刺さって傷を負った。激痛にひとしきり暴れたあと、口の近くに生えている噴射口から真っ黒なスミを吐き出す。
「うわっ! 真っ暗ですマリカ様!」
ここにいないマリカに報告してもどうにもならない。
カティアのアイカメラセンサーはフラッド・クラーケンを見失ってしまい、噴出したスミの勢いに押されて海中深くへと流されてしまった。
「なんだ!? 動きが…?」
マリカはフラッド・クラーケンの動きが激しくなる様子に怪訝そうにしながらも、続いて起こった出来事に目を丸くした。
「と、飛んだ!?」
なんとフラッド・クラーケンが海中から一気に飛び出し、宙を舞ったのだ。海水やスミの噴射口がスラスターバーニアの役割を果たしており、スミを推進剤として跳躍したのである。
「んな馬鹿な…!」
ズシンと街に着地するフラッド・クラーケン。漆黒の目には憎悪の感情が浮かんでいるように見え、睨みつけられたマリカは恐怖を抱いて額を汗で濡らすのであった。
「マリカ! ヤバいぜアイツは」
「恐らく、あの魔物はフラッド・クラーケンだよ」
「知ってんの!?」
「珍しい水生タイプで海の王者と呼ばれる伝承もあるらしい。肉食で普段は魚を食ってるんだろうけど、餌が少なくなって街を襲ったんだ」
魔物の多くは陸上生活をしており、海中で暮らす魔物は希少な存在だ。そのため内陸部に住む人間には認知すらされておらず、航海者達の間で噂になる程度である。特に現代のような通信が全く発達していない状況では情報の共有など困難で、マリカもアオナから聞いただけなので詳しい生態などは知らない。
「こりゃ退散したほうがいいな、マリカ」
「そうだね。触らぬ神に祟りなしって言うし」
「なんだそれ?」
「旧世界の格言だよ」
三人は車へと引き返そうとしたが、悲鳴が聞こえて立ち止まる。海面近くにいたトレジャーハンター達がフラッド・クラーケンに狙われているようだ。
「…見捨てるってのも後味が悪いよね」
「善人のマリカならそう言うと思った」
「出来得る限りの援護をして撤退を促そう」
マリカは背負っていた杖をカティアに渡し、魔弾による射撃で敵の気を引くように頼む。マリカ自身も魔弾の発射自体は可能なのだが、いかんせん射撃が下手なのだ。そのため高精度の狙撃ができるカティアに頼んだほうが確実と判断したのである。
「撃ちます!」
放たれた魔弾はフラッド・クラーケンの頭部に着弾するが、ダメージは通っていないように見えた。体表面で弾かれて光がバッと散る。
「魔弾が効いていない!?」
「フラッド・クラーケンは魔弾に対する耐性が高いようです、マリカ様」
「あの図体だもの、射撃には対策してくるよねえ……なら近接戦しかないということか」
巨体は圧倒的なパワーを発揮できるが、狙い易く的にもなりやすい。その対策として魔弾への防御力を高めているのだろう。
「しかし接近戦といってもな…ヤツの体は海の上だ。近づけないぞ」
上陸してくれればいいのだが、フラッド・クラーケンは海から上がろうとはしない。それは当然なことで、得意なフィールドを離れる理由がないし、触手を使えば遠くを攻撃することも可能であるのだ。
「なら…カティア、例の装備を」
「はい!」
カティアは背負ってきた大きなケースを降ろして開き、その中にはいくつかの機械と装備が格納されていた。
「マリカ、コレは?」
「まあ見てて」
マリカが手にしたのはバックパックで、縦長のボンベが二本セットとなって並列して接続されている。それをカティアの背中に装着し、更に足には厚底のブーツのような履物を履かせた。
「認証、アンドロイド用装着型戦闘システム。水中対応パック、接続完了です」
今回カティアに装備されたのは水中活動能力を向上させるためのオプションで、背負ったボンベの中身はハイドロジェットパックであった。スクリューフィンを用いた強力な推進機能を有していて、水中内において高速移動が可能となる。
「水没した街に行くっていうから、急いで直しておいたんだけど正解だった」
「カティアちゃんが海に潜るの?」
「それしかフラッド・クラーケンに近づく方法はないからね。カティアには大きな負担をかけることになっちゃうけど……」
その言葉にカティアは全く問題ありませんと返し、バックパックの左右に短縮された槍を二本装着する。これは素潜りなどで使うモリに似ていて、さながら漁に向かうような格好だ。
「カティアが戦いやすいように私も前に出る。魔弾はダメージになりにくいけど、注意を引き付けるくらいはできるからね」
自分で人助けをすると言い出したのにカティアに全て任せるなどあり得ないことだ。せめてできる事はするべきと、マリカは杖を抱えて走り出していく。
それをカナエが追い、カティアは別ルートから海面へと近づいた。
「カティア・マリンタイプ、いきます!」
飛び込みの要領でカティアは海に身を沈める。アンドロイドは機械であるが、特に問題なく水中でも活動することができた。アンドロイドは呼吸する必要がないため長く潜水できるし、今回のような任務ではうってつけの人材と言える。
ハイドロジェットパックのスクリューを始動させ、まるで魚雷のようにフラッド・クラーケンに向けて加速していく。
その頃、マリカは魔弾を撃ちながら陽動をしつつ、トレジャーハンター達に逃げるように叫ぶ。
「早く逃げてください!」
「アンタ達は何者!?」
「そんなことは今はどうでもいいでしょ! それより生き残ることが先決です!」
「とか言って、海に沈む宝を掠めとるつもりだな!」
「だから今そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
とやり取りをしている最中、トレジャーハンターの一人が触手に捕まって握り潰された。血肉が散り、雨のように海に降り注ぐ。
その光景に流石に怖気づいたようで、マリカの叱責を受けたトレジャーハンター達は魔具を放り捨てて逃げ出す。
しかし、
「マリカ、下がれ!」
カナエの声に咄嗟に飛びのくマリカ。すると、フラッド・クラーケンの頭部から照射された魔弾が先程までマリカが立っていた場所を焼き払った。
しかも魔弾はトレジャーハンター達も襲い、何人もを消し炭にしてしまう。
「あんな火力があるのか…!」
フラッド・クラーケンの胴体と一体化した頭部には赤く光る大きな結晶体が埋め込まれていて、白い体色と相まって特徴的な部位であった。その結晶体にフラッド・クラーケンの魔力が集中しているようで、カッと発光して魔弾を撃ってくるのである。
「なんでこんな……」
トレジャーハンターのリーダーが仲間の死体の傍で倒れている。悲しいのは分かるが、このままでは同じように死ぬだけだ。
「金品に目を眩ませるから…いいから早く立ち上がって!」
「あ、足が動かない……」
「クッ…怪我をして…!」
先程の魔弾による攻撃で足を負傷したようだ。生き残った仲間も傷を受け、まともに動けるような状況ではないらしい。
「カナエ、あの人達を遠くに運べる?」
「そりゃ不可能じゃないけどさ。マリカは?」
「カティア一人に無茶はさせられない! 私は残るから」
「ったく、ホント義理堅いというかなんというか……」
カナエに負傷者を任せ、マリカは再びフラッド・クラーケンに立ち向かう。
「カティア…頑張ろうね」
その言葉を直接聞いたわけではないが、気力が高まったカティアは槍状の魔具、スピアを一本手に持つ。そしてスピードを維持したままフラッド・クラーケンの下半身に突き刺した。
魔弾による攻撃とは違って簡単に皮膚を貫き、肉を抉る。刃物に対する防御力は低いようで、これなら充分なダメージを与えることもできるだろう。
「このまま!」
引き抜いたスピアを再び振りかざし、今度は足の一本に刺し込む。
だが、カティアへの怒りを爆発させたフラッド・クラーケンは触手状の足全てを海中に潜らせ、うねらせるようにカティアへと迫った。
「そうくるのなら…!」
足に履いたブーツの底にもスクリューが内蔵されていて、足の角度に合わせて急激な方向転換が可能だ。これによって動きの鈍る水中でも回避行動を取ることができ、カティアはこの装備を駆使して巧みに触手から逃れる。
「そこだ!」
触手の付け根へと肉薄したカティアは、口となる部位を発見した。体内はより大きなダメージを与えることが可能であり、カティアは口の中に向かってスピアを投げ入れる。
「これで!」
開いていた口はカティアを飲み込もうとしていたようだが、代わりにスピアが口内に突き刺さって傷を負った。激痛にひとしきり暴れたあと、口の近くに生えている噴射口から真っ黒なスミを吐き出す。
「うわっ! 真っ暗ですマリカ様!」
ここにいないマリカに報告してもどうにもならない。
カティアのアイカメラセンサーはフラッド・クラーケンを見失ってしまい、噴出したスミの勢いに押されて海中深くへと流されてしまった。
「なんだ!? 動きが…?」
マリカはフラッド・クラーケンの動きが激しくなる様子に怪訝そうにしながらも、続いて起こった出来事に目を丸くした。
「と、飛んだ!?」
なんとフラッド・クラーケンが海中から一気に飛び出し、宙を舞ったのだ。海水やスミの噴射口がスラスターバーニアの役割を果たしており、スミを推進剤として跳躍したのである。
「んな馬鹿な…!」
ズシンと街に着地するフラッド・クラーケン。漆黒の目には憎悪の感情が浮かんでいるように見え、睨みつけられたマリカは恐怖を抱いて額を汗で濡らすのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる