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第23話 エーデリア・A・カイネハイン
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王都一番街にて旧友のエーデリアと再会したマリカ達。久しぶりの対面に皆一様に暫し固まっていたが、駆けだしたエーデリアが沈黙を破った。
「カナエさん!」
「おわっ!?」
エーデリアは人目を憚らずにカナエの胸に飛び込む。よほどカナエのことが好きなようで、瞳には涙を浮かべてギュッと背中に手を回す。
その光景を見慣れているのかマリカは困惑することもなく、微笑ましそうに笑っていた。
「相変わらずだよ、エーデリアは。昔からカナエに甘えていたもんね」
「マリカさんもお久しぶりです。少し身長が伸びましたでしょうか? えっと、そのメイドのお方は?」
カナエからようやく離れたエーデリアは、マリカの隣に立つ見知らぬメイドが気になったようだ。
「このコはカティア。私の専属メイド、なんだ一応ね」
「専属メイドさんなのですか。初めまして、わたくしはエーデリア・アールム・カイネハインと申します。カナエさん達とはフリーデブルクの学校にて出会いまして……卒業してからは会う機会はなかったので、本当に嬉しいです」
まさにお嬢様といった礼儀正しい所作でカティアに自己紹介するエーデリアに貴族特有の高慢さは無く、メイドであるカティアに対しても普通に接している。そういう点をカナエも気に入っているようだ。
「しかしエーデリア、何かあったのか? 家からあんな風に飛び出してきて」
「あ、いえ、その……こんな場所で立ち話もなんですから喫茶店にでも参りましょう」
恐らく家に居たくない理由があって飛び出したのだから、ここから早く立ち去りたいようだ。
エーデリアの誘いに乗って話を聞くことにし、マリカ達は再び一番街中心部のマーケットへと戻るのであった。
マーケット街にある喫茶店”メタゼオス”はエーデリアお気に入りの店で、漆黒の城といった外観はテーマパークのアトラクションのようにも見える。周囲の煌びやかな装飾のされた店と比べると地味ではあるが、逆にエーデリアはその落ち着いた荘厳さが好きなのだ。
この喫茶店に入ったマリカ達は端の席へと案内される。
「あの、カナエさん達はどうして一番街に? もしかして、わたくしに会いに来てくださったのですか?」
「勿論それもあるし、商売も兼ねていてね」
「商売、ですか?」
「あたしはトレジャーハンターとして生計を立てていて、実は時々一番街に来て金持ち相手に集めた金銀や宝石なんかを売っているのさ。その時にエーデリアの家にも行くんだけど留守で会えなかったんだ」
「ああ…わたくしも色々と忙しかったものですから……」
カナエが訪問してくれたのに家にいなかったことを後悔するエーデリア。
「で告白するとな……」
「こ、告白ですか!?」
「留守と聞いても諦められなくて、ステルススキルを悪用してエーデリアの部屋に勝手に入ったりしたんだけど……」
「告白ってそういう……ん? わたくしの部屋にですか?」
「うん。もしかしたら親御さんの勘違いで部屋で寝ているだけかもと思って」
「うへへへぇ…カナエさんがわたくしのプライベート空間に……興奮しますね……」
やはり変態なのではとカティアは思うが、もし自分もマリカに覗かれたりしたら不快さなど全く無いし、なんなら興味を持ってもらえることは嬉しいのでエーデリアの気持ちは分かる。
「手紙の一通でも書いておけばよかったな。そこまで考えが至らなくて」
「うふふ、では便箋でも置いておきましょう……まあ家にはもう帰りたくはないんですけどね……」
先ほどまでの幸福そうな顔から一転して、エーデリアは表情を曇らせる。家に帰りたくないとは相当な理由があるらしい。
「どうしたんだよ?」
「お母様達と考えが合わないのです……わたくしは学校を卒業した後、お母様が経営する会社をお手伝いすることになりまして。しかしお母様のやり方は傲慢で、従業員の皆さんを歯車としか考えていないのです。それに異を唱えているのですが全く聞き入れてもらえず、ついには閑職に追いやられてしまいました」
「そりゃ難儀な話だ。昔からエーデリアは親御さんと仲良くなかったってのは知っていたが……」
「しかも現在三番街にて地下発掘作業を行っているのですが、そこで事故が発生したらしくて…わたくしは救助隊や軍への救援要請をするべきと進言しましたが却下されてしまい……お母様達はメンツばかりを気にして、事故があっても無視するつもりのようです」
「ヒドいな」
エーデリアの母親達経営首脳陣は従業員がどうなろうと知ったことではないのだろう。死んだらまた雇えばいいという考えで、人としてみていないのである。
「それで嫌気が差して逃げ出したのです……」
「まっ、そんな会社にいてもしょうがないしな。健康的な心身で働ける職場を探すほうがいいと思うよ、あたしはね」
「なのですが、事故のことは気がかりなのです。会社と家から離れる前に、それだけは何とかしたいと思うのです…でもわたくしに国家麾下の救援隊や軍を動かす力はありませんし……」
「そういうことなら、あたしがいるだろ」
「えっ…?」
カナエはエーデリアにウインクを飛ばす。ただの一般人ではあるが、ボランティアとして出来ることはあるはずだと。
「一匹狼のトレジャーハンターとしてやってきたから、これでも怪我の応急手当とかの知識は持っている。何かしら手伝えることはあるだろうさ」
「カナエさん…!」
「ロクデナシのあたしだけど、一応は善良さも残しているつもりだ。こんな話を聞いて…ましてやエーデリアが困っているのに助けないなんてことはしないよ」
普段は本当にダメ人間のカナエではあるけれど悪人ではない。
「私も行くよ。リペアスキルを活用できる場面があるかもだしね」
「わたしもです。アンドロイドなら危険地帯であっても救助活動などできますし」
マリカとカティアもカナエに同意し、同行を申し出た。こういう時は人数が多いほうがいいし、マリカとカティアそれぞれの能力の長所が活かせる機会もあるだろう。
「皆さん、ありがとうございます!」
深く頭を下げて感謝するエーデリア。初めて会った相手ではあるが、そんなエーデリアにカティアも好感を抱いていた。
王都三番街は都市開発が行われている地区で、住民はほとんど住んでおらず至る所で工事中となっている。
「三番街全体を旧世界を模したような先進的な街にする計画なんだってな?」
「はい。その工事発注を受けたのがわたくしのお母様が経営するディザストロ社でして、なのでここで働いていらっしゃる皆様はディザストロ社の従業員なのです」
「とするとスゴイ規模の会社だよな。こうも大掛かりな工事を一手に引き受けるんだから」
「ザンドロク王国内では一応最大規模なので……その弊害で従業員を切り捨てることに何も違和感を感じなくなってしまっているのです。傲慢になっているんですよ」
組織規模が肥大化するほど腐敗しやすい。特に上層部などは現場のことなど把握する気もなくなり、だから簡単に見捨てる選択肢を取るのだ。
「でも地下まで工事するなんて、何かお宝でも埋まってんの?」
「考古学者の調査によって旧世界時代の資料がいくつか発見されまして、それによると三番街の地下には旧世界の企業である日ノ本エレクトロニクス社が保有していた研究施設があるとのことなのです。今、その施設を掘り起こすように指示が出されていて、地下道を掘っている時に何か起きたのだと……」
日ノ本エレクトロニクスといえばカティアを製造した企業の名前だ。その研究施設が地下に埋まっているとなれば、マリカもカティアも興味がある。
「今は地下工事は停止されて、現場だけで対処しているようです」
「酷な話だよな。それを本社に報告しても何もしてもらえないなんて」
「お母様達は重大なことだと思っていませんもの。お金の勘定ばかりしているから世間が見えていないんです。しかもわたくしのように異議を唱える者は排除するのですから自浄作用なども存在しません」
「そんな会社に未来があるのかねぇ……」
目先の利益やプライドなどを優先する組織に未来は無い。破滅を迎えた時にそれに気がついても遅いのだ。
そうして歩いている内に目的の地下工事が行われているエリアに到着した。せわしなくディザストロ社の従業員が動き回り、今後の対応策を練っているようだ。
「皆様、遅れまして申し訳ありません」
「こ、これはエーデリア様。こちらこそ問題を起こしてしまい、なんと弁明してよいやら……すぐに復旧させますから、どうにかお許しを……」
「謝るのはわたくしのほうです。母を説得することができず、救援隊や軍の派遣を要請することができませんでした。しかし、出来るだけの手は打つつもりです。信頼のおける魔導士の方々に来ていただきましたから」
「なんとありがたい! 現在、地下では崩落が発生して設備が損傷してしまっているのです。これを復旧させるにも邪魔な岩などを排除する必要があるのですが、崩落によって負傷者が出ているために人手が足りませんので……魔導士の方なら我々一般人よりも力がありますから、より効率的に作業がはかどることでしょう」
単純な力作業でも魔導士の力は重宝される。魔力で強化された肉体なら一般人よりも高いパワーを引き出すことができるので、道具を使わないと運べないような大きな部材を担いだりといったこともできるためだ。
「では、さっそく参りましょう」
現場責任者に案内を頼み、エーデリア達は地下道に続く大穴へと入って行く。
この先に広がる薄暗い空間は、まるで暗黒界に続く道筋のようであった……
「カナエさん!」
「おわっ!?」
エーデリアは人目を憚らずにカナエの胸に飛び込む。よほどカナエのことが好きなようで、瞳には涙を浮かべてギュッと背中に手を回す。
その光景を見慣れているのかマリカは困惑することもなく、微笑ましそうに笑っていた。
「相変わらずだよ、エーデリアは。昔からカナエに甘えていたもんね」
「マリカさんもお久しぶりです。少し身長が伸びましたでしょうか? えっと、そのメイドのお方は?」
カナエからようやく離れたエーデリアは、マリカの隣に立つ見知らぬメイドが気になったようだ。
「このコはカティア。私の専属メイド、なんだ一応ね」
「専属メイドさんなのですか。初めまして、わたくしはエーデリア・アールム・カイネハインと申します。カナエさん達とはフリーデブルクの学校にて出会いまして……卒業してからは会う機会はなかったので、本当に嬉しいです」
まさにお嬢様といった礼儀正しい所作でカティアに自己紹介するエーデリアに貴族特有の高慢さは無く、メイドであるカティアに対しても普通に接している。そういう点をカナエも気に入っているようだ。
「しかしエーデリア、何かあったのか? 家からあんな風に飛び出してきて」
「あ、いえ、その……こんな場所で立ち話もなんですから喫茶店にでも参りましょう」
恐らく家に居たくない理由があって飛び出したのだから、ここから早く立ち去りたいようだ。
エーデリアの誘いに乗って話を聞くことにし、マリカ達は再び一番街中心部のマーケットへと戻るのであった。
マーケット街にある喫茶店”メタゼオス”はエーデリアお気に入りの店で、漆黒の城といった外観はテーマパークのアトラクションのようにも見える。周囲の煌びやかな装飾のされた店と比べると地味ではあるが、逆にエーデリアはその落ち着いた荘厳さが好きなのだ。
この喫茶店に入ったマリカ達は端の席へと案内される。
「あの、カナエさん達はどうして一番街に? もしかして、わたくしに会いに来てくださったのですか?」
「勿論それもあるし、商売も兼ねていてね」
「商売、ですか?」
「あたしはトレジャーハンターとして生計を立てていて、実は時々一番街に来て金持ち相手に集めた金銀や宝石なんかを売っているのさ。その時にエーデリアの家にも行くんだけど留守で会えなかったんだ」
「ああ…わたくしも色々と忙しかったものですから……」
カナエが訪問してくれたのに家にいなかったことを後悔するエーデリア。
「で告白するとな……」
「こ、告白ですか!?」
「留守と聞いても諦められなくて、ステルススキルを悪用してエーデリアの部屋に勝手に入ったりしたんだけど……」
「告白ってそういう……ん? わたくしの部屋にですか?」
「うん。もしかしたら親御さんの勘違いで部屋で寝ているだけかもと思って」
「うへへへぇ…カナエさんがわたくしのプライベート空間に……興奮しますね……」
やはり変態なのではとカティアは思うが、もし自分もマリカに覗かれたりしたら不快さなど全く無いし、なんなら興味を持ってもらえることは嬉しいのでエーデリアの気持ちは分かる。
「手紙の一通でも書いておけばよかったな。そこまで考えが至らなくて」
「うふふ、では便箋でも置いておきましょう……まあ家にはもう帰りたくはないんですけどね……」
先ほどまでの幸福そうな顔から一転して、エーデリアは表情を曇らせる。家に帰りたくないとは相当な理由があるらしい。
「どうしたんだよ?」
「お母様達と考えが合わないのです……わたくしは学校を卒業した後、お母様が経営する会社をお手伝いすることになりまして。しかしお母様のやり方は傲慢で、従業員の皆さんを歯車としか考えていないのです。それに異を唱えているのですが全く聞き入れてもらえず、ついには閑職に追いやられてしまいました」
「そりゃ難儀な話だ。昔からエーデリアは親御さんと仲良くなかったってのは知っていたが……」
「しかも現在三番街にて地下発掘作業を行っているのですが、そこで事故が発生したらしくて…わたくしは救助隊や軍への救援要請をするべきと進言しましたが却下されてしまい……お母様達はメンツばかりを気にして、事故があっても無視するつもりのようです」
「ヒドいな」
エーデリアの母親達経営首脳陣は従業員がどうなろうと知ったことではないのだろう。死んだらまた雇えばいいという考えで、人としてみていないのである。
「それで嫌気が差して逃げ出したのです……」
「まっ、そんな会社にいてもしょうがないしな。健康的な心身で働ける職場を探すほうがいいと思うよ、あたしはね」
「なのですが、事故のことは気がかりなのです。会社と家から離れる前に、それだけは何とかしたいと思うのです…でもわたくしに国家麾下の救援隊や軍を動かす力はありませんし……」
「そういうことなら、あたしがいるだろ」
「えっ…?」
カナエはエーデリアにウインクを飛ばす。ただの一般人ではあるが、ボランティアとして出来ることはあるはずだと。
「一匹狼のトレジャーハンターとしてやってきたから、これでも怪我の応急手当とかの知識は持っている。何かしら手伝えることはあるだろうさ」
「カナエさん…!」
「ロクデナシのあたしだけど、一応は善良さも残しているつもりだ。こんな話を聞いて…ましてやエーデリアが困っているのに助けないなんてことはしないよ」
普段は本当にダメ人間のカナエではあるけれど悪人ではない。
「私も行くよ。リペアスキルを活用できる場面があるかもだしね」
「わたしもです。アンドロイドなら危険地帯であっても救助活動などできますし」
マリカとカティアもカナエに同意し、同行を申し出た。こういう時は人数が多いほうがいいし、マリカとカティアそれぞれの能力の長所が活かせる機会もあるだろう。
「皆さん、ありがとうございます!」
深く頭を下げて感謝するエーデリア。初めて会った相手ではあるが、そんなエーデリアにカティアも好感を抱いていた。
王都三番街は都市開発が行われている地区で、住民はほとんど住んでおらず至る所で工事中となっている。
「三番街全体を旧世界を模したような先進的な街にする計画なんだってな?」
「はい。その工事発注を受けたのがわたくしのお母様が経営するディザストロ社でして、なのでここで働いていらっしゃる皆様はディザストロ社の従業員なのです」
「とするとスゴイ規模の会社だよな。こうも大掛かりな工事を一手に引き受けるんだから」
「ザンドロク王国内では一応最大規模なので……その弊害で従業員を切り捨てることに何も違和感を感じなくなってしまっているのです。傲慢になっているんですよ」
組織規模が肥大化するほど腐敗しやすい。特に上層部などは現場のことなど把握する気もなくなり、だから簡単に見捨てる選択肢を取るのだ。
「でも地下まで工事するなんて、何かお宝でも埋まってんの?」
「考古学者の調査によって旧世界時代の資料がいくつか発見されまして、それによると三番街の地下には旧世界の企業である日ノ本エレクトロニクス社が保有していた研究施設があるとのことなのです。今、その施設を掘り起こすように指示が出されていて、地下道を掘っている時に何か起きたのだと……」
日ノ本エレクトロニクスといえばカティアを製造した企業の名前だ。その研究施設が地下に埋まっているとなれば、マリカもカティアも興味がある。
「今は地下工事は停止されて、現場だけで対処しているようです」
「酷な話だよな。それを本社に報告しても何もしてもらえないなんて」
「お母様達は重大なことだと思っていませんもの。お金の勘定ばかりしているから世間が見えていないんです。しかもわたくしのように異議を唱える者は排除するのですから自浄作用なども存在しません」
「そんな会社に未来があるのかねぇ……」
目先の利益やプライドなどを優先する組織に未来は無い。破滅を迎えた時にそれに気がついても遅いのだ。
そうして歩いている内に目的の地下工事が行われているエリアに到着した。せわしなくディザストロ社の従業員が動き回り、今後の対応策を練っているようだ。
「皆様、遅れまして申し訳ありません」
「こ、これはエーデリア様。こちらこそ問題を起こしてしまい、なんと弁明してよいやら……すぐに復旧させますから、どうにかお許しを……」
「謝るのはわたくしのほうです。母を説得することができず、救援隊や軍の派遣を要請することができませんでした。しかし、出来るだけの手は打つつもりです。信頼のおける魔導士の方々に来ていただきましたから」
「なんとありがたい! 現在、地下では崩落が発生して設備が損傷してしまっているのです。これを復旧させるにも邪魔な岩などを排除する必要があるのですが、崩落によって負傷者が出ているために人手が足りませんので……魔導士の方なら我々一般人よりも力がありますから、より効率的に作業がはかどることでしょう」
単純な力作業でも魔導士の力は重宝される。魔力で強化された肉体なら一般人よりも高いパワーを引き出すことができるので、道具を使わないと運べないような大きな部材を担いだりといったこともできるためだ。
「では、さっそく参りましょう」
現場責任者に案内を頼み、エーデリア達は地下道に続く大穴へと入って行く。
この先に広がる薄暗い空間は、まるで暗黒界に続く道筋のようであった……
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