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検査がくれたもの(改)

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10年くらい前、私は卵巣癌始まりで、
転移して子宮癌になった。
もちろん、全摘。

腹部のあちこちに、ガンが転移して
とんでもない事になっていたので
「これはヤバイかも・・・」と
家族も先生も、看護師さんも
顔を曇らせてましたっけ。

そんなワケで1年のうちに
2回(前半と後半)手術しました。

1回目の手術で、取れる範囲の全部のガンを取って
合間に抗がん剤治療を2クール入れて後
残った小さなガンをさらに小さくしてから
2回目の手術をした。

使う薬や、抗がん剤もいろいろあって
ラッキーな事に、全部が私の体に効いてくれた。

一口に抗がん剤と言っても、
投与当日に白血球の量が不足してたり
体調不良だったりすると
その日はキャンセル(日程調整後)に
なってしまったりする事も有るけど、
幸いな事にそれも無かった。

手術も大成功で、年末入院は辛いので
医師に「退院させて」コールをして
無事に病院からの脱出に成功したのであった。

それ以降は、通院以外のお世話にはなっていない。

病状を考えると、生きようと決心してから
治るまでのタイムテーブルは、
かなり順調だったように思う。

初めて病院に行った時には、
病状はかなり進行していて
初見でステージ4と言われた。
(よーく検査したらギリステージ3でしたが)
当時は毎日、検査、検査に明け暮れたものでした。

採血検査、CTスキャン、MRI、エコーと、
検査と名の付くものは、大概やったんじゃないかと思う。

特にMRIは、もうやりたくない検査の一番手。
固定されて30分は同じ格好のまま・・・
ちょっとした地獄かもしれない。
検査が終わっても、身体が固まって動けなかった為
検査技師さん二人に、支えてもらって
何とか起き上がる事が出来た。

でも、あの時の検査技師さんは
若い人はアイドルみたいに可愛いし
年配の方も、ナイスミドルで
ちょっと「へへへ~」と、思ったのは秘密です(笑)

毎日の採血と点滴で、両腕は真っ青でボッコボコ。

針を刺す所の治りが間に合わなくて
手首とか手の甲とか、刺せる所全てに
点滴の針を刺していた。

入院すると、やりたい事も出来なくて
持って来た本を読み終わると、もう
点滴に繋がれた自分の手を見るか
窓の外の空を見るかってのが日課になってしまった。

まぁ、他の話にも書いたけど
自分が治る事は解っていたのだけど、
好きな物も食べられず
院内の売店に行く事も出来ない
そんな毎日を送っていると
自分の体に異常を感じた時に
すぐ検査に来ればよかったと
深ぁく反省したモノでした。

病気になって、入院すると、
自分も大変、家族も大変。

そんな事は、解っているつもりでしたが、
本当の意味では何も解ってなかったと、
今にして思います。

ガンという病気は、とりあえず良くなっても、
ずーっと検査が必要です。

もう良い、と言う事は、無いと言っていい。

通院する都度の血液検査と、CTを1年に1回やって、
大変だと思う反面、先生から「問題ナシ」と
言われると安心だし、何より
今の状態に心から感謝したくなる。

健康は一番の宝物だと、健康を損なって初めて気付くけど
できれば、無くす前に、定期検査を一年に一回やって
自分の体に感謝しつつ、家族と、楽しく幸せに暮らして
行く事がとても大切であると、思います。

確かに、検査していれば、絶対大丈夫という訳ではありません。

ですが、自分に安心と健康を贈る為には、どうしても必要に
なってくるものが「検査」ではないかと思う。

私は、自分に健康な未来を贈る為、
これからも体を気遣って行こうと思っています。

ふふふ・・・まだまだこれからですよって事ですね。


追記・・・

書き忘れていましたが、私は医師より
「術後再発率は、5年で70%」と
言われておりましたが、
今、担当医がビックリするくらい元気です(笑)

こういう事も有るのです。

どんな状況でも、諦めずに前に進めば
良い事って有るんですよ。
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