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第三章 日常時々非日常
予想外の接触
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宮田 慎也(みやた しんや)。
拓哉たちの大学の頃の友人のひとり。
とは言え唯志同様、卒業後は拓哉との交流は少ない。
だが、交流が少ない理由は唯志の様に苦手意識があるからではない。
単にそこまで仲が良いわけではないからだ。
大学時代の宮田も拓哉や野村同様に、唯志らを中心とした同じグループに所属していた。
だが、優に30人は超えていた(正確な人数は拓哉も把握できてない)グループであった為、当然の様にグループ内でも仲の良し悪しがあるし、付き合いの深い浅いなどもあった。
特にこの宮田と言う男は特殊な部類だ。
殆どのグループ内の人間は、唯志などのリーダー格が連れてきて結果的に連む事になる。
だが、この宮田という男はいつのまにかいた。
誰かと特に仲が良かったわけでもなく、何故か仲間内に入っていた。
所謂キョロ充というやつだ。
その為か、唯志もあまり相手にしていなかったのだが、あまり強く他人を拒否出来ない拓哉などは恰好の餌食で、よく絡まれたものだった。
--その宮田から久しぶりのskypoでの絡み・・・
あまり良い予感はしなかった。
「shinyaさん?タク君のお友達だよね?」
光が拓哉に質問する。
「うーん、まぁそうだね。大学の頃のね。」
「そうなんだ!なら唯志君たちとも友達ってことだよね?」
「・・・まぁ、そうかな。一応同じグループだったよ。」
唯志の友達。これだけでも光は結構期待している様子だ。
宮田からのメッセージは他愛もないものだった。
[最近どうだ。]とか[仕事だりぃ]とか[彼女欲しい]とか。
近況報告と世間話といったところ。しかも一方的な・・・
自分から話しかけておいて、自分の話ばかりするんだから大したものだ。
拓哉は適当に相槌をうつなどして受け流していた。
正直なところ宮田の近況になど興味は無い。
この間気を使ってか光はサブPCの方で調べものをして会話(チャット)は覗かない様にしてくれていた。
[--で、お前どうなの?]
唐突に拓哉のターンが来た。
(勝手なやつだな・・・。お前から話しかけたのに俺の近況も話さないといけないのかよ。)
拓哉は正直なところうんざりしており、早々に会話を切り上げようと適当な返事をしようと画策していた。
そう思い、返事を適当に打ち込もうと思った時にふと考えた。
(--宮田君にも相談したら何か良い案でも出してくれるか・・・?)
宮田の現職は確か接客業。眼鏡屋の店員だった様な気がする。
工業系の学科から何をどうしたらそうなったのかはわからないが、少なくともコミュ力は拓哉より上だから務まるんだろう。
それに大学の頃のグループに強引に参入してくる積極性。
少なくとも拓哉とは違う人種だ。
なら何か違う視点の意見も貰えるかもしれない。
----と、尤もらしい理由を考えていた。
が、実際には唯志への対抗意識による考えだった。
先日唯志は見事な手腕で協力者を複数名獲得してみせた。
今後の方針や動きなども唯志が考えたものが多い。
ぶっちゃけるとここまでほぼ唯志しか役に立ってない。
無意識ではあるが、拓哉はここまでの失点を取り返そうと焦りが出ていたんだろう。
到底役に立つとは思えない宮田にも相談をしてみることを考え始めている。
「光ちゃん」
拓哉は光に声をかける。
「ん?どうしたの?話し終わった?」
光は笑顔で拓哉の方を見た。
「えっと・・・この会話の相手、宮田君って言うんだけど・・・相談と言うか・・・協力を求めてみようかなって。」
と、拓哉は光に打明けて反応を見ることにした。
突然の話に光は少し戸惑っていた。
「えっと、タク君とか唯志君の友達なんだよね?信用できる人なら・・・良いのかな?」
と光は答えた。
信用できる人ならという部分は少し引っかかった。
宮田は信用できるかどうか、正直なところわからない。
苦手意識があるから疎遠だったが、仲は良く頻繁につるんでいた唯志とはわけが違う。
宮田に関しては、同じグループにいただけでそこまで仲も良くない。
そもそも宮田に協力を求めたところで役に立つのか甚だ疑問なところだ。
冷静に考えればそうだろう。
しかしこの時拓哉は功を焦るあまり冷静さを欠いていた。
或いは先日の探偵ごっこが上手くいったことで自信過剰になっているのだろうか。
そして決め手となったのは・・・
「うーん・・・一応唯志君にも相談して決めた方が良いんじゃない・・・かな?」
という光の一言だった。
この一言で拓哉の心は決まってしまった。
「大丈夫。俺に任せて。光ちゃんが未来人だとかそういうことは伏せて上手く協力してもらう方向に誘導するから。」
と、拓哉は宣言した。
先日の間宮・佐藤との一件。
唯志はほぼノープランで臨んで、結果自分の思惑通りに事を運んだ。
(あれくらい・・・同い年で学歴だって同じ俺にも出来るはずだ。)
と意気込んでいた。
だが、この選択は間違いだ。
積極的に動くことと、先走ることは違う。
このことに拓哉は気づいていない・・・いや、理解出来ていなかった。
唯志の行動は一見ノープランだが考えられている。
本人が余裕そうに振る舞うので周りからはリスキーに見えるかもしれないが、唯志はリスクは取らない。
一方、拓哉のはただの無鉄砲・・・行き当たりばったりな作戦だ。
唯志の様な経験も知識も策も無い。
出たとこ勝負にしたって手持ちのカードが少なすぎる。
人生経験が唯志に比べて極端に少ない、無難な選択肢を選んでなんとなく生きてきた拓哉にはこのことが理解できていなかった。
この時拓哉は三つの失敗をしている。
一つは前述の通り、根拠のない考えで動くこと。
一つは唯志に相談をすべきだったこと。
唯志であれば宮田に相談しない、もしくは上手く宮田を転がすことも出来ただろう。
そして最後に光は唯志と連絡手段があるということを忘れていることだった。
実際光の不安そうな顔を見れば少しは冷静になれたはずだが、拓哉は焦りすぎていた。
その結果、拓哉は宮田に相談を持ち掛けることとなる。
拓哉は宮田ことshinyaにメッセージを送る。
[少し相談があるんだけど・・・良い?]
拓哉たちの大学の頃の友人のひとり。
とは言え唯志同様、卒業後は拓哉との交流は少ない。
だが、交流が少ない理由は唯志の様に苦手意識があるからではない。
単にそこまで仲が良いわけではないからだ。
大学時代の宮田も拓哉や野村同様に、唯志らを中心とした同じグループに所属していた。
だが、優に30人は超えていた(正確な人数は拓哉も把握できてない)グループであった為、当然の様にグループ内でも仲の良し悪しがあるし、付き合いの深い浅いなどもあった。
特にこの宮田と言う男は特殊な部類だ。
殆どのグループ内の人間は、唯志などのリーダー格が連れてきて結果的に連む事になる。
だが、この宮田という男はいつのまにかいた。
誰かと特に仲が良かったわけでもなく、何故か仲間内に入っていた。
所謂キョロ充というやつだ。
その為か、唯志もあまり相手にしていなかったのだが、あまり強く他人を拒否出来ない拓哉などは恰好の餌食で、よく絡まれたものだった。
--その宮田から久しぶりのskypoでの絡み・・・
あまり良い予感はしなかった。
「shinyaさん?タク君のお友達だよね?」
光が拓哉に質問する。
「うーん、まぁそうだね。大学の頃のね。」
「そうなんだ!なら唯志君たちとも友達ってことだよね?」
「・・・まぁ、そうかな。一応同じグループだったよ。」
唯志の友達。これだけでも光は結構期待している様子だ。
宮田からのメッセージは他愛もないものだった。
[最近どうだ。]とか[仕事だりぃ]とか[彼女欲しい]とか。
近況報告と世間話といったところ。しかも一方的な・・・
自分から話しかけておいて、自分の話ばかりするんだから大したものだ。
拓哉は適当に相槌をうつなどして受け流していた。
正直なところ宮田の近況になど興味は無い。
この間気を使ってか光はサブPCの方で調べものをして会話(チャット)は覗かない様にしてくれていた。
[--で、お前どうなの?]
唐突に拓哉のターンが来た。
(勝手なやつだな・・・。お前から話しかけたのに俺の近況も話さないといけないのかよ。)
拓哉は正直なところうんざりしており、早々に会話を切り上げようと適当な返事をしようと画策していた。
そう思い、返事を適当に打ち込もうと思った時にふと考えた。
(--宮田君にも相談したら何か良い案でも出してくれるか・・・?)
宮田の現職は確か接客業。眼鏡屋の店員だった様な気がする。
工業系の学科から何をどうしたらそうなったのかはわからないが、少なくともコミュ力は拓哉より上だから務まるんだろう。
それに大学の頃のグループに強引に参入してくる積極性。
少なくとも拓哉とは違う人種だ。
なら何か違う視点の意見も貰えるかもしれない。
----と、尤もらしい理由を考えていた。
が、実際には唯志への対抗意識による考えだった。
先日唯志は見事な手腕で協力者を複数名獲得してみせた。
今後の方針や動きなども唯志が考えたものが多い。
ぶっちゃけるとここまでほぼ唯志しか役に立ってない。
無意識ではあるが、拓哉はここまでの失点を取り返そうと焦りが出ていたんだろう。
到底役に立つとは思えない宮田にも相談をしてみることを考え始めている。
「光ちゃん」
拓哉は光に声をかける。
「ん?どうしたの?話し終わった?」
光は笑顔で拓哉の方を見た。
「えっと・・・この会話の相手、宮田君って言うんだけど・・・相談と言うか・・・協力を求めてみようかなって。」
と、拓哉は光に打明けて反応を見ることにした。
突然の話に光は少し戸惑っていた。
「えっと、タク君とか唯志君の友達なんだよね?信用できる人なら・・・良いのかな?」
と光は答えた。
信用できる人ならという部分は少し引っかかった。
宮田は信用できるかどうか、正直なところわからない。
苦手意識があるから疎遠だったが、仲は良く頻繁につるんでいた唯志とはわけが違う。
宮田に関しては、同じグループにいただけでそこまで仲も良くない。
そもそも宮田に協力を求めたところで役に立つのか甚だ疑問なところだ。
冷静に考えればそうだろう。
しかしこの時拓哉は功を焦るあまり冷静さを欠いていた。
或いは先日の探偵ごっこが上手くいったことで自信過剰になっているのだろうか。
そして決め手となったのは・・・
「うーん・・・一応唯志君にも相談して決めた方が良いんじゃない・・・かな?」
という光の一言だった。
この一言で拓哉の心は決まってしまった。
「大丈夫。俺に任せて。光ちゃんが未来人だとかそういうことは伏せて上手く協力してもらう方向に誘導するから。」
と、拓哉は宣言した。
先日の間宮・佐藤との一件。
唯志はほぼノープランで臨んで、結果自分の思惑通りに事を運んだ。
(あれくらい・・・同い年で学歴だって同じ俺にも出来るはずだ。)
と意気込んでいた。
だが、この選択は間違いだ。
積極的に動くことと、先走ることは違う。
このことに拓哉は気づいていない・・・いや、理解出来ていなかった。
唯志の行動は一見ノープランだが考えられている。
本人が余裕そうに振る舞うので周りからはリスキーに見えるかもしれないが、唯志はリスクは取らない。
一方、拓哉のはただの無鉄砲・・・行き当たりばったりな作戦だ。
唯志の様な経験も知識も策も無い。
出たとこ勝負にしたって手持ちのカードが少なすぎる。
人生経験が唯志に比べて極端に少ない、無難な選択肢を選んでなんとなく生きてきた拓哉にはこのことが理解できていなかった。
この時拓哉は三つの失敗をしている。
一つは前述の通り、根拠のない考えで動くこと。
一つは唯志に相談をすべきだったこと。
唯志であれば宮田に相談しない、もしくは上手く宮田を転がすことも出来ただろう。
そして最後に光は唯志と連絡手段があるということを忘れていることだった。
実際光の不安そうな顔を見れば少しは冷静になれたはずだが、拓哉は焦りすぎていた。
その結果、拓哉は宮田に相談を持ち掛けることとなる。
拓哉は宮田ことshinyaにメッセージを送る。
[少し相談があるんだけど・・・良い?]
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