70 / 179
第三章 日常時々非日常
光と唯志のお出かけ
しおりを挟む
光が現代に現れてから、色々な人と出会った。
割と毎週のように色んな人たちと交流もあった。
唯志ともいろんな話をして、色んな所にも行った。
だがこの組み合わせは何気に初めてだ。
今日は木曜日。
光と唯志が二人で出かけることになっている。
光は待ち合わせ場所の阪神梅田駅改札前に、待ち合わせ時間の十分前の八時五十分に到着した。
案の定だが、唯志が先に着いて待っていた。
「唯志君おはよー。待たせちゃってごめんね。」
「おはよ、ひかりん。別に待ってないから気にしなくて良いよ。」
定型文とも言えるような待ち合わせカップルっぽい社交辞令が執り行われ、唯志の案内で歩き出した。
「唯志君、いつも早いよね。どれくらい前に来てるの?」
「ひかりんが来るちょい前。」
唯志は明確に時間を言わなかった。
結構待たせてるんじゃないのか?と光は心配になったが
「人を待たせるの苦手なんだ。気にしなくて良いよ。」
と唯志に言われ、無理やり納得させられた。
今日向かう先は家庭裁判所だ。
梅田に集合したものの、違う電車に乗り換えて向かう必要がある。
唯志のエスコートでスムーズに裁判所まで来た。
----
裁判所に入る前。
「唯志君、私こういうところ来たことないんだけど、大丈夫かな?・・・ちょっと不安。」
「俺も初めてだけど、まぁ安心して。基本的に俺が話すし、多少変なこと言ってもフォローするから。」
----
唯志にそう言われ安心したものの、やっぱり入ってみると独特の雰囲気に緊張してきた。
-----
結構色々たらい回しにされた。
無駄に時間だけ使った。
殆どの手続きは唯志がしてくれたものの、時間はすごくかかった。
それに今日だけじゃ終わらないらしい。
そう言えば前にも唯志は長期戦になると言っていたがこういう意味なのか。
私の状況は (作り話だが) 説明した。
だが、根拠が無いので調べる必要もある様だ。
その為にシチュエーション作りに拘っていたんだと今更ながら気づかされた。
先日の御子ちゃんとの擦り合わせが無かったらこの時点でアウトだったんだろう。
唯志はだいぶ前からこういう状況を作る為に動いていたんだなと感心させられた。
----
裁判所前。
約二時間ほどの時間を要してしまった。
「疲れたー!!この時代のお役所での手続きは疲れるね!」
「未来じゃ無人化かWEB化でもされてる?」
「うん、たいてい端末から出来るね。わざわざ出向く必要ないよ。この時代は大変だね。」
「ほんとにな。さっさとそうしたら良いのにな。まぁ理由は明白だけど。」
「そうなの?システム作るだけじゃないの?お金が無いとか?」
「いや、職を失う人が増えるからだよ。ひかりんの時代じゃ人口激減してるんだろ?ある意味そのおかげ。」
なるほど。
確かにあのたらい回ししてきた人たち、全員が職を失うんだ。
全国中でそうなったら失業者が酷い事になりそうだ。
--物凄く無駄なことだけれども。
「それより話もあるんだっけ?腹も減ったし、その辺の喫茶店でも入ろっか。」
唯志がそう言って近場の喫茶店まで案内してくれた。
相談があることもちゃんと覚えてくれていたようだ。
----
唯志に案内され入った喫茶店はオシャレな雰囲気の落ち着いた喫茶店だった。
必然的に客層は女性客かカップルくらいだ。
平日の為、客の年齢層も若い。
光はあまり慣れない雰囲気にそわそわしていたが、唯志にエスコートされ席へと着いた。
「支払い気にしなくて良いから、好きなもの注文して。」
「え、でも悪いよ。お金ならあるし私も払えるよ!」
「俺は女性に払わせるほど甲斐性なしじゃないぞ?良いから黙って奢られとけー。」
「う、うん。ありがとう、唯志君。」
申し訳ないとは思ったものの、唯志の気持ちが嬉しかった。
注文が届き、軽く会話をしながら食事を済ませた。
食後のデザートと飲み物を飲みながら、光はどうやって話を切り出そうか悩んでいた。
だが、唯志の方から話を切り出してきた。
「で、話ってなんだ?あまり良くない話?」
「・・・うん。先に裁判所に行っちゃったのももしかしたらまずいかも。ごめん、先に話すべきだったよね。」
「まぁとりあえず話してみ。聞いてから考えるから。」
「うん・・・。あの、これなんだけど・・・」
光はそう言ってスマホ画面を唯志に見せた。
yarnの宮田とのやり取りだ。
「何だこりゃ?shinyaって吉田じゃないよな。」
「うん、これタク君の友達の『宮田』って人。唯志君も友達って聞いたよ。」
「宮田・・・?ああ、大学の。そんな奴もいたね。」
「それで、その----」
その後、今日までの経緯を唯志に詳しく説明した。
拓哉の作戦で宮田に協力を求めたこと。
中途半端な情報を渡していること。
毎日のようにyarnが来ること。
先日二人で会う羽目になったこと、などなど。
----
ひと通りの話を唯志は黙って聞いていた。
「----って状況なの。ごめんなさい!」
「ひかりんがあやまることじゃないぞ。しかし吉田のやつ、面倒なことにしてくれたな。」
「やっぱり面倒だよね?ごめんね、唯志君にも迷惑を--」
「いや、俺はいい。それよりひかりんが危ない。」
「え?」
「これ、ストーカー一歩手前だぞ。ひかりん可愛いから、宮田のボケが執着してる感じだな。」
唯志に可愛いと言われて、光は顔を真っ赤にして照れていた。
しかし、現状を考えてすぐ真顔に戻った。
「そんなことより!この人が余計な事したら唯志君も逮捕とか・・・絶対今の戸籍の件に悪い影響あるよね!?」
「んー、まぁその手のリスクは元から考えてたし良いよ。それよりもひかりんの身の安全の方が優先。これ、早めに何とかした方が良さそうだな。」
唯志は光の身を心配している様だ。
「この事、吉田は知ってるの?」
「ううん、言ってない。言ったら傷つけるかなって思って、言いづらくて・・・」
光の言いたいことはわかったが、唯志としてはこの状況を招いた拓哉に若干腹が立っていた。
しかし光が拓哉の家で世話になっている事情もあるので、そこは光の意思を尊重することとした。
「さて、どうするかな。」
そう言って唯志は残っていたコーヒーを口をつけた。
割と毎週のように色んな人たちと交流もあった。
唯志ともいろんな話をして、色んな所にも行った。
だがこの組み合わせは何気に初めてだ。
今日は木曜日。
光と唯志が二人で出かけることになっている。
光は待ち合わせ場所の阪神梅田駅改札前に、待ち合わせ時間の十分前の八時五十分に到着した。
案の定だが、唯志が先に着いて待っていた。
「唯志君おはよー。待たせちゃってごめんね。」
「おはよ、ひかりん。別に待ってないから気にしなくて良いよ。」
定型文とも言えるような待ち合わせカップルっぽい社交辞令が執り行われ、唯志の案内で歩き出した。
「唯志君、いつも早いよね。どれくらい前に来てるの?」
「ひかりんが来るちょい前。」
唯志は明確に時間を言わなかった。
結構待たせてるんじゃないのか?と光は心配になったが
「人を待たせるの苦手なんだ。気にしなくて良いよ。」
と唯志に言われ、無理やり納得させられた。
今日向かう先は家庭裁判所だ。
梅田に集合したものの、違う電車に乗り換えて向かう必要がある。
唯志のエスコートでスムーズに裁判所まで来た。
----
裁判所に入る前。
「唯志君、私こういうところ来たことないんだけど、大丈夫かな?・・・ちょっと不安。」
「俺も初めてだけど、まぁ安心して。基本的に俺が話すし、多少変なこと言ってもフォローするから。」
----
唯志にそう言われ安心したものの、やっぱり入ってみると独特の雰囲気に緊張してきた。
-----
結構色々たらい回しにされた。
無駄に時間だけ使った。
殆どの手続きは唯志がしてくれたものの、時間はすごくかかった。
それに今日だけじゃ終わらないらしい。
そう言えば前にも唯志は長期戦になると言っていたがこういう意味なのか。
私の状況は (作り話だが) 説明した。
だが、根拠が無いので調べる必要もある様だ。
その為にシチュエーション作りに拘っていたんだと今更ながら気づかされた。
先日の御子ちゃんとの擦り合わせが無かったらこの時点でアウトだったんだろう。
唯志はだいぶ前からこういう状況を作る為に動いていたんだなと感心させられた。
----
裁判所前。
約二時間ほどの時間を要してしまった。
「疲れたー!!この時代のお役所での手続きは疲れるね!」
「未来じゃ無人化かWEB化でもされてる?」
「うん、たいてい端末から出来るね。わざわざ出向く必要ないよ。この時代は大変だね。」
「ほんとにな。さっさとそうしたら良いのにな。まぁ理由は明白だけど。」
「そうなの?システム作るだけじゃないの?お金が無いとか?」
「いや、職を失う人が増えるからだよ。ひかりんの時代じゃ人口激減してるんだろ?ある意味そのおかげ。」
なるほど。
確かにあのたらい回ししてきた人たち、全員が職を失うんだ。
全国中でそうなったら失業者が酷い事になりそうだ。
--物凄く無駄なことだけれども。
「それより話もあるんだっけ?腹も減ったし、その辺の喫茶店でも入ろっか。」
唯志がそう言って近場の喫茶店まで案内してくれた。
相談があることもちゃんと覚えてくれていたようだ。
----
唯志に案内され入った喫茶店はオシャレな雰囲気の落ち着いた喫茶店だった。
必然的に客層は女性客かカップルくらいだ。
平日の為、客の年齢層も若い。
光はあまり慣れない雰囲気にそわそわしていたが、唯志にエスコートされ席へと着いた。
「支払い気にしなくて良いから、好きなもの注文して。」
「え、でも悪いよ。お金ならあるし私も払えるよ!」
「俺は女性に払わせるほど甲斐性なしじゃないぞ?良いから黙って奢られとけー。」
「う、うん。ありがとう、唯志君。」
申し訳ないとは思ったものの、唯志の気持ちが嬉しかった。
注文が届き、軽く会話をしながら食事を済ませた。
食後のデザートと飲み物を飲みながら、光はどうやって話を切り出そうか悩んでいた。
だが、唯志の方から話を切り出してきた。
「で、話ってなんだ?あまり良くない話?」
「・・・うん。先に裁判所に行っちゃったのももしかしたらまずいかも。ごめん、先に話すべきだったよね。」
「まぁとりあえず話してみ。聞いてから考えるから。」
「うん・・・。あの、これなんだけど・・・」
光はそう言ってスマホ画面を唯志に見せた。
yarnの宮田とのやり取りだ。
「何だこりゃ?shinyaって吉田じゃないよな。」
「うん、これタク君の友達の『宮田』って人。唯志君も友達って聞いたよ。」
「宮田・・・?ああ、大学の。そんな奴もいたね。」
「それで、その----」
その後、今日までの経緯を唯志に詳しく説明した。
拓哉の作戦で宮田に協力を求めたこと。
中途半端な情報を渡していること。
毎日のようにyarnが来ること。
先日二人で会う羽目になったこと、などなど。
----
ひと通りの話を唯志は黙って聞いていた。
「----って状況なの。ごめんなさい!」
「ひかりんがあやまることじゃないぞ。しかし吉田のやつ、面倒なことにしてくれたな。」
「やっぱり面倒だよね?ごめんね、唯志君にも迷惑を--」
「いや、俺はいい。それよりひかりんが危ない。」
「え?」
「これ、ストーカー一歩手前だぞ。ひかりん可愛いから、宮田のボケが執着してる感じだな。」
唯志に可愛いと言われて、光は顔を真っ赤にして照れていた。
しかし、現状を考えてすぐ真顔に戻った。
「そんなことより!この人が余計な事したら唯志君も逮捕とか・・・絶対今の戸籍の件に悪い影響あるよね!?」
「んー、まぁその手のリスクは元から考えてたし良いよ。それよりもひかりんの身の安全の方が優先。これ、早めに何とかした方が良さそうだな。」
唯志は光の身を心配している様だ。
「この事、吉田は知ってるの?」
「ううん、言ってない。言ったら傷つけるかなって思って、言いづらくて・・・」
光の言いたいことはわかったが、唯志としてはこの状況を招いた拓哉に若干腹が立っていた。
しかし光が拓哉の家で世話になっている事情もあるので、そこは光の意思を尊重することとした。
「さて、どうするかな。」
そう言って唯志は残っていたコーヒーを口をつけた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい
みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。
それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。
願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。
スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。
ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。
※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる